新築に住まうホームレス

読みたい記事の「夢日記」への投票が2つになったのでさらに頑張って夢日記を書いていきたい。圧倒的に得票しているのは一条工務店だが、申し訳ない、ネタがない。

今日の夢は家に関する夢。

人々は日本語を話し、来ている服も顔つきも日本でよく見るそれだが、建物の雰囲気や植生、インフラの整備状況などは日本とは異なる。道路が舗装されておらず、ピックアップトラックがよく走っている。道端に大きなココナッツの木やバナナなどが生えている。日差しはそれほど強くないが、湿度が高い。

私の家は都市部にある。少し汚れた雑居ビルの間にひっそりと立って居る。RC造の2階建てだ。施工会社は現実に私の家の建築を依頼した会社と同じで、営業担当の方も同じ人。私はすでに引き渡されたその家に住んでいるのだが、しかしまだ施工が終わっていない部分がある。基本的には2階建てなのだが、3階に小さい倉庫を作ってもらうよう依頼していたのだった。また、屋上も有効利用したいと考えており、屋上へとつながる小さい扉もどこかにあるはずであった。

2階からさらに上へと続く階段を上ると、薄暗く声が響く空間にたどり着いた。天井が非常に高く、照明が無いので上方は薄暗くてよく見えない。唯一の明かりは横長のアルミサッシからの採光のみだ。壁は打ちっぱなしのコンクリートで無骨。窓の外には汚らしいビルと曇り空が見える。

階段はそこで終わっていて、さらに上に伸ばそうとした形跡が見えるもののその先にはだだっ広くて薄暗い空間があるだけだった。

「あれで上っていくんじゃない?」と嫁さんが指差した先には天井から釣り下がった太いチェーンと筒状になったオレンジ色の網があった。しかしそこまでたどり着くのがしんどい。足場が細い。5~6mほどの高さのところを慎重に進み、ようやくチェーンにたどり着いた。オレンジ色の網を放り投げると中に仕切りがあり、そこに足場を確保できるような構造になっている。中に乗り込んでから上から垂れ下がったチェーンをガラガラと回すと足場が徐々に上へ登って行った。天井までたどり着いたが暗くてほとんど見えない。チェーンと網エレベーターが動作する基礎となる機械が見え、その周りには工具やら資材やらが散らばっている。

一連の事を営業担当に伝えると「申し訳ありません。現在追加工事中です。工事用通路があります」と倉庫へと至る道を教えてくれた。そこをたどっていくとひときわ広い空間にたどり着いた。十分な数の窓が据え付けられていて採光もまあまあよろしい。よろしくないのはこの曇り空。しかし現場は非常に乱雑で、木屑や工具、コーススレッドなどが散らばっていた。

一緒に居た友達が「今夜はここで皆で飲もう」という。まあそれも良いかも知らん、と思い、了承。友人10人ほどが集まり、酒を飲んだ。暗くなってからは工事用に使っていたであろう白熱電球を数個天井からつりさげて明かりを確保した。なんともしみったれた貧乏くさい飲み会であったが、居心地は良かった。

朝になるとまた曇り空。ツーバイ材の上で寝ていたので体が痛い。木屑が頬についていたのを払い落とし、なるべく平らな所へもぞもぞと体を移動させて再び眠りにつこうとするも、ものすごくうるさいいびきが聞こえてきて眠れない。しかし眠気の方が勝っている。そのうち眠れるだろう…と思ったが眠れない。それほどに大きいいびきだ。

眠い目をこすりながらようやく体を起こすと、ほかにも数人同じようにけだるそうに体を起こしたやつがいる。皆が言いたいことは口に出さなくともすぐわかる。誰だ?このいびきの主は。一人ひとりいびきを確認していくが、不思議なことに誰もいびきをかいていない。しかしいびきの声量は大きくなっていくばかりである。

よく耳を澄ますと、どうも床下から聞こえているような気がする。床に散らばった材木を除けると、そこにはきったないボロボロの服をまとった上に異様な臭気を発するオッサンが大口を開けて寝ており、さらに手には我々が昨日飲んでいた焼酎の瓶が握られている。「この野郎、どこから忍び込んだんだ」友達が声を荒げ角材を手にするが私は冷静になれと静止。熟睡しきっている間に警備部隊を呼んで対処してもらおうと述べた。この夢の中では警察に当たる組織は「警備部隊」と呼ばれており、編成上も国家に属する団体ではなくてどちらかというと私有の企業に所属する組織のようであった。

電話をするとやけになれなれしいが、しかしやる気に満ちている口調のオッサンが「すぐに警備隊を向かわせるよ。現場が分かるように家の前で待っててな」と言うのでそのようにした。外に出ると電柱のそばにあるごみ集積場に山盛りになって放置されているゴミ袋を野犬が食いちぎって中のごみをあさっていた。電線は幾重にも重なって方々に伸びており、場当たり的に拡張してきたこの街を象徴しているかのように思えた。

警備部隊はすぐに到着した。木刀のような警棒を装備してヘルメットと防弾チョッキのようなものを身にまとった人が3人、それらを指揮する多少偉そうな感じの人が一人。この人は拳銃を腰に下げたうえ、肩に短機関銃をも背負っていた。その威圧感たるやすさまじく、何もそこまでしなくとも…と思った矢先。屋内から怒号。

一寸顔を見合わせたのちすぐに私が先導して倉庫へ急ぐと先ほどの汚いオッサンが木材と焼酎の瓶を持って友達一同と格闘している。オッサンもたいしたもので、友達一同7~8人を相手にたった一人で戦っていた。友達の一人は頭からなのか、鼻からなのか鮮血を垂らして床に突っ伏しており、それを二人が介抱している。

オッサンは訳の分からないことを喚き、涙を流していた。殆ど何を言っているのか分からないが、自分がこのように人から盗んだ酒を飲み、不法侵入して寝床を探さねばならなくなったまでの経緯がいかに悲惨でみじめたる思いだったかを述べるとともにその責任は行政にある、というような旨を言っていたように思う。

そしてそこへ屈強な警備部隊が突入、隊長然とした人が銃床でオッサンの頭を殴りつけるのを皮切りに、あとに続いた警備隊員が警棒をもってしてオッサンに対し殴りかかった。これにはさすがのオッサンもひとたまりも無い、と思いきや頭から血を流しつつも暴れる、暴れる。駄々をこねる子供のような恰好で両手両足をじたばたさせ、警備舞台4人の手でようやく押さえつけた。

オッサンの前歯は折れ、口からは半分凝固した血の塊がぼたぼたとおち、それでもオッサンはなにやら意味不明なことを喚き散らしていた。警備隊員は殺す気なんじゃないかと思うほどにしたたかオッサンを警棒で打ちのめししている。あとに残ったのは血みどろの倉庫と疲れ切った私たちだけで、オッサンに殴られたと思しき友達の一人は壁にもたれかかり、腫れた目でこちらを無気力に眺めていた。自然と苦笑いの表情になった。

そのあとですぐに営業担当から電話。「大変申し訳ありませんでした。工事用通路の警備に不手際があったようで」と平謝りあった。私は腫れた目の友達とともに屋上に上がった。今日も曇りで湿度が高い。汚らわしい通りの奥で犬がゴミをあさり続けている。