一条工務店で家を建てるにあたって(2)

一条工務店のi-smartを注文して、家が建つまでに思ったこと、また、こういう事を知っておいたほうが良かった、と思ったことをつらつらと書きます。全般的なことをを書きます。ものすごい長いエントリになりますが、よろしくお願いします。
一条工務店に固有な項目は、「一条固有」という但し書きをしてあります。

前回のエントリはこちらです。

(2)で終わらせるつもりだったのですが、書いてるうちにどんどん長くなってきたのでまた別けて、途中までの投稿です。

頭金について

もし一戸建てを建てるとして、土地から探す場合、大雑把に言って土地の購入、家の建築、外構の工事に金がかかる。土地も家も外構も値段はピンきりで大体XXXX万円くらいが相場だよねー、なんてのはないが、常識的に考えれば数千万のオーダーになるだろう。

これほどの大金を現金で用意できればなんの苦労もないが、多くの場合はそうではないので、ローンを組むことになる。たとえば土地と家と外構工事で4000万かかると見積もっていて、じゃあ4000万銀行が貸してくれるかというと、貸してくれないことがほとんどだろう。

あなたが銀行員で、ローンを組みたい人がやってきて、全部ひっくるめて4000万かかると見積もっていて、4000万貸してちょんまげ、と言われたらどう思うか?私だったら、ちょっとくらい頭金入れろよ、と思う。なぜか。4000万の家建てるから4000万貸せよ、じゃなくて、ちょっとくらい金貯めろよ、金貯めて頭金にしろよ、と思うからである。ちょっとくらいの金を貯めることが出来ないちょんまげに4000万は貸せない。

で、大体の銀行もそういう考えでいる。頭金はどれくらい用意すればいいのか?ということをネットで検索してみると、5%~20%という答えが帰ってくる。4000万の2割というと800万であるので、800万あれば「まあ800万くらい堅実に貯められる人ならば、融資してもいいかな」という考えになってくる。

しかしながら今の時代、800万も現金で用意できる人がなんぼいるかというと、まあ、なんぼも居ないらしく、銀行としては頭金用意しとけーよー。と思いつつも、あまりより好みしていたら客がいなくなるので、その20%という数値からだんだん小さくなってくるというのが現実のようだ。

以下はローンに関するアンケートだが、これを信ずるならば、かなりの人が頭金無し、もしくは、200万以下でローンを組んでいる事が分かる。

家を買った1700人の価格・ローン・頭金レポート | SUUMO

ちょっと抜粋すると、年収400万以下世帯で頭金無しだった人が26%、年収400~600万世帯でも17.3%が頭金無しである。ということは、銀行は頭金用意しとけーよー、と思いつつも、客を取られたら嫌なので、それなりに返せそうな客には融資してしまうというのが実情であるようだ。

リクルートじゃ信用ならねーよ、もうちょいマシなソースはねーのかよ、という人には以下の住宅金融支援機構の、金融機関向けアンケートが参考になるだろう。

民間住宅ローンの貸出動向調査 | 住宅金融支援機構

これを見ると、昨今の金融機関が住宅ローンの審査で最も重要視するのは「返済負担率」である。これは、毎月の返済額/月収で算出される割合であり、詳細は後述する。次に重要視するのは「職種、雇用先、勤務形態」である。3番目は「借入者の社会属性」。属性という言葉はとても曖昧でわかりにくく、何を指しているのかイマイチ判然としない。

では頭金は何位に出てくるかというと、6位である。

これらの事実が指し示しているのは、最近は銀行も頭金がどれくらい用意されているかはあまり重視していないということである。

ただし、私が思うのは、銀行が頭金を重視しないので頭金が要らないか、というと、そういうわけではない。たとえ頭金がゼロでローンを組めたとしても、家が完成するまでに、ある程度まとまった現金が必要になるからだ。

具体的には、以下の様なものが挙げられる。

・土地を買うときの手付金(土地を新規購入する場合)・・・土地価格の5~20%程度。数十~数百万。
・ハウスメーカー・工務店に支払う契約金・手付金・頭金。・・・場合によりけり。一条工務店は100万。
・各種手続き(登記、司法書士報酬など)・・・数十万。
・家具、家電・・・数十万。
・外構工事・・・100~200万。

これらはローンの融資前に必要、もしくはローンに組み込むのが難しいものである。私の場合も頭金がほとんど用意できず、手付金・頭金を支払ったら自己資金が尽きてしまうような状態であった。が、家が完成するまでに貯金した金で、家具家電外構工事を何とかすることができた。

この経験を元に思い返すと、やはり頭金は最低限200万~300万くらいは必要だろう。このくらいの金額を揃えて、ようやく最低限のものが揃うと思う。(家具・家電は今まで使っていたものを流用、外構工事はとりあえず駐車場をコンクリで固めて安い機能門柱をつける、くらい)欲を言えば300~400万あると、かなり資金繰りが楽になるだろうと思う。

