CX-5/アテンザのマツコネはどうなのか

 

本記事は推測に基づいた内容です。本記事掲載時には分からなかった情報が公開されたので以下の記事を参照ください。

やっとわかったCX-5とアテンザのマツコネ

 

CX-5に興味が向いてきたのでいろいろ調べてみます。

ナビ機能に関して

CX-5、アテンザは去年のLAオートショーでマイナーチェンジ後のモデルが発表され、マツダコネクトの搭載が確定となりました。ただし、ナビ機能に関しては「ナビゲーション用SDカードPLUS」というオプションとして発売されることとなります。以前からマツダコネクトのナビ機能はナビ用SDカードをオプションで買うという方式であったのですが、そのSDカードに「PLUS」の文字が付きました。

では何が違うかというと、何から何までまったく別です。以前はNNG製ナビを搭載しており、これがすこぶる不評でしたが今回は富士通テン(Eclipse)製へと切り替えられました(下記記事参考)。

【富士通テンに確定】【2画面対応/NaviCon準拠】国産マツダコネクトナビは「ナビゲーション用SDカードPLUS」で値段と画面もついに発覚!

私は当ブログで「ホワイトレーベルの出来合いのナビをそのまま売ってユーザーは満足させられないし、アップデート可能だからと完成度の低いものをリリースするようなソフトウェアプロジェクトは失敗する」と5回くらい書きましたが、今回のナビは国内向けに設計・製造されたナビを流用するという点で失敗する(ユーザーからの評価が非常に低くなる)可能性は小さくなりました。正直、最初からそのようにすべきだったのではと思います。

ちなみにUK向けのCX-5でも「ナビ精度の大幅な向上」と書いてありました。ということは、この問題は日本だけでなくグローバルで顕在化していて、今回全面的なてこ入れを行った…のかもしれません。

個人的にはどういうハードウェア構成になっているのか、ということに興味がそそられます。

image from mazda

上図はアクセラに搭載されたマツダコネクトの構成図です。ナビ機能、インフォテインメント機能はConnectivity Master Unitで動作します。こいつはCoretex-A9 に1GBのDRAMを搭載しているとあります。乗っているOSは謎ですが、QNXであるような気がします。適当にググった感じだとマツダコネクトはHarmanやNNGのシステムが採用されていますが、これらでよく用いられているOSがQNX Neutorinoでした。POSIX準拠のUnix系OSですね。対して、富士通テンで良く用いられているOSはT-Kernel/μITRONです。以降の話はこの前提が正しいという元の推論です。

どちらもARMで動くのですが、ナビとインフォテインメント機能を切り替えるたびOSをブートしなおしているわけがないし、このレベルのハードウェアで仮想化が利用できるわけも無いです。QNXもT-KernelもPOSIX準拠ではありますが、そのうえで動くソフトの移植は難しいでしょう。というわけで、単純にSoCとメモリが2セット乗っているような気がします。Connectivity Master Unit内に2つのSoCがあるのか、違うモジュールに分かれているのかのどちらかでしょう。たぶん。

そのような設計にしておけば、ARMで動くナビであればOSの制約が無くなります。ARMで動くOSは多いので各国ですでに評価の高いナビシステムを取り込みやすいです。ハードウェア的な制約でそれが不可能であったとしても、ナビシステムがCPU的に切り離されているのとそうでないのとでは移植の難易度が全く異なります。

ナビのI/FはAV出力、ユーザーインプット、割り込み程度を揃えれば良いのではないでしょうか。あまりインフォテインメント機能との連携が必要になる要素はなさそうなので、I/Fは簡素にできます。マツダコネクトに取り込むにあたってナビシステム側で必要な改造は、そのI/Fに対応した上でダイヤルによるUI操作のサポートという事になりそうです。

この方法は手堅い方法であると思います。当初マツダが目指していたように、ホワイトレーベル企業のナビシステムを買いそれぞれの地域でローカライズするというやりかたは、単一製品を少ない工数でグローバルに適用できるというメリットがあります。これは経営者の視点から見れば理想的だと思われますが、結局は生産者側の都合をユーザーに押し付けているだけです。

