小型ミニバンはこの先生きのこれないのか

先日、下記のような記事を書きました。

2014年以降のマツダの新車販売計画~プレマシー消滅?

今回はもっと話を広げて「ミニバンは今後どうなるのか?」にフォーカスを当てて考えてみたいと思います。

なぜミニバンが無くなるのか?

下記記事で紹介したマツダオーストラリアのmanaging directorの言葉が以下です。

マツダはミニバンに興味が無いしビアンテが嫌い

マツダは、ホンダのオデッセイや起亜自動車のCarnivalのようなセグメント(ミニバン)には興味が無い。新しいオデッセイやCarnivalはちょっとしたムーブメントにはなるだろうが、それはマツダCX-9やトヨタのクルーガーなどといったSUVの売り上げには届かないだろう。しかも、SUVは今ピークを迎えてはいるが、それは一時的なものではない。

ミニバンのセグメントは年間の売り上げが1万台のオーダーだが、SUVは年間10万に達する。その中でもCX-9のような大型SUVは3~4万台ではあるが、それでもミニバンセグメントに比べたら3~4倍の規模である。

これはマツダに限らず各社似たような傾向であることは周知の事実でしょう。プレマシーは前述のとおり(北米マーケットで)無くなると言われていますし、ホンダのストリームも2014年6月をもって販売を終了しました。トヨタアイシスも販売終了のうわさが流れており、最近は主に小型ミニバンが消滅していっているようです。荷室容量がそれほどない小型ミニバンはSUVと特に競合しやすい、という判断なのでしょうか?

ミニバンが好きな日本人

 

Best selling cars in Europe

September 2012 YTD - Top 265 Best-Selling Vehicles In America - Every Vehicle Ranked

上記2サイトで米国と欧州の販売台数ランキングを見ると、まず「バン」が無い。欧州はほとんどがA-Cセグメントに属するような、日本で言うコンパクト、ハッチバックのような車種がほとんどだ。ツーリングワゴンやSUVも多いが、とにかくバンは無い。全然ない。日本で言うミニバンに近い車種で欧州のランキングに乗っているのは、VW Touran(54位)、VW Transporter(ランキング111位)だろうか。他にもあるかもしれないが、聞き覚えのない車種が多く、見逃している可能性が高い。

米国では圧倒的にセダンが人気だ。SUVも多いがセダンも多い。ハッチバックやワゴンもあるが、やっぱりバンは無い。ランキングに登場するバンはDodge Grand Caravan(28位)、オデッセイ(31位)、Ford C-MAX(234位)などだろうか。正直、これら以外は見つけられなかった。

対して日本のランキングは凄い。自販連のランキング(2014年5月)を参照すると、VOXY(4位)、ノア(9位)、セレナ(10位)、フリード(12位)、ステップワゴン(16位)、ヴェルファイア(22位)、エスティマ(26位)、アルファード(27位)、オデッセイ(29位)…と、書くのが疲れてくるほどだ。なぜ日本は狭い道が多く、立体駐車場も多いのにミニバンが好まれるのだろうか。謎である。

とにかく、上記データを見る限りはミニバンが好きなのは日本市場に特有の現象と言えるだろう。そして重要なことは、自動車メーカー各社とも、よりマーケットの大きい北米や欧州、または新興国に注力しているのが最近の傾向であるという事実である。好例がスバル レガシィであろう。北米市場を優先して日本には似つかわしくない車体サイズとなってしまったのはよく批判される点である。

売れるミニバン、売れないミニバン

メーカーにとっては市場規模が小さい日本向けにミニバンを作っても、ほかの国で流用が効きにくいためうまみが少ない。ならば、ラインナップからミニバンを外してしまおう…と、こういうことになる可能性は十分に考えられる。ただし、必ずそうなるわけではない。具体的には、少なくとも以下2ケースの場合には販売が継続されるだろう。

  • 日本市場だけでも十分な数が売れるミニバン
  • プレミアム路線でそこそこ売れるミニバン

たとえばいま日本で一番売れているノア/VOXYなどが一点目にあたる。この二車種の2014年1~6月の売上台数を合計すると、88,323台であった(自販連)。年間では少なくとも10万台前半程度までは行くだろう。マツダオーストラリアの偉い人が「SUVは年間10万台(キリッ)」とか言っているが、日本の一番売れているミニバン兄弟車2車種だけで10万は超えてしまいそうな勢いなのだ。これを考えれば、いかに日本人がミニバン好きであるかが分かると同時に、海外展開してようがしていまいが採算を確保できるラインを大きく超えてむしろ稼ぎ頭ということになるだろう。こういう車種をメーカーが手放すはずがない。

