【インプレッション】SKYACTIV プレマシー

現行のSKYACTIVプレマシーに乗ってきたので感想を書きます。ちなみに写真等はありません。(カメラを持っていたのに撮るのを忘れた) 私はプレマシーとかミニバンの記事を最近たくさん書きましたが、実は、プレマシーに乗ったことが無ければミニバンを所有したことも無いんですね。なのに、いろいろああだこうだ書いてたのです。ひどいですね。知ったかぶりですね。でも大丈夫です。今回はちゃんと乗ってきましたので。

経緯

「2014年版 ミニバン比較 ベストはこれだ!!」という記事などでプレマシーをべた褒め、やっぱ走りにこだわるマツダは違うよね、などと言った後に「でもやっぱり次に多分出てくるディーゼルのプレマシーが欲しいから今乗っているプリウスに長く乗るもーん」などという結論で締められたのがこれまでの大ざっぱな流れでした。 しかしながら、諸般の事情により、急に今年中にミニバンを買わなくてはならない事態となりました。ここで私が考えた選択肢は以下の通りです。

  • 現行のSKYACTIVプレマシーを新車で買う
  • 現行のSKYACTIVプレマシーを中古で買う
  • より古いモデルを中古で買う

ということで、とりあえず現行車を見に行こうという事に相成りました。今回見たのは20Cという一般的なグレードです。

荷物

予想していたことですが、荷物は入らないです。現所有車がプリウスなのでプリウスとの比較になりますが、3列目シートを使った場合(寝かさない場合)の荷室内床面積は、プリウス比30%程度だと思います。3列目を両方倒せば110%くらい、3列目を片方倒して80%くらいという印象でしょうか。いずれも目測なので正確な値ではないです。

3列目をどちらも使っている状態では、おそらくベビーカー一つ乗せたらいっぱいいっぱいで、それ以上の荷物はベビーカーの上に載せるような形になると思います。3列目シートの片方を倒せばもう少し入りますが、先に言った通りそれでもプリウスの80%程度の床面積だと思われるので、劇的に状況が改善されるというわけではありません。3列目シートは基本的には常に倒しておくような使い方がメインになるのではないでしょうか。

家族5人くらいのケースを想定してみると、それでも日常で使う分にはそれほど困らないと思います。しかし帰省や旅行などで、どうしても3列目を使わなければならず、かつ荷物もそれなりに載せなくてはならないという状況では棚などを設置して3次元的に荷物を置くなどの工夫が必要になってくると思います。元々がハイルーフなミニバンではないので、さすがに背の高い観葉植物を載せるなどと言った使い方は出来ないでしょうが、普通の荷物を棚を使って載せる、という程度ならば十分に可能です。

正直、見た目のわりにあまり入らないな、という印象なのですが、これは安全性を優先してフレームを太くしているのと、リアにマルチリンク式サスペンションを使用しているので張り出しがあるのが積載性に大きく影響しているのだと思います。走行性能と積載性は基本的にトレードオフですから、まあどちらかの選択ということになるでしょう。

それに、ほかの5ナンバー系ミニバンでも、背は高いですが全長や全幅が大きいわけではないので荷室面積も大幅に拡大されるというわけではありません。荷物を積めるかどうかという視点では、劇的な変化は無いように思えます。プレマシーで積載量が全然足りない、ということならば、おそらくもっと大きなサイズのミニバン、少なくともエスティマサイズ以上でないと要求を満たさないと思います。

内装

シート

シートのホールド感は結構良いと思います。少なくともプリウスに比べたらずっと良いです。ドライビングポジションもいい感じです。プリウスに比べればずっと視点が高いはずですが、普段セダンやコンパクトに乗っていて、背の高い車に乗るとちょっと怖い・・・という感じがありません。

視認性

視界はとても良好です。死角があまりありません。正式名称が分かりませんが、Aピラーの根本のあの三角窓ゾーンの視認性が素晴らしく良いと思います。プリウスはここの部分の死角が非常に大きく、交差点で左折する場合などは歩行者が全然見えないケースが多々あり気を使います。そういったことは一切ありませんでした。

ドライビングポジション

ハンドル位置の調整はうまい具合に効いていい感じです。チルト(上下方向の首振り)&テレスコピック(前後に引き出す/押し込む)の調整が可能で、調整幅も広いです。プリウスのテレスコピックは調整幅が小さく、私の体型だと手を伸ばしきった感じの位置にしか調整できませんでした。かといってシートを前方に持っていくと、膝が必要以上に曲がるのでブレーキ&アクセル間の足の移動がぱぱっとできない。なので、シートを後方に持っていき、背もたれを前方に倒して若干前かがみの姿勢にする(実際には前かがみと言うほどの確度ではない)という位置で運転することが多いのですが、これは長距離がつらいです。しかしプレマシーはずっと調整幅が広いので、ベストな位置に設定できました。

