デミオ1.5Lガソリンモデルの続報、耐久レースなど

今年の初めくらいにデミオスポルトが出るよ、1.5Lガソリン搭載だよという話がちょろっとネット上に出たのですが、ディーラー営業さんに聞いても「知らないですね」と言われ、やっぱ出ないのかな…と思っていたのですが続報がでました。

「デミオ」にスポーツコンセプト、「SKYACTIV-G 1.5」を搭載

モータースポーツジャパン2015 フェスティバル イン お台場というイベントでコンセプトモデルがお披露目されたらしいです。

デミオ モータースポーツ コンセプトは、国内のジムカーナやダートトライアル、ラリーなどのグラスルーツ(草の根)モータースポーツに参加するためのベースモデルとして提案する車両だ。2014年9月発売の「デミオ」に、排気量1.5l(リットル)の直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」や、6速マニュアルトランスミッション「SKYACTIV-MT」、大型ブレーキなどを採用しており、2015年秋の発売を予定している。

との事ですが…。元記事の写真を見ると変なステッカーが貼ってあったり、ハネが付いていたり、大げさなホイールが付いていたりとなんかちょっと大げさな印象。こうなるとどーせお高いんでしょう?という気持ちにしかならない。

個人的には先代デミオスポルトのように、「デミオの上位グレード」程度の位置づけで、値段も同じように200万を楽々切るくらいでリリースしてくれたら面白かったのですが…。大型ブレーキとか6MTとか要らないから、もうちょっとライトユース的なものがほしい。だって、6MTとか大型ブレーキとかデミオに載せたい!という嗜好の人はむしろロードスターで良いじゃん。デミオじゃないとあかんの?

はっきり言えばいらんことせずに今のデミオの最廉価グレードにエンジンだけ1.5Lガソリンを載せたモデルが欲しかったな。

走りにこだわるマツダとしてはこういうとんがったモデルを作りたいという気持ちもあるんでしょうが、なんだかプレマシーといい、デミオスポルトといい、「目立たないけど良車」みたいな車種をもっと大事にしてほしいなーと思う。でもデミオの場合は1.5ディーゼルで勝負したいのだろうし、そこに1.5Gという選択肢が入るとデミオ1.5ディーゼル、アクセラ1.5ガソリンあたりと競合しちゃうからやりたくなかったのかな。

まあ、デミオ1.5Gスポルトが出ても私は買わない(買えない)から別にいいんですけど。

そういや、デミオがスーパー耐久レースに出て燃費は良かったけど成績はダメダメだった、みたいなニュースを幾つかみたのですが、そして、大体「トルクのあるデミオでもレースではこんな感じでした」みたいな書き方をしていて、それに対する一般ピープルの反応も喜怒哀楽っていうか、そんな感じだった。

これは「加速度」と「走行タイム」の関係を示す良い例だと思う。

そもそも、ネット上のレビューや投稿などで人々が口にする、「速い」とはどういう特性を指しているのでしょうか。私自身、曖昧なままに使っていますがこれは重要なことです。

速い、を具体的に言えば「加速するときに大きなGを感ずる」「急激な加速度の変化を感ずる」「0→100km/hの加速が速い」「0-400mタイムが速い」「レースで一等賞を取れる」などなどの特性や性能が挙げられると思いますが、それが適宜「速い」と書く人の目分量で配合され、読む側も適宜都合のいい按配のブレンドで解釈を行っているのではないでしょうか。

ただ、一般的なピープルが運転していて「この車は速いな」と感じたときは、ほぼ「急激な加速度の変化(加加速度)を感ずる」「加速するときに大きなGを感ずる」ことに対して言及しているのではないかな、と思う。人間は機械ほど正確に時間や距離を計れないので、ある特定の区間の走行タイムがどれくらいであったか、なんてことは普通に運転していたら分からないでしょう。

ですが、ここら辺が人間の馬鹿なところで、「加速時に凄いGを感じるのだからサーキットや峠を走らせても早いだろう(良いタイムを出すだろう)」と勘違いしてしまいます。しかしこの命題は必ずしも真ではありません。

物理的に言えば車という物体をある地点AからBにどれだけ短い時間で移動できるか、というチャレンジは単位時間あたりにどれだけの仕事を投入できるのかという量にかかっています。単位時間あたりにどれだけの仕事、エネルギーを投入できるか、という尺度はつまり、仕事率(=馬力)で表現できます。

ようは馬力が大きければ大きいほど単位時間あたりに投入できるエネルギーが大きいので、それだけ短時間で速度が上昇し、結果的に早く物体を地点AからBに持っていくことができます。対して、トルクとは力の大きさを表す量であり、そこに時間の概念はありません。ですからトルクというパラメータのみを比較して「どっちが速いか」に言及することはできません。