という事は5回くらいこのブログで述べましたので、さておき。

ではこの富士通テン製のナビはどうなのでしょうか。マニュアルがダウンロードできるので読んでみると、なかなか良さそうです。ちゃんとマツダコネクトのUIとマッチさせて違和感のない仕上がりになっています。良くここまで気合を入れて作ったものだと正直、感心しました。おそらく、ここまでしっかり作りこむためにはそれなりの時間が必要です。

アクセラで初搭載されたのが2013年末ですから、2014年に入ってからのかなり早い段階でNNGナビを捨てることを決断していたのではないでしょうか。で、デミオでは間に合わなかったのでコマンダーダイヤルが使用できないタッチ方式の中途半端なナビの搭載となった…。というストーリーです。ですがこれだとデミオの最上位モデルは従来のマツダコネクト搭載ナビしか選ぶ事ができないという点がすこし引っかかります。最上位モデルだからこそ良いナビを付けるべきで、そこにNNGナビを付けるというのはつまりNNGナビを最上位モデルに相応しい出来にするということで、つまりそれは富士通テン製ナビの導入と矛盾します。つまり、良うわからん。知らん。俺は内部の人間じゃない。

富士通テン製のナビ機能に関してはどうでしょうか。FM VICSには対応ですが光ビーコンは非対応。私の経験上ですが、FM VICSで大体事足りるのでこれは問題ありません。ジャイロが搭載されているかどうかは明記されていなかったのですが、マニュアルの後ろの方に大きくハンドルを切るようなことが続くシーンでは測定精度が悪くなることがありますよという旨が長ったらしくかつ言い訳がましく書いてあります。そのあたりから察するにおそらくジャイロは搭載されていないでしょう。そもそも搭載されているのであれば売りになるから書いているはずです。

車速パルスくらいは読んでほしいんですがどうですかね。富士通テンのラインナップから原型となったモデルはどれかな…と調べてみたのですが、情報が少なすぎて特定できませんでした。個人的には自立航法はぜひとも追加しておいてほしいですね。

ナビに関して言えば私が一番信頼する製品はGorillaです。ルート案内、UI、画面表示、応答速度どれをとってもGorillaほどの良いと思える製品には出会えていません。まあ、Gorilla、Strada、carrozzeria、その他激安PNDくらいしか触って事が無いのですが…。(いやいや、Gorillaなんてカスだわ、こっちの製品のほうがいいよというのがあれば教えてください)

最新のGorillaでは加速度センサ、3Dジャイロに加えてついにOBD2からの車速パルス取り込みに対応しました。さらに、GPSは「みちびき」「グロナス」対応と測位精度では現状考えられる最良の方法を用いている気がします。元々、Gorillaのナビ機能は10年くらい前の時点で私は十分に満足できるレベルでしたので、それからずっと進化したGorillaナビならば全く文句はありません。

もっと言えばマツダコネクトの新しいナビは富士通テン製ではなくてGorillaにしてほしかった。まあそれは完全なる私の好みですが。

もしCX-5を買うとしたら、ですが、もうちょっと詳しいユーザーレビューなどを見てマツダコネクト用ナビSDカードを買うかどうか決めたいところですね。

また、既存の(デミオ・アクセラの)マツダコネクトが富士通テン製ナビに対応するかどうかは乗っている皆が気になるところでしょうが、私は多分無理ではないかと思います。

インフォテインメント機能について

ナビの話題ばっかりですが、本来のマツダコネクトの目的は、その名の通り「コネクト」、つまりSNSなどのインターネットサービスやスマートフォンとの連携でした。そっちの機能はどうなんでしょうか。私は全然興味がないので調べてもいませんでした。で、いまさらですが調べてみようと思います。

Aha by Harman

メインの売りはAhaへの対応です。これはカテゴリで言えばインターネットラジオになります。このインターネットラジオの放送局としてTwitterやFacebookといったサービスが提供されています。自分のタイムラインに流れるメッセージを音声で読み上げたり、これに音声入力で返信したりするそうです。まあ使う人は使うのかもしれませんが、私はわざわざ運転中にそういうことをやろうと思ったこともなければ、やりたくもないですね。