操作パネル

エアコンの操作ダイアルも大きくて適度なクリック感があり、使いやすいと思いました。プリウスはボタン式なのですが、あれは瞬時に大きな量を操作するときにボタンの連打になるのでちょっと面倒です。プリウスに限らず最近はタッチパネル等いろいろありますが、バーやダイヤルでない操作方法は直観的でないので使いづらいように思います。 あと、窓の開閉操作なのですが、プリウスは運転席にある操作ノブで全窓の全開・全閉操作ができました。普通は運転席の窓のみ、思い切り引くor押し込むことで全開・全閉の操作ができると思うのですが、プリウスはその操作が全窓にたいして行えました。この点は非常に良かったと思うのですが、プレマシーはそれができません。まあ普通の車は出来ないのでしょうがないと言えばしょうがないのでしょうか。

質感

内装がチープなのはよく言われるところですが、実際に乗ってみるとそれほど悪くは感じませんでした。ドアを閉めた感じもそれなりに剛性感を感じます。サイドブレーキはちょっと固めな感じがありますが、まあチープさは感じません。ただし、シフトノブ周辺だけはもうちょっと改善してほしいと思います。平たいプラスチックの板にシフトノブが通る穴が開いてあるだけという感じで、たとえば長い間使ってホコリがたまってきたらいかにもみすぼらしい感じになると思います。オモチャみたいです。 ハンドルも操作した感じは軽すぎず安っぽさは無いのですが、手触りや見た目がチープです。若干テカっています。出来れば上位グレードの本革巻きにしたいところです。 その他、色々動かせるところは動かしてみましたが、安っぽいと思えるところはありませんでした。正直、プリウスの方が安っぽい部分が多いと思います。特に後部座席シート。

メーターパネル

メーターの視認性は良いです。ただ、慣れの問題かもしれませんが、やっぱりスピードメーターはダッシュボード中央部にあった方が視線移動が少なく見やすいと思いました。 メーター中央部にあるドライブスコアや燃費などを表示する液晶画面は画素ピッチが小さく、とても見やすいです。スマホの画面は言いすぎですが、それに近い精細さがあります。まあ、綺麗に見えたからと言ってどうということは無いのですが。

走行性

運転席回り

ちょっと前に書いたことと重複しますが、まず運転席に乗って感じたのは見晴らしが良いこと。死角が少ないです。また、ミニバンはプレマシーに限らずどれもそうなのですが、サイドミラーがとても大きく見やすいです。 またドライビングポジションも、特にハンドルの調整幅が大きいのでちょうどいい位置に設定しやすく感じます。シフトノブを操作した感じは、安っぽくは無いですが、高級車に比べればさすがに見劣りします。 ハンドルを握った感じは若干細い気がします。もう少し太くて径が小さくても良い気がしますが、まあ、好みの範囲でしょう。 不満なのが、フロントガラスへのダッシュボードの映り込みがかなり気になるところです。乗った時間帯はたしか3時くらいで若干日が傾いてきたかな?というあたりでしたが、太陽の方向によっては前方が視認しにくかった。ただし、しばらく走行すると気にならなくはなりました。場合によっては何か反射率の低いシート的なものを張るなどの改造をした方がいいかもしれません。

アクセル

アクセルをゆっくり踏むと、意図したとおりの加速をします。急激に加速したり、もっさりしたりする感じはありません。ハンドルはプリウスに比べると若干クイックすぎる気がしますが、慣れる範囲ではあります。スポーティーさを演出するためにはこのくらいクイックな方がむしろ良い気もします。

足回り

足回りは凄く良いです。VWのGolf Touranと似ているというのが最初の印象です。今回試乗した道路は市街地なので、高速でコーナーを曲がったりなどということが出来なかったのですが、それでも足回りの良さは十分に感じました。不自然にロールすることもないし、ただ単に硬いという訳も無いです。片方のタイヤが路面の凹凸に乗り上げても、振動がすぐに収まります。 うちの嫁さんが後ろに乗っていたのですが、乗り心地はとても良いとの事でした。当日は体調が悪く、プリウスの後部座席では気持ち悪くなったそうですが、プレマシーの後部座席は全然大丈夫だったと言っていました。プリウスの純正のサスが柔らかすぎる(トヨタ車全般が、サスをかなり柔らかめの設定にしている)というのもあると思いますが。トヨタ車のサスは「ふわふわした感じ」という表現がとても適しています。別の表現をすると、トヨタ車のサスは「柔らかいスプリングのベッドに勢いをつけて座った感じ」ですが、プレマシーのサスは「低反発マットレスに座った感じ」という感じでしょうか。うまく言えませんが。 プレマシーのサスは乗り心地が良いと言われる車をベンチマークして、「乗り心地」というあいまいな量を数値化するところから開発を進めたそうです。一般的に言う「良いサス」というのは人それぞれ勝手な定義があり、若干押しつけがましいところがありますが、乗り心地に定評がある車をベースにして良い乗り心地の定義から考える、という姿勢は好感が持てますし、実際、良いやり方だと思います。