以上を踏まえたうえで、トルクが太いけど馬力が100psしかないディーゼルエンジンを積んだ車と、トルクが細いけど馬力が130psあるガソリンエンジンを積んだ車では、他の条件や環境が同じであれば後者の方が地点AからBには早く到着できるということです。

ですから、100psくらいのデミオXDと130psくらいのフィットハイブリッドを比較すると、ほぼ同じような車格(車重)の車でパワーが違うという風に考えれば、そら、フィットの方が速いだろうな、というのは想像でき、ここまでに議論の余地は無いと思います。あとは、耐久レースですんで、コーナーリングがどれだけ速いとか給油回数がどうとかいう話になるでしょう。この辺、私はレースには詳しくないので良くわかりませんが。

と、まあこういうわけで、デミオディーゼルが耐久レースで全然ダメだった、などと言われても私は別になんとも思いませんでした。私が単にモータースポーツに興味が無いというのもありますが。

じゃあデミオはあかんのか、と言う話になってきますよね?ならない?なってください。さあ、なりましたね?ここで思い出してほしいのは

一般的なピープルが運転していて「この車は速いな」と感じたときは、ほぼ「急激な加速度の変化(加加速度)を感ずる」「加速するときに大きなGを感ずる」ことに対して言及しているのではないか

という私の推測です。これを検証するには無作為に抽出したドライバー100人くらいに対してブラインドテストさせれば一発で分かるのですが、そういうポケットマネーは私は持ってないのでやりませんし、やらなくてもまあ大体あっているでしょう。

「急激な加速度の変化」はエンジンのトルクカーブが急激に変化する特性から生じます。たとえばスーパーチャージャーを追加(ダウンサイジングターボでしばしば利用されます)したエンジンや、ディーゼルエンジンがそれにあたります。「加速するときの大きなG」は、タイヤが路面に伝える力の大きさに比例します。タイヤが路面に伝える力の大きさは、理論上は減速比でどうとでも変えられます。つまり極端にローギア比なギアを作れば感じるGは大きくなるという事です。

が、実際の自動車ではエンジン回転数が無限に上昇するわけでもその回転数に伝達機構が耐えれるわけでもないので、さらに言えば実用性が無いし数少ないギアの一つを超ローギアにするのももったいないので極端にローギアなセッティングにすることはできず、結果としてある程度エンジントルクが大きいことが必要です。エンジントルクが大きいエンジンの代表格はディーゼルエンジンです。

以上からディーゼルエンジンは「凄く速い」感じを味わうために非常に都合の良いエンジンであると言えます。実際に速い(レースやゼロヨンで好成績を残せる)かどうかとは無関係です。

…と書くとアホっぽく聞こえるかもしれませんが、いやいや、これは重要です。なぜならば、普通のドライバーが普通に運転すると言う行為はほぼ100%公道上で行われます。公道上を走る以上制限速度は守らなければならないわけですから、車の速さ(レースやゼロヨンで好成績を残せる特性)はあってもあんまり嬉しくなく、むしろあって嬉しいのは加速感(Gの変化、大きさ)でしょう。そういう点ではレースで好成績を残せるフィットよりもデミオディーゼルのほうが運転していて楽しいとも言えるわけですね。少なくとも、「レースでも速い」車に乗っているという満足感を得ることに重きをおくか、それとも加速感を味わいたいか、どちらを重視するのかという価値観の差であるとまでは言っていいでしょう。

ですから、賢明な皆様方におかれましては、Yahoo知恵袋や価格.comや2chなどで「マツダ自慢のディーゼルもレースすればドンケツwww100万円台のFitのほうが優秀とかwww」などと煽られたとしても、顔を真っ赤にしてキーボードをクラッシュさせることなく、冷静に「んなことスペック表見ただけで想像つくんだけど。もしかしてお前それ今知ったの?中学校の理科からやり直した方がいいんじゃないか知らん」などと言ってあげましょう。

ちなみに私は小さい車に小排気量ディーゼルエンジンを載せることの燃費以外のメリットがイマイチ良くわかってないので、やっぱりガソリンモデルがあればガソリンの方が良いかなと思っています。というのが冒頭の話。

だからマツダはさっさとディーゼルでADAS装備なミニバンを作るんだ!というのが去年までの私の話。

CX-5のガソリンが一番いいじゃん。というのが今の私。

次に車を買い替える時は電動タービンやHCCIエンジンが搭載されてて少なくとも高速道路上は自動運転してくれないと買う気にはならないなー。