タカタのエアバッグ問題のまとめ

よく見るので調べてみました。

問題の概要

タカタは東京都港区に本社をもつ、エアバッグ、シートベルト、チャイルドシートなどを製造するメーカーです。今回問題となっているエアバッグは、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、GM、フォード、VW、BMWなどで販売される各自動車に搭載されています。エアバッグの世界シェアは世界2位だそうです。

今回の騒動の発端となった事故は2009年5月までさかのぼります。ホンダのアコードに搭載されたエアバッグが衝突時に爆発し、飛散した金属片が運転手の頸動脈を切断するという事故が発生。その半年後にも同様の事故が発生。いずれの事故もホンダ・タカタとは裁判に至らず和解。ホンダはタカタ製エアバッグのリコールを継続、昨年にはホンダやトヨタ自動車 など5社が日本や米国などで合計約400万台をリコール。

これまでの不具合の原因として、タカタとホンダは、米国とメキシコの工場における火薬の製造工程や管理に問題があったと米当局に説明している。

しかしながら事態はそれで収束せず。国内では昨年4月に岡山県でフィット2003年モデルの助手席エアバッグが破裂する事故が発生。今年1月には静岡県でカローラ2002年モデルに搭載されたエアバッグが作動した際、高温の破片が車内に飛び散り、助手席シートが焦げたという。

米国とメキシコで生産されたエアバッグ以外でも同様の事象が発生するという事は問題はもっと他にあるのか、それとも、両者は異なる事象なのか。ホンダは半年かけて原因究明を行ったが結局特定には至らなかった。

トヨタは、タカタの記録保持が不完全で問題を複雑にしたと指摘。タカタの広報担当者はロイターの取材に対し、メキシコのモンクローバ工場での記録の保管状態に問題があったことを認めたらしい。

タカタは原因究明を目的に、エアバッグの破裂が多発した米南部などに限ってリコールを実施してきた(高温多湿環境が悪いのではないかと言われている)が、米運輸省は、範囲を全米に広げるよう命じた。しかしタカタはこれを拒否。米高速道路交通安全局(NHTSA)は強制リコールの手続きを開始。ヒアリングや提出書類を精査し、原因を明らかにできれば強制リコールに出来る。しかしこれも拒否するとなると、裁判に持ち込むしかないがすると事態はさらに長期化する。

日本ではリコール前に原因特定を先行させるが、米国では被害防止を優先して早めに踏み切る傾向があり、そういう考え方の違いも影響していると言われている。

感想

この問題では海外サイトではかなり前からホットな話題でした。日本で良く耳にするようになったのはつい最近の話だと思いますが、かなりの温度差を感じます。当初はメキシコ~米国南部でのみ発生していた事象だったはずが、日本でも同様事象が発生し始めたからでしょうか。

ロイターの記事に事故の詳しい状況が載っていますが、事故の詳細はなかなかすさまじいものがあります。「運転者の右目に1インチの破片が飛んできた」「破片が頸動脈を切断」「高温の破片が車内に飛び散り、助手席シートが焦げた」などという状況です。本来生命を救うはずのエアバッグがミニ榴弾砲となり、頸部~胸部を常に狙っていると考えればこれは恐ろしいことです。まあ、事故れば必ず発動するという訳でもないですが。

普通、自分が乗っている車に搭載されているエアバッグが何処のメーカーによって製造されたかなどということは知らないでしょう。私も知りません。リコール情報を調べてみると私のプリウスは該当こそしていないものの、今回の問題は原因が明確に特定できていないという怖さがありますから、消費者にはある程度の恐怖感があるでしょう。

もっとも、一番原因を究明したいのは他ならぬタカタ本人でしょう。メキシコでは「記録の保管状況に問題があった」と言っていますが、製造工程上の種々のデータを紙で記録して乱雑に保管していたとかそういう感じなのでしょうか。製造業において製造工程で採取できるパラメータというのは品質管理のみならず生産性の向上にも役に立つ重要な情報ですからそれを現代的なグローバル企業がおろそかにしているというのはちょっと呆れるというか、むしろ呆れるを通り越して不思議な印象を受けます。

本社がある日本で製造された製品でも事故が発生しています(たぶん。日本車は日本の九州工場で生産されたエアバッグを搭載するよね、という想像)。さすがに日本であれば製造工程のログもしっかり保管しているでしょうから、これから原因究明が進むと期待したいところではあります。

参考サイト