一条工務店の家が建つまでの流れ

そういえば、私が展示場に行きはじめたころは家づくりの概要すらほとんどわかっていませんでした。ネットを調べても書いていることがまちまちで、いまいち納得できる回答がありませんでした。

大手メーカーに頼むのか、地元工務店に頼むのか、土地探しからするのか、住宅ローンは組むのか・・・などによって流れは大きく変わります。なので、家づくりの流れはこう!という断定的な解説ができないのでしょう。

ここでは、土地を持っていない人が住宅ローンを借りて一条工務店の家を建てる場合の標準的な流れを纏めてみたいと思います。参考になれば幸いです。

大まかな流れ

一条で家を建てると、大体以下のような流れで設計と工事が進んでいきます。

  1. 仮契約(10月29日)
  2. 土地探し
  3. 土地手付金支払(土地確定)(11月中頃)
  4. 建築工事請負契約(本契約)(11月25日)
  5. 住宅ローン申し込み(12月初め)
  6. 設計業務受託契約・重要事項説明(12月初め)
  7. 工事管理業務受託契約書・重要事項説明(12月初め)
  8. 設計打合わせ(12月初め〜10回くらい?)
  9. 追加変更請負契約(2月末)
  10. 着手承諾(2月末)
  11. 基礎着工(5月28日)
  12. 上棟(7月初め)
  13. 完成(9月末)
  14. 引き渡し(10月末)
  15. 預り金精算(11月末)

ここで、カッコ内の日付は私がそれを実施した日付になります。それぞれについて、簡単に説明します。

1.仮契約

「土地が見つかって融資が受けれたら一条さんで家を建てますよ」という旨の誓いを交わす契約です。具体的な契約内容としては、支払いのスケジュール、地盤敷地調査の実施、建築図面と見積書の提出、仮契約の解除などについての条項が並んでいます。

2.土地探し

土地を探します。自分で探す、不動産屋で探す、一条提携業者さんにお願いして探す、などして土地を見つけます。私は担当営業さんと付き合いの深い不動産屋さんにお願いしました。そのほうが値引きできるということでした。実際、満足のいく値引きをしてくれました。

3.土地手付金支払(土地確定)

土地が決まったら「融資が受けれたら買いますよ」という意味を込めた手付金を支払います。手付金は、買主の都合で契約解除したときは戻ってきません。ただ、住宅ローンの借り入れができなかった、など、どうしようもない事情があった場合は戻ってきます。(気に入らないからやめる、程度の理由でも「どうしようもない事情」に該当させて返金する場合があると聞きました)

また、売主から契約解除する場合は手付金を倍にして買主に返さなくてはなりません。これで、「もっと高い値段で買う人が見つかったからやっぱお前には売らんわ」と売主が言い出すのを防ぐ効果があります。

このあたりは宅地建物取引業法で定められているし、土地購入時も重要事項説明として丁寧に説明されます。分からなくても説明をよく聞けば大丈夫です。

4.建築請負契約(本契約)

これがいよいよ、「一条さんで家を建てますよ」という本当の契約です。この契約を交わしてから本格的な設計が進みます。ちなみに、ほかメーカーだと契約前に設計図をガリガリ書いてくれるところが多いようです。

建築請負契約時にはざっくりとした図面と見積もりを提示されてそれに印を押します。この図面は、施主の要望をひと通り聞いて書いてもらった図面で、間取りや適用オプションなどが記されています。ただし、まだまだ叩き台といった感じで、照明をどうするとか、コンセントの位置はどうだとか、そのあたりまでは詰められていません。ここで重要なのは、ここに記された予算で資金契約をたて、住宅ローンの審査をするという点です。間取りやオプションなどはこの後どうとでも変えられますが、融資額についてはこの図面で決まるのでその点だけ注意が必要だと思います。

条項を読みますと、工事場所、工事請負代金の見積もり、工事請負代金の完済まで一条工務店に建物の所有権があること(どこで建ててもそうです)、解約と契約の有効期限などについて述べられています。

5.住宅ローン申し込み

住宅ローンの申し込みには建築請負契約をしていることが前提となります。本契約に記されている価格にて審査を行います。「本格的な設計がこれから始まるのにこの価格で確定させられても・・・。最終決定額で審査してよねー」って感じですが、銀行とハウスメーカーの間には「担保が先か融資が先か」というジレンマでせめぎ合っている事情もあってこれが許容できる限度なのだと思います。

