一条工務店の家の床暖房における最適な設定温度

タイトルのようなキーワードで私のブログが検索されることが多々あるため、私が一条工務店の人に聞いたり、経験したりしたことを参考までに書いてみたい。そんなに詳しいわけではないですが。

ベストな設定は家によって異なる

規格がかなり決まっているi-smart/i-cubeであっても、窓がどれだけ付いているか、部屋のサイズはどうか、などによって最適な設定温度は異なります。
したがって、各々の家で温度計を見ながら調整する、というのが正しいやり方になります。

基本は室温22℃

基本的には、22℃くらいで全部屋の気温が保たれているのが一つの基準となる、と聞きました。室温が22℃より下ならば、設定温度を上げる。22℃よりも上ならば、設定温度を下げる。これで調整していくのが基本です。

ただし、注意が必要なのは、全館床暖房は暖まるまでにかなり時間がかかることです。営業さんの話だと、「完全にあたたまるまでには3日くらいかかる」とのことでした。実際、正月に実家に帰った時、1週間ほど床暖房をOFFにしていましたが、帰ってきて床暖房を入れて22℃に安定するまで3~4日かかったと記憶しています。

ですので、一度設定温度を変更したら、少なくとも1日くらいは変更せず様子を見るのがよいでしょう。よって、最適な温度設定を見つけるためにはかなりの長い期間がかかります…。

と、言っても、時々思い出した時に温度計を見て設定をいじる、という程度なので大した労力でもありませんが。

間欠運転か連続運転か

一条工務店の床暖房リモコン(長府製?)は、かなり細かい設定が可能です。時間帯によって温度切替、ON/OFF切り替え、エアコン連携運転など、多種の設定ができます。

ON/OFFも切り替えることができるので、電気代が高くなるのを気にして間欠運転にしている人もいるでしょう。しかし、間欠運転は設定温度を決めるのがかなり難しくなります。

測定したわけではないですが高気密高断熱住宅であれば24H連続運転でも間欠運転でも大して電気代は変わらないはずなので、個人的には24H連続運転をおすすめします。

特定の時間だけ日当たりが良すぎて室温が上がりすぎてしまう、などの理由があれば別ですが。

私の家の設定

参考までに私の家の暖房設定を書いてみたいと思います。家の大きさは30坪くらい、都内(多摩エリアなので若干寒い)に建っています。床暖房のエリアは、1階、2階主寝室、2階その他の部屋というふうに分かれています。

この状態で室温22℃を保つためには、

1階:セーブ温度28℃、設定温度29℃、朝夕(それぞれ2時間)以外はセーブ運転
2階主寝室:設定温度27℃
2階その他:設定温度28℃

という感じです。1階はあまり仕切りが無いためか、玄関に接続しているためか、それとも単純に広いからなのか、設定温度を高めにしないと22℃は維持できませんでした。これで温度計は22℃に若干満たないくらいで、ちょっと寒い感じがします。
2階主寝室は、主寝室として作っていますが、諸事情により主寝室で誰も寝ていません。なので、あんまり使う機会が無く、設定温度は低めにしてあります。

2階その他のエリアで家族全員が寝ているので、ここは若干高めの設定です。子供は暑いらしく、夜寝てる間に布団をはねのけます。私も若干暑いくらいです。嫁さんは丁度良いようですが。多数決で27℃に下げてもいいかもしれません。

ちなみに、この設定で12月の電気代は11000円でした。

一時期、「深夜電力時間帯に設定温度を上げて蓄熱しておけば日中の設定温度を下げれるのではないか」と思って実験したことが有りましたが、そのような効果はありませんでした。

これはよくよく考えて見れば当たり前で、そもそも蓄熱する物体が無いのです。マンションであればコンクリの壁が熱のバッファみたいな感じで機能するかもしれませんが、「高断熱」仕様であるということはすなわち、熱を遮断する、吸収しない。ということなので蓄熱するわけがないですね。

また、深夜電力時間帯はたしかに電気代が安いですが、床暖房はヒートポンプで動いています。ヒートポンプは外気温が冷たい夜間には、日中よりも効率が落ちますから、この点を考慮すると電気代の差分を本当にペイできているかどうかはちょっと疑問です。何か資料があれば計算できますが、見つけられませんでした。

