【再訂正版】CX-5フル加速の速度変化、0-400mタイムなどを計算した

全開までに二度も間違ったデータを公開してしまいましたが、これが三度目の正直です。

詳細は以下。

方法

前回と同じ方法で加速度を求めます。求めた加速度から時間の微小変化分経過後の速度の増分を計算します。計算後の速度から回転数を逆算し、その回転数におけるトルクを求め、また加速度を求めます。その加速度から時間の微小変化分経過後の速度の増分を計算します。以降ループ。4次式くらいになると解析的に積分できないのでScalaでプログラムを書いて解きました。速度の初期値はゼロとして20秒後まで計算しました。

トルクカーブは回転数の2次式~4次式の形でいい感じに近似しておきます(Excel使用)。1000rpm以下のデータが無いので適当に線形補完(切片を適当に決めた)して値を返すようにしました。加速し始めのデータにはあまり信頼性がありません。

対象とした車種はFFモデルのグレードです。つまり、20S Proactive、25S L Package、XD Proactive FFです。Proactivで比較したのは車体重量をなるべく合わせるためです。また、ホイールサイズはすべて17インチとしてあります。変速タイミングは、2.2D:5000rpm、2.5G:6000rpm、2.0G:6500rpmとしました。

CX-5の0-100km/h加速時間をググると8~9秒後半のようなタイムをよく見ます。今回の計算値はそれよりもずっと速いです。その最も大きな誤差要因は変速にかかる時間を考慮していないこと、トルコンの効果を計算していないこと、即座にロックアップすることなどが考えられます。以上の効果で100km/h到達速度が実際よりも1秒程度速くなっていると思われます。

それに、実車の速度計には非常に大きな誤差があるため、メーター読みで測定したタイムには意味がありません。

以上のようなことを踏まえて、今回の結果を持ってして「XXXという車は0-100km/hの加速がYYYだからCX-5よりも速いor遅い」などと判断するのは難しいです。しかし、シミュレーションモデル内の比較には意味があります。CX-5の各グレードの特性はそれなりに正しく表せていると思われます。

今回使った定数は以下の通り。

  • Cd値:0.33
  • 空気密度ρ:1.2kg/m3
  • 転がり抵抗μ:0.007
  • 実効タイヤ直径:0.7043m
  • 回転部分重量:車体重量の2%
  • 伝達効率:0.95

結果

縦軸が速度[km/h]、横軸が経過秒数[s]です。

100km/hに到達した秒数は下記の通りです。

グレード 100km/h到達秒数
2.2D 7.14
2.5G 7.60
2.0G 8.69

参考までに、ギアがトップのときの100km/h時の回転数も書いておきます。

グレード rpm
2.2D 1797
2.5G(AWD) 2029
2.5G(FF) 1897
2.0G 2029

 

感想

2.2Dモデルと2.5Gモデルは大差ないですね。2.2Dモデルの1速~2速での速度変化が急激なので、このあたりが「速い」という印象を与えているのだと思います。2.0Gモデルはその他のモデルに比べると一つ遅れるという感じでしょうか。

ちなみに、このグラフが示しているのは速度であって位置ではないので注意してください。位置は速度の積分(グラフの面積)になります。積分すると以下のようになります。縦軸が走行距離[m]、横軸が時間[s]です。

せっかくなのでここから0-400mのタイムを抽出してみると、以下のようになりました。

グレード 0-400mタイム
2.2D 15.28
2.5G 15.61
2.0G 16.38

 

SFCのゼロヨンチャンプで言ったらゴキブリ退治で金を稼いで最初の車にターボ付けたくらいのとこですかね。懐かしい。

トップギア100km/hの回転数ですが、ここだけ2.5GはAWDモデルも加えています。2.5Gのギア比はAWDの場合とFFの場合とでちょっと違うんですよね。AWDの方のギア比は2.0Gのそれと同じです。重くなっている分、若干ロー側に寄せているのでしょう。なので、100km/h巡航時にあまりエンジンを回したくないのであればFFを選んだ方がよさそうです。もっとも、100rpm程度の差で何か変わるような気はしませんが。XDだと1800rpm程度まで落ちますが、ガソリンエンジンに比べてうるさいというマイナスと回転数が低いというプラスで静粛性がどうなるかはちょっと良くわかりません。

これまで何回かに渡ってCX-5のグレード間の特性について書いてきましたが、私なりに出した結論は以下の通りです。

XDがおすすめな人

  • 圧倒的な加速感を味わいたい
  • ディーゼルが好き
  • きつい坂道がある道を良く走る
  • 年間走行距離が長い(2.5万km以上とか)

2.5Gがおすすめな人

  • リニアな操作性を求める
  • 回転数の伸びが欲しい
  • 静粛性を重視したい
  • 4WDが欲しい(2.0Gに4WDの設定はありません)

2.0Gがおすすめな人

  • リニアな操作性を求める
  • 回転数の伸びが欲しい
  • 静粛性を重視したい
  • コストパフォーマンス重視
  • FFでいい

ここまで数値で出せたら、あとはこの性能差にグレード間のコストをかける必要があるかどうかという問題になります。買う人がそれぞれ判断するところでしょう。

私なら、この性能差であればディーゼルは要らないと思いました。燃費向上分で車体コストをペイできるほど走りませんし、どちらかというと静粛性と回転数の伸びを重視したいかなという感じです。あとは4WDが必要かどうかで悩むところです。どれだけ雪道を走行するかですね。

子供が大きくなってからスキーorスノーボードをするか否かがポイントになるような気が。私自身、スキーは昔やっていて再開したいなとは思っています。でも、4WD買うんだったらこまめにスタッドレス新しくした方が良いかなあ…。毎年年末年始は秋田の実家で過ごしますが、その時に帰る程度ならFFでも問題無いです。4WDはあったら嬉しい、程度かな。

ちなみに、これ全然関係ない話ですがCX-5の諸元表にはボディ形状が「ステーションワゴン」であると書かれています。マツダ的にはこれSUVじゃないんですね。ステーションワゴンなんですね。SUVじゃないんだったら別に4WD要らないかなあ。

これもまた余談ですが、今作成中の車比較サイトでは、各車種で上記のようなデータを算出して比較できるようにする予定です。そのためにも精度の高い値を使いたいのですが、特にトルクカーブ、タイヤの有効半径を推定する方法に苦慮しています。CVTの伝達効率の変化なんかも難しいところです。色々論文を読んでみましたが、真面目にやるのはキツそうなのである程度は妥協が必要かな…。