6.設計業務受託契約・重要事項説明

担当する設計士さんが確定して設計業務が始まります。設計報酬は一律10万円だとか、どういう図面を作成するだとか、そういったことが書かれています。

7.工事管理業務受託契約書・重要事項説明

現場監督によるチェックとは別に設計士さんが設計通りの家が建てられているかの監査を行う旨が書かれています。

8.設計打合わせ

ここからが本格的な打合わせです。ここでどのような家にするか決めます。何回打ち合わせを行っても、何度図面を書いてもらっても、設計報酬は固定額で決まっています。納得できる設計になるまでとことん突き詰めましょう。

7.追加変更請負契約

設計が固まったら「追加変更請負契約」という契約を執り行います。つまり、当初出した建築請負契約からの「追加と変更」という扱いになります。追加と変更とは言いますが、間取りも家の形も含めて全く違う設計でも大丈夫です。推測ですが、法務局に提出する建築許可申請書の手続きに倣った手続きをしているのでこのようなステップを踏んでいるのでしょう。

8.着手承諾

この設計で建築に着手して良いですよ、という書面を交わします。

この後、工事が始まるので一条工務店とのやりとりは現場見学くらいしかないのですが、外部の業者に依頼して照明やカーテン、ブラインドなどを設置する場合はその業者との打ち合わせがあったりします。外構関係もこの時期に集中して計画することになるでしょうか。私はカーテン、ブラインドは依頼しました。照明は一条製LEDが半分、もう半分は自分で取付。外構関係は面倒なので放っておきました。すると、外構工事が間に合わずいつまでも家の前が泥まみれになるのでお勧めできません。

9.~11. 基礎着工、上棟、完成

着工から上棟(屋根が完成)、完成までの流れです。人によっては基礎着工の前に地鎮祭をしたり、上棟した時に上棟式をしたりします。うちの実家周辺では上棟時に餅を撒いたりしますね。他にも小銭を撒いたりとかするところもあるでしょう。こういうのは昔の風習なので今はやらないことが多いみたいです。やっても地鎮祭くらいでしょうか。

12.引き渡し

おめでとうございます。この後、ローンの抵当権の設定だとか、住民票の移転手続きだとか、そういうもろもろの超面倒な手続きをこなさなければなりません。

13.預り金精算

80万円の預り金から余った額が返還されます。まれにオーバーして追加料金を請求されることもあるようです。私の場合は、登記関係をすべて自分でやったということもあり、確か50万円と少し戻ってきたように思います。

キャッシュフロー

設計を進めていく間で色々な支払いが発生します。私が思い出せる限りで書いてみると、

  • 仮契約時:仮契約金100万円の支払い。後に建物本体代金へ充当。
  • 土地購入時:手付金の支払い。後に土地購入費用へ充当。
  • 融資(土地代金)実行時:司法書士報酬と印紙代。場合によっては補償金。
  • 着手承諾時:契約金100万円と預り金80万円の支払い。預り金は後に諸費用へ充当、引き渡し後1か月くらいで清算して余りを返却。契約金100万円は仮契約の100万円が充当。後に建物本体代金へ充当。
  • 着工後、上棟75日前まで:請負金額の1/3。
  • 上棟時まで:請負金額の1/3。
  • 引き渡し時:請負金額の1/3。
  • 建物本体の抵当権設定時:司法書士報酬と印紙代。

という感じです。

住宅ローンを組み、土地を買うというケースでは、とりあえず仮契約金、土地購入手付金、司法書士報酬と印紙代(諸費用)さえあれば家は建ちます。手付金は土地代金の5%~10%で司法書士報酬と印紙代はだいたい50万くらいです。最低限手元に用意しておくべきお金は大ざっぱに200~300万くらいでしょうか。もちろんこれは文字通り最低限なので、この貯蓄だと苦労したり妥協したりということがあると思います。多いに越したことはありません。あまりに自己資金が少ないと銀行も融資してくれません。

私の場合は頭金がギリギリだったので、家造りをしていた1年間くらいは、月々の貯金もボーナスもすべて家関係にぶちこみ、毎月毎月贅沢は日本の敵だと唱えていました。そうならないためにも計画的に貯金しておくべきですね。