そもそもなぜ水温を基準としているのか

ここからは私の考察です。

床暖房の設定温度は、床暖房パネルを流れる不凍液の水温の設定温度です。気温の設定温度ではありません。

ユーザーからしてみたら、設定パネルで設定する温度とは、目標とする室温であるべきだと思います。すなわち「22℃」を設定して、どんな家でもその目標温度に近くなるよう自動制御する、というのが本来あるべき姿であると思います。

ではなぜそうしないのかというと、おそらく、コストの問題であると思います。

室温と一概に言っても、一つの部屋の中で気温は均一とは限りません。天井、床面、その中間地点、いずれも室温は異なるでしょう。すると、平均的な気温を知るためにはひとつの部屋に複数のセンサーが必要になります。

複数のセンサーを入れれば、それだけ手間がかかります。施工マニュアルに手順が増え、作業工程が一気に増えるので、工数が増えます。つまり単純に人件費が上がります。ミスも発生しやすくなるでしょう。そしたら、ミスの予防とミス発生後の修正のためのコストも上がります。

ハードウェアのコストはそれほど掛からないかもしれませんね。今は、数千円でWebサーバやデータベースまで動いてしまうARMの載ってるボードが買えますから。

ソフトの開発コストは高くつくでしょう。不凍液の温度をPID制御するのと違って、室温はコロコロ変わるので、より高度な制御が必要になります。膨大なデータを収集して、どんな部屋にでも対応できるような制御モデルを構築するのもかなり難しい作業です。

そういうことを出来るメーカーというのは、国内ではあんまり居ないような気がします。どこか優秀なベンチャー企業に頼めば案外簡単に作るでしょうが、日本の会社というのは保守的なところが多いので(一条工務店がどうかわかりませんが)、たぶん大手の空調メーカーなどに頼むことでしょう。すると、彼らは建築の専門家でもなければ、そういう仕様がよくわからないロバスト性の高いシステムを作った経験も無いでしょうから、コストが掛かります。

そんなことをするよりだったら、ユーザーに設定温度調整作業をやらせたほうがマシ、という判断なのではないでしょうか。それはそれでいいと思います。システムはシンプルな方が好ましいし、ちょっと詳しい人であればむしろ自動運転を嫌うでしょう。

でも、やってもいいと思います。素敵じゃないですか。だってi-smartですよ。スマートに制御したいじゃないですか。

どうです?一条工務店さん。私に任せてみませんか?私だったらRaspberry Piでニューラルネット動かして、設備コスト1万以内で室温一定運転が出来るシステムを200万くらいで作りますよ。収集した統計データを本社サーバーに送信するような仕組みも作ってあげますよ。どうです?欲しいでしょ?室温データ。外気温もログとってあげましょうか?今だったら、スマートフォンから外出先でも床暖をON/OFFできるようなアプリも作ってあげますよ。

おまけ:何日家を留守にするなら床暖房をOFFにするのが得か

室温を維持するのはあまり電気代がかかりませんが、冷たい部屋を暖かくするのはかなり電気代がかかります。でも、だからといって、例えば1ヶ月まるまる留守にしている最中、ずっと床暖房を付けておくというのはさすがに無駄です。

でも、たとえば1週間だったら?4日だったら?切ったほうが得なのか。分岐点はどこなのでしょう。

一条の太陽光発電システムをつけると、日ごとの消費電力量を確認できるパネルが付きます。これを見て確認したところ、私の家の場合、一週間くらい床暖を切った後、元の気温に戻るまでの電気代を大雑把に確認すると、だいたい、3~4日間の室温維持に要する電気代とほぼ同じでした。

なので、私の家の場合、だいたい5日以上留守にする場合は床暖房を切ったほうが得だというふうに言えるかもしれません。

でも、床暖を再度投入してからあたたまるまでの時間がかなり苦痛だったので、今度からはOFFにせず、留守の間設定温度を下げる方向で調整すると思います。電気代はかかりますが、寒いよりはマシです。

このあたり、前述したように外出先からスマホで操作できるといいんですけどね。年数回あるかどうかのイベントのためにコストを掛けるかどうかという問題は有りますが。