2015年新型カローラ発表

発表されたので調べてみました。確認したのは下記の記事。

トヨタ、デザイン・燃費・安全をアップデートした「カローラ」シリーズ発表会 | Car Watch

【トヨタ カローラ 改良新型 発表】新開発1.5リットルエンジン車は燃費17%向上 | Response

【トヨタ カローラ 改良新型 発表】「トヨタ・セーフティ・センス」の搭載第1弾に | Response

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フィールダーはこんな感じの見た目です。私は現行フィールダーは見た目もコストパフォーマンス的にもかなり好きなのですが、ちょっとこの新型フィールダーのフロントは個人的には好きじゃないですね。

しかし今後トヨタ車(ヴィッツ、プリウス、アクア、miraiあたり)はこんな感じの顔つきを踏襲するらしいです。私はこの顔を「バカボンのパパ顔」と呼んでいます。

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リアはなかなか格好良いんじゃないでしょうか。ハッチバック下部の造形やループスポイラーあたりが若干スバルっぽく、リアのサイドウィンドウは若干VWっぽい気がしますが…。もうちょっと独自色を出してもいいんじゃないかとは思います。

まあでも、トヨタのデザイン上の独自色ってなんだ?と考えるとパッと思いつきません。強いて言えばバカボンのパパ顔ですかね。ちなみに私の中での各メーカーのイメージを述べると、トヨタは前述のとおりバカボンのパパ、スバルは古いガンダム、ホンダは新しいガンダム、日産は無味無臭、三菱は古臭い、マツダはコアラ、VWはオッサン趣味、ルノーはおにぎり、BMWはラジコン、フォードは大味、ベンツはベンツ、volvoはvolvoって感じです。

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内装は正直安っぽいと思います。安っぽいというか安いんですね。ハンドルのステッチはいかにも「とりあえずやってみました」という感じがにじみ出ています。円形のハンドルにコブ付けて革巻きにしてみた「だけ」で、握り易さとか使いやすさは何も考えていないような造作です。このハンドルに満足するユーザーが居るでしょうか?ユーザーを舐めているとしか思えません。こんなハンドルを握るくらいなら革巻きじゃない普通のハンドルの方がまだマシに思えます。

そしてシフト&ナビまわりは私の大嫌いなテカテカブラック。さらには最近急に増えてきたこのアイボリー系内装。なんかこのアイボリー系内装、安い車が背伸びして高級車の仲間に入れてほしそうに眺めている感があってちょっとみじめな気持になります。ボリューム価格帯の製品ならばそれらしく、良い落としどころがあると思うのですがどうでしょうか?別に高級車と張り合わなくていいと思います。

まあでも、これはトヨタのデザインセンスが悪いのではなくして、ユーザーが望んでいるからそうしているのでしょう。テカテカブラック、コブ付き革巻きハンドル、アイボリー内装が欲しいとユーザーに言われたからそうするのでしょう。

トヨタは世界トップクラスにユーザーの事を考えてくれている企業だと思います。ユーザーが望む商品をリリースするという意味においては、ね。

でも、デザインのずぶの素人の私がおこがましくも意見を述べさせていただくと、そうやって極度にユーザーの要望を汲むのはデザイン上の大衆迎合だと思いますよ。コンシューマってのは大多数がデザインの素人じゃないですか。それは街中を走るクソダサいカスタムカーの群れを見ていれば容易に分かるでしょう。

そこをプロのデザイナーが格好いいとか上品だとかおしゃれだというのはこういう事だっ!ババーン!と洗練されたデザインを見せつけてくれるような所があってもいいんじゃないでしょうか。そういった思いがあり、私はこういうトヨタの姿勢が大嫌いです。「どうせお前らこういう車欲しいんだろ?」「欲しかったんだろ?作ったから買えよ」と言われているように思えます。

ただ最後にフォローしておくと、この内装は”W×B”グレードだけで他のグレードについてはもっと落ち着いた内装になっていると思われます。

その他の内外装の写真はCar Watchの記事に大量にありますので是非見てみてください。

技術的にはADASシステムが載ったほか、新開発エンジンも載っているそうです。

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新開発エンジンにはマツダ好きお馴染みの4-2-1排気管が付いています。めちゃくちゃ小っさいですね。それに、排気管の接合部が…こう…DIYっぽくてなんか・・・・。しみじみとします。

