写真はイメージです

大前提として、私はアホである。

アホであるがために、従来はアホな記事ばかり書いておった。下ネタやバカな話が大好きだった。しかしながらそれではアクセスを稼ぐことができず、アクセスを稼がないと私のビジネスモデルは破たんするがために、有用な記事を書くというポリシーに方向性を転換して今日まで書いてきた。

「~である」「~となる」「~とみなせる」「~と考えられる」、みたいな文体を書いて語尾に見えない(キリッ)という効果音もつけた。しかしもうそれも疲れた。私が本当にやりたいのはバカな記事を書いて見てもらうということである。しかしながら、それは今までのところ全然うまくいかなかった。

結局のところ、アホも才能である。関西ではアホという言葉は好意的なニュアンスで使われるシーンがあるという。たぶん、ジョークがうまくて話しの分かるいいやつ、みたいな意味が込められているのだろうか。たとえば人気芸人などはきっとそのアホの才能を持っているのだろう。だからエンターテイナーとして食っていける。

しかしながら私のアホは、精々下手の横好きといったレベルであって、世間並のアホレベルと比べて大差があるものではない。人と比べても並みのレベルで勝負しても勝てないのは当たり前である。でも俺は横が好きなんだ。だからたまにはやっぱりアホな記事も書きたいよね、と思った。ので、書いてみる。

この写真はイメージです

私は基本的に自分で弁当を詰めている。すると、「えー、すごいね」などと言われるのだが、基本的には冷凍食品のストックから数個を取り出して入れているだけなので、作っているというよりかは「取り出している」「置いている」程度の意味に近い。

で、その冷凍食品のパッケージを見ていたら、「この写真はイメージです」と書いていた。前面にはおいしそうなメンチカツの写真が載っている。「この写真はイメージです」、うん。そうか。写真はイメージなのか…。と思った。

厳密に解釈してみよう。まずはimageという単語の意味をgoo辞書で調べてみた。

  1. (心に浮かんだ)映像,表象,イメージ;心理学心像;(製品・会社・政治家・政党などに対し一般大衆の抱く)印象;名声,人望,概念,観念(concept, idea)
  2.  (網膜上に結ばれる)像;鏡[レンズ]による像;(テレビ・映画などの)映像,画像;数学写像
  3.  よく似た人[もの],生き写し
  4.  (肖)像;画像,彫像,塑像,神像,偶像(idol)
  5.  形,姿,外形
  6.  象徴(symbol);例,典型,具現,化身
  7.  (言葉・文章による)描写,(特に美しい)表現
  8.  修辞学修辞的比喩;(特に)隠喩(metaphor);直喩(simile)
  9.  コンピュータイメージ,画像.
  10.  ((古))幻,幻影.

なんとまあ、たくさんの意味がありますな。一つずつ考えていきましょう。

1.はどうでしょうか。「この写真は(心に浮かんだ)映像、表彰、心理学的心像です」、なるほど、何やら難しいことを言っているなあ。この人は。これは心に浮かんだ映像です。この写真は心に浮かんだ心像なのです。なるほど。うんうん。誰の心に浮かんだ写真なのだろうか。これはこの冷凍メンチカツを開発した人たちの心に浮かぶ心像なのであろうか。冷凍食品製造会社XXフーズの商品開発部に所属する栄養士の田村さん(45)が子供のころに作ってくれたあのメンチカツ。お母さんがお弁当に詰めてくれた心に残るメンチカツ。そういう写真なのだろうか。うん、良いよね。でも意味不明だ。

2.はどうでしょうか。「この写真は(網膜上に結ばれる)像です」うん。なるほど。この写真はここに確かに存在はしているものの、しかしそれを個々人が認識するにはいくつかのノイズが含まれる。環境光の影響によってはおいしく見えないかもしれません。しかし、それでもこの写真は、それを含んだ網膜上の像として認識してください。そう、ありのままを受け入れてください。私の、ありのままの姿を、見てください。そういう意味なのだろうか。雪の女王が出てきそうだ。

3.はどうでしょうか。「この写真は生き写しです」なるほど。誰の生き写しなのだろうか。豚の?豚の生き写し?現代ではとかく食品流通は工業化され、生き物を殺して我々は自らの生を得ているという事実が希薄になりがちである。その現代人に対する警告なのだろうか。食品会社としての社会的責任(CSR; Corporate Social Responsibility)であるという事なのだろうか。ううむ。

4.はどうでしょうか。「この写真は画像です」、バカにしているのだろうか。それくらい私だって分かる。パッケージの写真は実物でなくて画像である。おいしそうに見えてもそれは単なる印刷された画像なので実際には食べれない。そんなことさすがにわかる。舐められているのだろうか。いや、でも、もしかしたら「この写真は偶像です」という意味かもしれない。するとちょっと解釈が難しい。メンチカツが偶像であるという事はなにを意味しているのであろうか。つまり、このメンチカツを敬い、崇めよということであろうか?

5.はどうでしょうか。「この写真は形です」「この写真は外形です」うん。そうでしょうね。パッケージに丸くて小さいメンチカツが印刷されていて、開けてみたらでっかいナマハゲのお面の形したメンチカツが出てきたらビビるわ。

6.はどうでしょうか。「この写真は典型例です」うーん、なるほど。まあそうでしょうね。パッケージ写真に製造工程上の特異なミス、たとえば工場スタッフが誤って自分の指を大型機械等で切り落としてしまい、で、それをラインに流してしまい、偶然出来上がった人差し指メンチカツが出来上がったとして、その特異な例を写真にはしないでしょう。典型的な例を写真にするでしょう。ごもっともでございます。

7.はどうでしょうか。「この写真は(特に美しい)表現です」なるほど。これが一番しっくりしますね。この写真は特に美しい一例ですよ。中身はこれ以下ですよ。中身がこの写真に劣っても文句言うなよ。と、こういう事でありますな。

8.はどうでしょうか。「この写真は隠喩(metaphor)です」はいはい。メタファーと来ましたか。もう面倒くさくなってきたぞ。

9.はどうでしょうか。「この写真はコンピュータイメージです」はいはい。

10.はどうでしょうか。「この写真は幻です」、売る気があるのでしょうか。

と、まあ、imageとはこんなにも多くの意味があって、どうにでも解釈できそうですな。したがって皆様方におかれましては、こうやって食品加工業者というのは、何かと本当のことを明示するという事を嫌がる人たちでございまして、出所の分からない肉、半分腐ったような野菜、などを我々は知らず知らずのうちに口にしているんですけれども、そもそも本当のことを知るのは困難でございますので、良くわからない部分は見て見ぬふりをし、各々、上記のように10種類のイメージをいい感じにブレンド、個々人の中でその人らしい心のメンチカツを創造して頂きまして、日々の弁当に詰めていただくというようにすると心の持ちようも幾分か楽になりますでしょうか。

ならんよ。