加速性

加速性は試す場所が無かったのでわかりませんが、運転した限りでは必要十分といった印象でした。特に速いとか遅いとかいう印象はありません。マツダ車のアクセルペダルは、踏込量だけでなく踏込速度までを評価し、ドライバーが意図したとおりのパワーを発生させるというのは聞いたことがありますが、正直その良さを感じることはありませんでした。むしろ、若干邪魔なように感じました。たしかにじわじわ踏み込むのと急速に踏み込むのとでは加速する具合が違ってくるというのは運転していて感じましたが、それが邪魔して逆に意図したパワーを発生させていないところがあります。 具体的には、加速してほしくないところで加速するというパターンが多かったように感じます。ただ、これはプリウスに乗っていることの慣れかもしれません。プリウスのアクセルは本当に特殊で、ある点(エンジンが作動する点)から急にパワーが出るのでそれを意識したアクセルワークをします。なので、その点に至るまではアクセルをギュッと踏んでも大して加速しないのです。この癖があって加速してほしくないところで加速してしまうというパターンになってしまったのかもしれません。

変速

6速ATのSKYACTIV-DRIVEミッション(以下6AT)は中々良いと思いました。SKYACTIV-DRIVEミッションはトルコンATに全域ロックアップを組み合わせることで、CVTとデュアルクラッチシステム(以下DCS)の良いとこ取りをするということをターゲットにして開発されたそうです。 CVTは原理的にエンジンを回さなければならない(エンジンを全開近くにしないと高効率にならないので、エンジン回転数を抑える設計では意味が無い)ため、うるさいというデメリットがありますが、6ATにはそういうデメリットはありません。伝達効率もCVTほどは悪くないです。ロックアップが入ればMTと同等のはずです。DCSはクリープを発生させにくい、クリープが弱いというか不自然というデメリット(?)がありますが、6ATにはそういうこともありません。 DCSが好まれるもっとも大きな理由はダイレクト感(切り替わりの速さ)だと思いますが、6ATもDCSほどではないにしろ、それなりにダイレクト感はあります。減速時にエンジンブレーキを効かせるため、MTでのヒールトゥみたいな操作をすることも可能です。ただし、DCSに比べると面白味はやっぱり無いです。普通に運転する分には十分な性能だと思いますが・・・。 人間が感じるダイレクト感というのは、切り替わりの速さのほかに、適度な変速ショックというのもあると思います。変速ショックを抑えたほうがスムーズなので、そういう方向に舵を切った設計といわれれば、まあなんとなく納得できるような気はします。 また、地味ですが、6ATはDCSに比べて構造が単純で故障率が低く、コストもかからないというメリットがあります。DCSは良いと思いますが、総括すれば6ATもそんなに悪くないというか、むしろ安ので積極的に選びたいと思うような気がします。

小回り

ものっすごい小回りが利きます。営業さんが「家まで乗って行って駐車場に入れてみても良いですよ」と言ったのでやってみましたが、プリウスと同じ感覚でハンドルを切ると切りすぎてしまいます。プリウスの最小回転半径は5.2mでプレマシーが5.3mなので、プレマシーの方が小回りが利かないはずなのですが。「プリウスよりも小回りが利く」は感覚的な誤差があるとしても、少なくともスペック上はプリウスとほぼ同等と言えます。

車幅はプリウスよりも1cm増。最近の3ナンバーハッチバック/セダンと同等と思えばよいでしょう。

クセが無い

営業さんが言っていたのですが、「マツダ車はクセが無いとよく言われる」そうです。確かに、普段プリウスというクセだらけの車に乗りなれている私が乗っても、あまり違和感がありません。クセが無いというのは確かにそう思いました。マツダはドライバーが意図したとおりの挙動を実現する「人馬一体」感を追い求めているそうですが、そういう設計思想がクセが無いという点に表れてきているのかな、と思いました。