ちなみに、マツダの4-2-1排気管は下記のような感じです。

image from mazda 

4-2-1排気管は掃気効率(燃焼後のガスをシリンダから押し出す効率)を高めるためのシステムです。残留ガスはノッキングの原因となります。掃気効率が高いと対ノック性が向上します。対ノック性が向上できれば圧縮比を高めることができます。圧縮比が高いエンジンは高効率エンジンです。と、こういう理論ですね。

あるピストンAが排気していてかつ他のピストンBが排気工程を終えて吸気行程に移ろうとしている時、Aのシリンダから排気されたガスの圧力波がBの内部に逆流してしまう現象が起こるそうです。これを防ぐため、なるべく排気が干渉しないようにした形状がこの形です。

逆流を防ぐには配管長を長くする必要があります。配管長が長ければそれだけ減衰しやすいですからね。下記の図が分かりやすいでしょう。

image from mazda

ただ、配管長が長いとエンジンルームに収めるのが大変になります。車体の大きなCX-5ですら排気管をループさせてようやく押し込みました。デミオは車体が小さいので4-2-1排気システムは採用できなかったと聞きます。

そういった背景を踏まえたうえで、このカローラの短い4-2-1排気システムを見ると効果の面で疑問に思えます。私はエンジンの技術者ではないので最適な排気管長なんて知らないですが。

そして、以下は新開発エンジンについて書かれたパネルです。よーく見てください。

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なんか色々書いていますが、もっとよーく見てください。

大量クルードEGR・・・。その下には英語でちゃんとHigh volume cooled EGRと書いています。こんなデカデカと書いていて、かつ報道陣に発表する資料なのに誰も気づかなかったんでしょうか。

でも、googleで「クルードEGR」と検索すると、日産、いすゞ、デンソー、出光などのページがもろもろ出てきます。ここまで来ると「クルードEGR」が正式名称なのか?とちょっと思ってしまいますが、いやいや、cooledをクルードと読む奴なんか見たことない。というか、こういう誤記を見るたび思うのですが、そもそも異言語をカタカナに無理やりあてはめているのがおかしく、だから私は英語をカタカナに直すのが嫌いで、英語表記はそのままalphabetで書けばいいと思うのですが、あまりやりすぎるとルー大柴みたいになるんですよね。how do you think about it ?

ADASについては、衝突回避支援(自動ブレーキ)と、レーン逸脱警告、自動ハイビームの3つが含まれるそうです。衝突回避支援については

「レーザーレーダーと単眼カメラの2種類のセンサーを併用することで、高い認識精度を獲得。低速から高速まで広い速度域をカバーする」

らしいです。なんか一々引っ掛かる言葉が多いですね…。

レーザーレーダーって何なんでしょう?レーザーなんでしょうかレーダーなんでしょうか。レーザーは光線の意味でレーダーは電波を利用した計測機器です。光と電波、どちらも電磁波ではありますが別物です。例えるならば「菓子パン調理パンが美味しいですね」と言っているようなもんです。アホっぽいでしょ?アホ面こいてパン食ってるアホが思い浮かぶでしょ?菓子パンなのか調理パンなのかどっちやねんって関西人じゃなくても思うでしょ?一緒ですよ。レーザーレーダーも。大体、長音符4つも付いてるんですよ。一体全体意味が分かりませんよ。あなた一体なんなんですか。

しかし「レーザーレーダー」という言葉は残念ながらある程度浸透しています。この言葉が指し示すのはたいてい「赤外線レーザー」を利用する測距システムと決まっています。じゃあなぜ赤外線レーザーと言わないのでしょう。私の勝手な推測ですが、以下のようなやり取りがあったのではないでしょうか。