二点目、プレミアム路線でそこそこ売れるミニバンも重要である。具体的にはヴェルファイア/アルファードだ。2014年1~6月の売上台数を合計すると38,507台であった(自販連)。年間で7~8万台くらいになるのだろうか。300~600万もする車が(しかも売価を高めに設定して利益率が良いであろう車が)こんなに売れるのだから、これもまたメーカーにとってはおいしい車種であろう。これもまた今後中長期的にラインナップに残り、人気を博す車種に違いない。

ストリーム販売終了の衝撃

と、まあこんな感じで日本のミニバン市場は売上比率から見るとほぼトヨタが牛耳っているという格好だ。次に日産、ホンダが入ってきてその他のメーカーが落穂ひろいと言った雰囲気だろうか。上記の勝ち組に入れなかったミニバンは、とりあえず細々とランナップを埋めることを主目的として大幅なアップデートも無く惰性で売られ続けるか、さっさと販売終了するかのどちらかだろう。(憶測だが、ラフェスタがプレマシーのOEMであるというのも、日産としては力を入れたくないからではないだろうか)

ミニバンの中でも特に厳しい戦いを強いられているのが、ノア/VOXY/ステップワゴン/セレナなどの5ナンバー系ミニバンとフリードやシエンタなどの小型ミニバンの間を埋めるカテゴリ、つまり、WISH、ストリーム、プレマシー、プリウスα、アイシス、ラフェスタなどがこれに当たる。ここでは、このカテゴリをロールーフミニバンと呼んでみる。5ナンバー系ミニバンや小型ミニバンの売り上げに比べると、ロールーフミニバンは明らかに勢いがない。素人目にも、売れていると言えるのはプリウスαくらいのものではないだろうか。

この、「間を埋める車種」というのは、言い換えればあらゆる面で中途半端だ。結局は小さくてコストパフォーマンスが良い車か、大きくて積載量十分な車、という選択肢に落ち着いてしまうのではないだろうか。ロールーフミニバンは走行性能に注力した車種が多く、そういう需要は取り込めると思うのだが、結局は走行性能にこだわるユーザーはそもそもミニバンを買わないか、もしくは絶対数が少ないということなのだろう。

それでも、個人的にStreamの販売終了は衝撃であった。このクラスの車種では圧倒的に良く見る車だし、過去人気を誇った車種でもある。日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれたことがある。

それに加えてアイシスも販売終了のうわさが流れている。

トヨタ「ノアヴォク」兄弟車=『ESQUIRE(エスクワイア)』:【HV専用】で【10月】発表【アイシス】廃止!

アイシスは正直、街中で走っているのをあまり見ないし、WISHとノア/VOXYの合いの子というあまりにも中途半端な位置づけであったから無くなっても不思議ではなかった。が、ロールーフミニバンの一車種が無くなったということは確かだ。

それに続いて、今回のプレマシー販売終了の憶測である。あくまでも販売終了が噂されたのが北米での話なので、これが正しくとも国内販売がどうであるかは未定であるのだが、マツダのような小さい会社(自動車メーカーでは)が国内の少数のユーザーをどこまで大切にしてくれるかは不明だ。ベリーサもCX-3に合流して廃止するという噂が流れている。

ロールーフミニバンのユーザーは今後何を選べばよいのか

ストリームが無くなり、今後もしプレマシーも無くなれば、同様にしてOEM車種であるラフェスタも無くなるだろう。WISHは販売終了のうわさをまだ聞かないので、継続されるかもしれない。プリウスαも人気車種なので販売は継続されるだろう。これらは今後も選択肢の一つとなりうるが、スライドドアが無い。スライドドアが必要ならばほかの車種を選ぶしかない。

6人以上の座席が必要で、かつ、スライドドアが必要であればFREEDもしくはシエンタが候補になるだろう。それではサイズ的に小さいという事であれば、5ナンバー系ミニバンとなる。

外車だとVWのGolf Touranやルノー カングーなどが候補となりうる。カングーは元々が商用車だからかそれほど価格も高くないし積載量が大きいのでアウトドア派からの支持があるようだ。若干パワー不足なのが難点で、ATは4速の設定しかないのも引っ掛かる。できればMTが欲しいところだと思う。そもそも、カングーはカングーという車種であることにブランドがあるようなので、性能について論じるのはナンセンスかもしれない。

また、Golf Touranは走行性能、燃費、足回り、静粛性、質感、後席の乗り心地、どれをとっても高いレベルでまとまっていると思う。が、これもスライドドアは無く、さらに国産のロールーフミニバンに比べると価格帯がまったく異なる。国産のロールーフミニバンは200万前後の車種が多いが、Touranは300万からの値段設定だ。