着手承諾以降(預り金含む)の支払いは、銀行が分割融資を了承してくれれば銀行が融資したお金で都度支払います。分割融資を許してくれなければ、「つなぎ融資」と呼ばれる無担保のローンを提携銀行で組むことになります。金利は1%くらいだったと記憶しています。基本的に、提携ローンでない限りはあまり分割融資はしてくれないと思います(銀行にしてみればメリットが無い上にリスクだけ背負うことになる)。

所感

今回、改めて自分の家造りを振り返ってみて思ったことを書いてみたいと思います。

 土地を決めるのが早い

最初に書いた流れを見ると仮契約後に土地探しとなっているので土地を決めるのに2ヶ月くらいしかかかっていないと思います。営業さんに聞いたところ、「すっぱっと決める人と、悩みに悩んで数年かかる人と2極に別れる傾向がある」という話を聞きました。

土地を決めるという問題は、情報工学数学的には秘書問題とかお見合い問題などと呼ばれる問題に近いと思います。つまり、選択肢が少しずつしか与えられず、その時に選択しなければあとで選択することは不可能というようなシーンで最も良い選択をする問題ですね。私も買うときはちょっとはこれを意識しました。

このような場合は、最初の数個は選択せずに見過ごして、以降、それよりも良い物が見つかればそれを選択する、そうでないならば徐々に妥協していく・・・というような戦略を取ると期待値が高くなるという説明がよくなされています。

おそらく、悩み続ける人というのは「あの時見たあの土地にしとけばよかった〜。あれ以外の選択肢は無いわー」という発想に陥ってしまうのではないでしょうか。つまり、妥協できていないのです。別にそれが悪いといっている訳ではなく、妥協しないとなかなか決められずに長い時間がかかっちゃうよね、という当たり前の話です。

今はネットが発達しているので、足を使って歩きまわって「掘り出し物物件を見つける」ということはほぼありえない、と複数の不動産屋で言われました。いろいろ回るとわかりますが、不動産屋で掲示されている物件のほとんどすべてネットで検索するとどこかにはヒットします。「いい物件があったら真っ先に連絡くれ」とお願いしておくのも良いかもしれませんが、一般媒介契約という取引形態では売主は複数の不動産屋に仲介を依頼するので、その場合は意味があまりありません。また、私が探していたときに出会った土地のほぼすべてが一般媒介契約でした。

つまり、その時与えられた選択肢の中から数ヶ月以内に決めてしまうのが無難なように思えます。

設計も早い

平均がわからないのでなんとも言えないのですが、設計もかなり早いのではないかと思います。2〜3ヶ月でしょうか。私の場合はAdobeのイラストレーターで貰った図面をこねくり回し、ああでもないこうでもないと試行錯誤し、そののちに「これでおねがいします」とメールでデータを送る、という方法を繰り返していたので打ち合わせ時にそれほど悩むことはありませんでした。グラフ理論を駆使して最適な間取りを導き出す簡単な手製ツールを作ったりもしました。まあ、最終的にはあまり役に立ちませんでしたが。

そこまでしなくとも、Excelがひとつあれば図面は素人でも書けると思います。一条工務店は人事評価を契約金額で判定していない(伝聞。未確認)ために高価なオプションを積極的に薦めてきません。それは無駄な費用をかけないといういい面もありますが、提案力が無いとも言えます。

これもまた多くの一条ブロガーが述べていますが、一条の設計フェーズでは施主が能動的に動く必要があると思います。

 

貯金はしとくべき

私は以前、「頭金は貯めるべきか」という記事を書きました。その要旨は、今賃貸に住んでいて、いずれ家を買うと決めているのであれば賃貸で払ってる金を早期に住宅ローンに回したほうがいいんじゃない、というものでした。

この考えは今でも私は正しいと思っています(反対する人は多いと思います)。が、本当に最低限の頭金だとやりくりがしんどいです。私は本当に本当の最低限で家を建てました。営業さんの数々の助言やはからいで何とか家が立ちましたが、独力ではちょっと無理だったと思います。

完成から引き渡しまでの謎の1ヶ月

最初に挙げたスケジュールにあるとおり、私の家は完成後1ヶ月間、引き渡しもせずほったらかしになっていました。近隣の人は「いつ住むんだろう・・・」と不思議に思っていたに違いありません。

これは、私がインドに長期出張していたためです。その時の滞在記がインドカテゴリから見れますので宜しければどうぞ。