偉いけど技術には疎い人A「赤外線レーザーってなんかダサいね」
偉いけど技術には疎い人B「そうですね、なんかハロゲンヒーターみたいにポカポカしそうですね」
A「何の役に立つかも分かりにくいしなあ」
B「じゃあ赤外線レーザーレーダーはどうですかね」
A「長いよ。消費者は馬鹿だからそんなに長い言葉覚えられないよ」
B「それもそうですね。じゃあ単にレーザーレーダーはどうですか?」
A「まあ、赤外線のダサい感じもないし、なんかPerfumeっぽいし良いんじゃない」

という感じではないでしょうか。結局はビジネス、マーケティングのためなら正しい技術用語などどうでも良いということなんでしょう。むかつきます。

まあ、それは置いといて赤外線レーザー式の測距システム。これは安価なため軽自動車のプリクラッシュ・衝突回避自動ブレーキシステムなどで多数採用されています。メリットはコストですがデメリットは走査範囲が狭こと(というか基本的にピンポイント)、と測距精度(物体の反射率や天候に左右される)です。あまり性能がよろしくないため、たとえばこれを利用した速度追従型クルーズコントロールシステムはありません。

が、上記の説明では「単眼カメラと組み合わることで精度向上した」などと述べています。これはいささか不可解な記述のように思えます。なぜならば単眼カメラでは距離を測定することは出来ないからです。光学カメラのみで速度追従クルーズコントロールを実現したシステムとして有名なのはEyeSightですが、こいつは複眼でオブジェクトの視差を検出することができるので距離を測定できます。単眼じゃ無理です。片目をつぶって二本の鉛筆の先端をくっつけてください。無理でしょ?機械も同じです。なので、単眼カメラで精度向上、というのは私には無理だと思うのですが、どういうことなのでしょう。

私の想像ですが、この説明は正しくなく、単眼カメラは単にレーン逸脱警告やオートハイビームの制御にのみ使っているだけのように思えます。もしくは、前走行車のブレーキランプ点灯を検知してすぐにブレーキアシストするなどの制御を行っているのかもしれませんが、それを「精度向上」とは言わないと思います。

あとは、前走行車の赤外線レーザーによる測距結果とカメラに映るスクリーン上の大きさを瞬時に関連付けて距離推定している…などの方法も無いことはないですが、もしこれを実用になるレベルで実現できているのであればもっとちゃんと宣伝するはずなのでやっぱりやってない気がします。

…と否定的なことを書いてきたので、じゃあこのシステムはダメか、と言われればダメではないと思います。

そもそもカローラのADASは「Toyota Safety Sense C」という廉価版ADASであり、その他にもうちょっと高い価格帯向けの「Toyota Safety Sense P」というのもあります。Pを搭載した車種はまだ発売されていないのですが、速度追従型クルーズコントロールやより高精度・高速な測距システムは採用されていることでしょう。現にプリウス、エスティマその他でレーダークルーズコントロールはすでに実装されていますしね。

で、カローラに搭載された「Toyota Safety Sense C」はあくまでも普及価格帯の車種においてもADASを広めて交通事故を抑制すると言うトヨタなりのCSRをまっとうするための活動であるとも言えるので、その意味においては低価格でそれなり性能なADASであっても搭載する価値は十二分にあります。

そういったことを踏まえたうえで、

「Toyota Safety Sense Cは、あくまで衝突回避支援の機能でドライバー主体の考え方で開発している」と付け加えた。

というのは、つまり、そういうことだと思います。搭載する社会的意義は十分にあり、ドライバーにもメリットはありますが過度な期待は禁物でしょう。

色々文句を述べてきましたが、その大部分はデザインやマーケティング上のうたい文句に対してです。車自体はやっぱりカローラですから、ボリュームゾーンを担当するべく、基本的なところは抑えたコストパフォーマンスの高い完成された車となっていることを期待します。

フィールダーの車体価格は161万円~247万円。さすがに247万円も出すならもっと他に良い車があるのではと思ってしまいますが、161万円に5万円をプラスして低燃費でADASも付き(最廉価グレードでもADASが付けれるそうで、この決定はやっぱりCSRを意識しているからだと思います)、荷物も積めてコンパクトな実用車種が買えるというのはとても良いと思いますが、いかがでしょうか。