安全性

サイドカーテンエアバッグは上位グレードのみの設定でした。また、営業さんが「日本で初めて、日本の衝突安全性試験と欧州の衝突安全性試験の両方で最高評価を得た」と言っていました。おおっ、そうなのか、と思って家に帰ってからJNCAPで調べますと、競合他車種も最高評価を得ているのがほとんどで、あまり違いが無いと思います。また、「欧州の試験で」というのは、そもそもほかのミニバンは海外展開が無いですから、比べようがありません。ただ、基準の異なる二つの評価機関で最高評価である、というのはより信頼できる結果ではあるでしょう。

交渉と結論

マツダ車は値引きがすごいと良く聞きます。実際、すごいです。が、最近は度が過ぎる廉価販売はやめて、定価にちかい価格で売っているという話をネットで見ました。

その点についてぶっちゃけどうなのか、ということを尋ねると、「値下げしやすい車種とできない車種がある。新型車種は車体コストが高いので利幅も小さく、値引きもそれほどできないが、プレマシーはかなり頑張れる方です」ということでした。 中古も考えているんだけど、と伝えると、「正直、程度の良い中古だったら新車買うのとあんまり大差ないくらいの値引きができると思います。新車を買うか、年式が古かったり、走行距離が伸びてたりする中古を買うかのどちらかが良いと思います」との事でした。

で、新車の見積りを取ってもらうと、「これが限界まで値引きした状態です」と、最大値引きの見積もりを持ってきてくれました。ネットで見る値引きの倍近いんじゃないか・・・と思える驚愕の値引きでした。さらに、プリウスの査定もトヨタディーラーが1月に提示した買い取り額よりも20万円ほど高く、もうハンコ押そうかな・・・と悩んだのですが、贅沢は国民の敵である、米英に打ち勝つまではサツマイモを食べて頑張る、という精神を思い出して踏みとどまりました。結局、その日の晩メシは手巻き寿司とステーキでしたが。

それは置いといて、「最大値引きをポンと出してきて頂いたところ恐縮ですが、中古買います」と言うとあっさり引き下がってくれました。マツダの営業さんはしつこく無い人が多い気がします。私の体験の中で一番しつこかったのがまず間違いなくスバル、次にトヨタです。

マツダの営業さんは皆、「プリウスまだ新しいのにどうして買い替えるの・・・?」みたいに不思議がってるくらいでした。 その後中古車情報をいくつか印刷して持ってきてくれましたが、かなり安いです。1万kmしか走っていないのに100万円を切るようなものもあり、これだったらまあ中古でいいな。という結論になりました。 というわけで、中古を買うので良い車があったら連絡ください、次プレマシーにディーゼルが乗ったら新車で買います、と述べて帰ってきました。というわけで、最終的な結論は

  • より古いモデルを中古で買う

でした。

次期マツダ情報

で、肝心の次期プレマシーはいつなんすか、と聞いたのですが、やっぱり分からないとの事でした。営業さんのレベルで知っているのは、「今季夏くらいにデミオ、その後CX-5、来年にロードスター」ということらしいです。これらはネット上で報じられている内容どおりなので、ディーラーの営業と言えども、新車に関しては情報が無いということですね。

というか、ディーラーの営業マンが知っているくらいならば、ネット上にリークしているはずなので。 海外展開を考えるとミニバン車種は後回しにされがちなので、早くとも来年の後半、そしてプレマシー、ビアンテ、MPVのどれが先にモデルチェンジするかも分からないということでした。まあそうでしょう。

まとめ - もっと売れても良い

総括すると、やっぱりプレマシーはもっと売れても良い車だと思います。ミニバンで走行性能を求める人が少ないからでしょうか、あまり売り上げは良くないようですが私にとってはとてもいい車のように思えます。

2件のコメント

  1. ゆるゆる より:

    こんにちは。
    詳細なプレマシー情報ありがとうございました。
    来年3月までに新車のスライドドアーミニバンを購入予定ですが、やはり運転も楽しめて乗り心地も確保できるラフェスタHS(orプレマシー)が無難ですね。まだ6ATスカイアクティブを試乗したことはありませんが、どの雑誌でも評価が高く期待できますね。実際、自分の気持ちはかなり固まりつつあります。
    あとは、実物を見て触って運転してどう感じるかですね。シフトノブ周辺のことは私も気になっているところです。何かうまくカムフラージュできるものはありませんか?

    1. withpop より:

      こんにちは。
      以前コメントをいただいた時には、私はまだ買うつもりは無かったですが、状況が変わっておそらくゆるゆるさんよりも先に買うことになりそうです。

      シフトノブ周辺ですが、「プレマシー シフトノブ 塗装」などのキーワードで検索すると、いくつか改造例がヒットします。
      また、純正オプションでカーボン調の内装を選択できるようでした。

      ただ、カーボン調も好みがありますし、塗装したところでいきなり高級感が出るわけではないので、いずれも「マシになる」という程度かもしれませんね・・・。

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