昨今は頭金ゼロを銘打っている銀行・建売ビルダーor不動産屋が多いのも事実である。つまり、上記のような費用を銀行がすべて頭金ゼロで融資してくれるということである。ネット上で情報収集すると、これは危険であるという意見が多勢を占めている。主な理由は、利子支払い分が大きくなることにより、将来の金利変動リスク、給与の減額リスクなどが挙げられている。私もまったく同意見で、頭金ゼロというのはさすがに怖い気がする。

加えて、頭金ゼロでローンが組めるのは、おそらく、銀行と不動産会社もしくはビルダーが提携している場合だけであると思う。好きな住宅メーカーで好きな土地を選び、好きな様に注文住宅をたて、かつ、頭金ゼロであるという例は少なくとも私は聞いたことがない。

そういうわけで、かなり長い説明となってしまったが、簡潔にまとめると、だいたい頭金としては数百万のオーダーで揃えておいたほうが無難、最低でも200万くらいは必要、という感じだと思う。

返済負担率について

先に、銀行がもっとも重視するのは返済負担率であると書いた。返済負担率とは、毎月の返済額/月収で計算される率である。より厳密には、

返済負担率=(住宅ローンの返済額+その他のローンの返済額)/月収

となる。ここで、その他のローンとは、車のローン、カードローンなどの借り入れが当たる。より厳密に言うと、個人信用情報機関に登録されているローンがそれに当たる。なので、たとえば奨学金はこれには当たらない。銀行がほかから借り入れがあるかどうか調べる方法としては、個人信用情報機関からの情報のみなので、ある人が奨学金を借りてるかどうか、銀行は知るすべがない。これを正直に申告するか、それとも隠すかは人それぞれの戦略によるだろう。

カードローンを借りている人が住宅ローンを組むようなことは無いだろうが、車のローンを借りている人が住宅ローンを組むような場合は多々あるだろう。そして、車のローンは金利が高いために銀行が嫌がり、車のローンの完済を条件に審査を通す、ということが多いようだ。私の場合もそうであったが、HMの営業さんがうまく交渉してくれて、完済条件をはずしてくれた。

その他のローンについては上記のとおりだ。では住宅ローンの返済額とはどのように決定されるのだろうか。私が銀行員、HMの営業から聞いたところによると、銀行にはそれぞれ固有の「審査金利」というのを定義している。この審査金利に基づいて計算した月の返済額によって、返済負担率を計算する。審査金利というのは公表されないが、一般的には4%前後が多いと言われている。店頭金利が金利優遇後1%を切るような値であったとしても、審査時は厳し目の金利で見積もるというのはまあ当然だろう。

一方で、返済負担率の目安というのはネットで検索してもよく出てくる。例えば三菱東京UFJ銀行だと以下のようになっている。

住宅ローンの融資可能額
年収
250万円未満 25%以内
400万円未満 30%以内
400万円以上 35%以内

以上の情報を使って、試しにローン審査が通るかとおらないかを計算してみよう。

住宅ローンの月の返済額を求めるには、ネットから利用できる各種ローンシミュレーターを使うのが簡単だ。「住宅ローン シミュレーション」で検索すると、以下の様なサイトが山ほど出てくる。

返済額の試算 | 住宅保証機構株式会社

これを使い、審査金利として4%をとりあえず設定してみる。つまり、金利は固定で4%、ボーナス支払い0円とする。これ以外のパラメーターは自由に変えて良い。たとえば、ここに年収480万の人が居たとする。ボーナスで給料の4ヶ月分が出ているとして計算すると、月収30万くらいの人がこれにあたる。この人が返済期間は35年、4000万を借りたとすると、月の返済額は17.7万円となる。この人の月収は30万と書いたが、審査時はボーナス分を加味するので、480/12=40万で計算する。すると、17.7/40=0.475、返済負担率は47.5%となり、ちょっと融資が通らなそうだな、ということが推測できる。

月収40万の35%を計算すると、月14万円ということになる。よって、返済期間を35年、借入額を3200万にしてみると、14.1万が月の支払額になる。よって、返済率ほぼ35%ということになり、年収480万の人は、だいたい3200万まで借りれそうだな、ということが分かる。

いやいや、俺はもっと借りたい。という人は、フラット35ローンを利用するとよい。フラット35はその名の通り、金利変動が無いため、返済負担率計算時の金利は実金利を使用する。この記事を書いた時点での金利を調べると、だいたい1.8~2.7%であるようだ。したがって、たとえば2.2%の値を採用したとすると、上記にあげた年収480万の人はだいたい4100万円まで借り入れができそうだ、ということが分かる。

個人信用情報について

銀行やクレジットカード会社というのは、個人信用情報機関を通じて、消費者の債務状況に関する情報を共有している。予め書いておくと、これは誰にでも確認可能な情報だが、これからローンを借りる人は、やってはいけない。

個人信用情報機関というのは、具体的に言えば以下の様な期間がそれに当たる。

Credit Information Center(CIC)
日本情報信用機構(JICC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)

銀行やクレジットカード会社が、金消契約にもとづいてローンを消費者と契約すると、その情報は債務高とともに信用機関に登録される。そして、完済したか、支払いは滞っていないか、などの情報が逐次更新される。

