プリウスのモーターとアクセラ移植時の謎について

まずはじめに本記事のタイトルとは関係ないんだがお詫びしたい。最近以下のような記事を書いた。

【訂正版】CX-5フル加速の速度変化、0-400mタイムなどを計算した

SUV各車種の0-400mタイムなどを比較

これは間違いです。上記記事は訂正版とあるので、2度間違いました。申し訳ない。タイヤの直径と半径を間違って計算してしまっていたため、なんと加速度が倍も違っていました。加速度が倍違うのを空気抵抗転がり抵抗重量その他を色々調整してなんとか実態に近づけていたのですが、間違いが判明したためより正確な値を出すことができました。訂正版の記事は順次書きまして、上記の誤りの記事はGoogleでヒットしてほしくないので消そうかなあ…と思っています。

間違っていた記事の扱いって毎回悩むんですよね。良くあるものとしては打消し線を書いて正しい記述を併記するという方法なんですけど、あまり訂正すると読みにくいだけです。なので私は不誠実な方法ですが記録を残さずバッサリ無かったことにして修正してしまいます。読む人が読みやすい形にするのが一番だと思うので。というわけで、今回も修正版記事を書いた後は上記記事は非公開にしようかと思っています。

うるせー見せろ、って人がいましたら、個別に対応いたします(居ないと思いますが)。

では、本論です。

プリウスのフル加速をシミュレーションで求めたいためにモーターのトルクカーブを調べていました。スペック表を見るとプリウスの駆動用電動機3JMのスペックは60kW、207N・mとだけ書かれています。

しかしシミュレーションを行うためにはトルクカーブが必須なので何か資料はないかと検索したところ、以下の図がヒットしました。

REPORT ON TOYOTA/PRIUS MOTOR TORQUE CAPABILITY, TORQUE PROPERTY, NO-LOAD BACK EMF, AND MECHANICAL LOSSES (Oak Ridge National Laboratory)

上図ではTHS-2と書いていますがこれに書いてある電動機のトルクカーブはZVW20(2代目プリウス)に使用されていた3CMという電動機になります。現行プリウスは3JMでスペックが違うのですが、まあ大体似たようなトルクカーブを仮定してシミュレーションしようと思い、上記トルクカーブの形で3JMのスペックを満たすよう縦に縮めたようなトルクカーブを作ってシミュレーションしてみました。

左軸(青)がトルク[N・m]、右軸(赤)が出力[kW]です。

しかし、このようなカーブだとネットで良く報告されている「プリウスの0-100km/h加速タイムは10秒を若干切る程度」というものからかなり遅くなってしまうことが分かりました。

そこで次はモータートルクが最初から最大値(207N・m)で、最大出力(60kW)到達後は最大出力がほぼ60kWになるようにトルクを下げていく…というカーブにしてみました。以下のような感じですね。

この図では7000rpmまでしかないですが、シミュレーションではどこまで回転数が伸びても60kWの出力が出るようなカーブとしています。このようなカーブでテストしたところ、実際の値に近い結果がでました。おそらく、実際のカーブもこのように一定の出力が出続けるようになっているのでプリウスのスペック表には回転数が書いていないのでは無いかと思います。それでも、トルクのmaxが1000-2500rpmくらいは書いていて欲しいなと思うのですが。

また、エンジンの出力についてもなんとなく納得がいきました。プリウスに搭載されるエンジンの最大出力は99ps、回転数は5000rpmとかなり低い値になっています。これは、私の走行速度とギア比から回転速度を求める計算が正しければ最高速度付近(200km/h)でもエンジンが5000rpm程度しか回らないからなんですね。おそらく、このエンジンは本来もっと回る(出力が出る)エンジンなのではないでしょうか。

THS-2システムをマツダのアクセラに移植した際、開発者インタビューで「このシステムだと2.0Lエンジンを乗せないと本来のスペックが出なかった(プリウスは1.8Lエンジン)」と言っているのをどこかで見たのですが、これはつまり低速回転領域でもっとエンジンパワー(トルク)が出て居てほしいという意味ではないのか、と思いました。

実際に手を動かして計算してみるといろんなことが分かって面白いですね。