あとはBluetoothによるハンズフリー通話ができるという機能もあります。これは装備されて当然の機能で、実際に利用するシーンも多いと思います。その他、車両情報の表示や音楽の再生といったものがありますが、これも装備されていて当然っちゃ当然の機能なので割愛。

個人的には目的地付近の天気とか、ネット経由で取得する渋滞情報とか、メッセージングアプリが使えたりとか、そういうものが利用できる方が嬉しいです。ちなみに、自動車向けAndroidではWhatsAppなどのメッセージングアプリが使えます。

まとめ

ナビ機能に関してはアクセラ/デミオのマツコネ向けナビに比べて進化している印象はありますが、それは「まともになったように見える」ということであって、少なくとも他の市販されているナビと比べて優れていると言い切ることは出来ません。それほどナビにこだわりが無いユーザーであれば満足するでしょうが、ナビにこだわるユーザーは満足できないのではないかと思います。もっとも、私含め「ナビにこだわるユーザー」なんてのは2DINスペースの復活でないと満足できないと思いますが…。電装品をいじるのが大好きな私にはやはりメーカー指定製品のみというのは物足りなく感じます。

インフォテインメント機能に関してもあまりユーザーの要求にマッチした機能が実装されていないように感じます。SMS送受信は海外では良く使われると思いますが、日本でSMSを使っている人はほとんどいないでしょう。もちろん商品の作り方はユーザーのニーズを汲むだけではありません。メーカーが新たなニーズを創出するというやり方も大いに結構だと思います。しかし、そのような気概・積極性も感じ取ることができません。他メーカーもやってるし、ウチでもやってみたけどどう?IoTとか流行ってるじゃん。という程度のメッセージしか感じられません。

私が同様のシステムを作るならば思い切ってハイエンドスマホくらいのスペックを持ったデバイスを据え付けます。ベースはAndroidやLinux、WindowsなどにしてCAN、ハードウェアボタン、ダイヤル、その他センサなどとの取り合いI/Fのすべてを開発者向けに提供します。さらにUSBやGPIO、HDMIなどの拡張端子を充実させます。するとどういうことが出来るでしょうか。

たとえば、走行速度が130km/hを超えたらTwitter経由で「130km/hで走行中なう」と警視庁公式アカウントへ向けてツイーとするとか、エアバッグが作動したら「事故ったなう」、歩行者用エアバッグが作動したら「人轢いたなう」と消防庁公式アカウントへ向けてツイートするとかいうウィットに富んだ魅力的なアプリを作成できます。

あとは単純にロガーとして使うのも面白いですね。買ってからの全走行経路をクラウドに保存して参照できるとかどうでしょうか。とある夫婦が車を買ってから、数年にわたって記録した走行履歴を眺めながら「あーここ大渋滞だったんだよね」「ここの水族館すごかったね」などと感慨にふけるわけです。そしてログの最後はとある峠道をそれた所で止まり、男は「ここで路面の凍結に気付かずガードレールを突破してがけ下に落ちて妻が死んだんだよな。うんうん。私の人生もここで終わりかな」と後を追って自殺する決心がつく、とかね。

浮気調査とかも容易になりますよね。毎回出張だと車に乗り込んで数日帰らない夫が怪しい!という場合はスパイアプリを忍び込ませておいてこれもまたクラウド上に随時ログを送信するようにしときます。そのログを自宅PCからリアルタイムで確認し、出張先とは逆方向に向かい始めたらメールでアラート通知。駅近くに数分停車した後にそのままホテルに向かったところで離婚届を送信します。それを受け取った夫はメッセージを確認、静電容量タッチペンでサインを行ったあとに返信、妻がそれを印刷して捺印、市役所に持っていく。離婚フローをライフハック。

そういうことを繰り返すに従い、本システムの評判はガタ落ち、メディアから熾烈なバッシングを受けマツダコネクトどころではない評判の悪さとなるでしょう。おわり。