座席は5人以下で良いが、単に積載量が欲しいのでロールーフミニバンに乗りたい、という場合は、SUVやステーションワゴンも一つの選択肢にはなるだろう。SUVはすでに述べたとおり、ミニバンセグメントを食い漁っている張本人であるから、選択肢は豊富にある。が、箱型のミニバンとは違って見た目の割には積載量が無いという印象は持ってしまうかもしれない。

ステーションワゴンもあまり選択肢が無い。国産車種だとカローラフィールダーかウィングロードというあたりになるだろうか。これならば価格帯もそう変わらない。しかし、BMW、VOLVOなどがラインナップしているワゴンは言うに及ばず、アテンザ、レガシィ、レヴォーグなどは価格帯が全く違うので、これらは選択肢から外れることも多いだろう。

ステーションワゴンとはちょっと違うかもしれないが、フィットシャトルも積載量は多いようなので、選択肢の一つにはなりうるかもしれない。

私の考えていること

私は今トヨタ車(プリウス)に乗っているので、次は他のメーカーの車も乗ってみたいと思っている。WISHはこの時点で選択肢から外れる。プリウスαなどもってのほかだ。αを買っても殆ど違いは無い。FREEDはデザインが好みではない。内装が安っぽい所もあまり好きではない。

フィットシャトルは乗ったことも無ければ間近で見る機会も無かったので何とも言えないが、フィット自体は良い車だと思う。私の実家では初代フィットをいまだに乗っているが、積載量も多いしうまく走らせれば24km/Lくらいの燃費は簡単に叩きだしてくれる。車体自体も安いしコストパフォーマンス抜群だ。最近は新しく搭載したDCTの不具合が多く、ユーザー評価は低いようだが。で、良い車だと思うが買いたいとは思わない。もっとお金を出しても良いからもうちょっと高級感のある車に乗りたいというのが正直なところだ。

5ナンバー系ミニバンはおそらく何があっても買うことは無いだろう。何よりも一番は車体が重いのが引っ掛かる。私は走行性能もある程度は重視したいと思っているのだが、1.5~1.6tを超えるボディではどれだけパワーのあるエンジンを積もうと走りを楽しむことは難しそうだ。そして、いくら積載量が欲しいとは言っても、普段から大量の荷物を積むわけではないのであれだけデカい車体は不要だ。

外車は乗らない。Touranは良い車でちょっと欲しいと思っていたが、友達が買ったのでかぶる。カングーも嫁さんの親しい知り合いが買ったのでかぶるし、私は非アウトドア派なのでふさわしくないと思う。また、日本人だから日本の会社から車を買いたいという気持ちもある。

ワゴンはそれなりにアリかな、と思う。 カローラフィールダーも結構好きなんだが、嫁さんは「ダサい」と言いそうだ。ちょっと安っぽいのも気にかかる。余談だが、私は内装の安っぽい車は嫌いだが、極端に安っぽいと逆に愛着がわいてくる。営業車のプロボックスや軽トラを見ると、なんだか戦う車だなー、すげーなーって気持ちになってくる。一人暮らしだったらプロボックスに乗ってるかもしれん。

レヴォーグもスペックや装備を見ると良いな、と思うのだが、もうちょっとシンプルで落ち着いたデザインになってほしいような気がする。あのフロントデザインはまるでガンダムのように思えて個人的にはあまり好きじゃない。最近のホンダ(特にステップワゴンやN-BOX)も特にそうだが、あのデザインにおけるガンダム感はもうすぐ三十路の私が乗るにはちょっと恥ずかしい気持ちになる。新しいVOXYもそんな印象を受ける。すごくはりきって作ったミニ四駆を走らせてるみたいだ。

もうちょっとシンプルで落ち着きがありながらも確かな存在感のあるデザインが好みだ。BMW 5シリーズツーリングワゴンとかレガシィツーリングワゴンとか。でも両車種は高い。たとえ1000万くらい手元に余剰金があったとしても、はっきり言って車ごときに300万後半以上はかける気にならない。私はバイクも欲しいしオーディオも欲しいしDIYツールも欲しいし木材も欲しいし熱帯魚の水槽も欲しいし投資もしたいし旅行もしたいのである。北欧まで車で行くわけにはいかない。

で、上記のような考えと私のほとばしるマツダ愛を加味した結果、アテンザはどうかな…という気持ちになってきた。アテンザは先進装備も充実している割に安い。プレマシーの代替、さらには「必要以上にデカい車は要らない」とか言っていた人が横幅1.8m、全長4.8mもあろうかというデカいワゴンを買うとかどういう事じゃ、他にも色々あるだろ、って感じなのだけど、だって、だって、だってなんだもん。マツダ車が欲しいんだもん。アクセラは小さいし、ビアンテはthe face only mother could loveだし。

でも、一人暮らしだったら確実にデミオの最上位モデルを買ってるな。