住宅ローンを組む上でも、まず間違いなくこの情報は銀行によって参照される。そして、返済が滞った事があるかどうかなどの情報をもとに、ローン審査を通すかどうかを決定する。もちろん、クレジットカードの支払いが滞ったことが何度もあるようであれば、ローン審査は通らない。クレジットカードを作れないような人を指して「ブラックリストに載っていう」というふうに言ったりするが、それは個人信用情報機関に支払いが滞った履歴が多数あるような状態を指している。

そして重要なのは、この情報を「参照した」という履歴も同時に保存され、だれでも閲覧できるのである。

もし、本人が参照した履歴があって、銀行員がそれを見たとすると警戒するだろう。こいつはなにかやましいことがあるんじゃないか、と。

また、住宅ローンの申込を、多数の銀行に同時に出すのも同様の理由で危険である。多数の銀行が信用情報を参照した履歴があると、「ははーん、こいつには何かローン審査が通らなそうな理由があるから、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、を実践しているのかもしれないね」と判断されるかもしれない。

住宅ローンアドバイザーの資格を持っている人や、HM営業、銀行員などから聞いたところによると、「住宅ローンの仮審査申し込みは2行くらいにとどめておいたほうが良い」という感じだった。

ちなみに、私はローン債務がゼロ、支払いが滞った履歴も無し、ちゃんとした正社員である、という状態の時に、クレジットカードを続けて2度申請したことがあるが、そのうち、あとに申請したほうが通らなかった経験がある。信用情報の参照履歴もしっかり見ているということだろう。

また、いろいろなブログを巡回していると、たまに「個人信用情報はだれでも見れるので、心配なら自分の信用情報を確認してみましょう」などということを平然と書いている人が居たのでびっくりした。そういうことをやってはいけないという事を伝えたく、ここに記した。

土地の基礎知識について

家を建てるにあたって、土地をまず選定しなければならない。土地を持っていて、ここに建てる!と決めている人、もしくは、建て替えの人は別だろうが。

土地を選ぶにあたって重要なのは以下のポイントだろう。

市街化区域か市街化調整区域か
用途地域はなにか
地区計画はあるか
準防火地域かどうか
盛土の土地か、切土の土地か
擁壁はあるか
地面の傾斜はあるか
建築条件はあるか(建築条件付き土地か)
費用
ガス管、水道管、下水管の有無

これに加え、もちろん、駅や近隣の商業施設からの距離、電車の路線、近くの学校、学区、職場からの通勤時間などを考慮する必要がある。ただしこれは個々人が判断すべきものなのでここでは触れない。

それぞれ、詳しく説明していくが、普通の不動産屋ならばこちらから特に聞かなくても、ここで挙げたようなことは重要事項説明として説明してくれる。逆に言えば、この程度の基礎的なことすら説明してくれない業者とは取引しないほうが良いかもしれない。

市街化区域か市街化調整区域か

市街化区域とは、都市計画により「この辺りはもうガンガン開発しますよー、建物建てますよー」というふうに決められた区域のことである。対して、市街化調整区域とは、「このあたりは自然を残しておきたいから、あんまり建物建てないようにしようね」と決められた区域のことである。ざっくり言うと。

基本的に、市街化調整区域では新築住宅は建てられない。

具体的には、開発審査会というところが家を建てて良いと認めるかどうかによる。が、建物を建ててほしくないから調整区域になっているのであるから、条件はかなり厳しい。

さらに、そのような背景があるために、市街化調整区域の資産価値というのはとても低く査定されがちだ。資産価値が低いということは、もちろん、土地を安く買えるということでもある。しかし、買ってもこんどは銀行が融資をしない、もしくは、融資額をかなり制限するという可能性がある。住宅ローンの担保としての価値がそもそも低いからだ。

したがって、上記のようなデメリットを承知で市街化調整区域を選ぶ、というのならば良いが、そうでなければ、普通は市街化区域を選んだほうが良い。

不動産の売買に関する法律で、市街化調整区域かどうかというのは表示が義務付けられているため、注意深く見ればまず見逃すことはないだろう。

用途地域はなにか

それぞれの土地には都市計画に基づいて、12種類に分類された用途地域というのが設定されている。その概要は以下の様な資料を読むとよく分かるだろう。

用途地域による建築物の用途制限の概要
用途地域

一般に、戸建てにとってもっとも優れた用途地域は第一種低層住居専用地域であるとされる。これは、背の高い建物を立てることができないから良好な日当たりが望めるのと、商業・工業的な建物を建てることができないので閑静な環境が得られるということが挙げられる。資産価値も高めになる傾向があるようだ。

ただし、都市部の場合は第一種低層住居専用地域自体がそもそもほとんど無かったり、あっても狭い土地のみ、なんて場合が多々ある。その場合は、準工業地域で探すと広めの土地が見つかったりする。ただし、その場合は近くにうるさい音を発したり、日当たりを遮るような店や工場などの建物が建つ可能性がある(もしくはすでに存在する)、というのを受け入れ無くてはならない。

また、第一種低層住居専用地域は日当たりを確保するために建物の高さや屋根の角度の規制がけっこう厳しい。メリットだけを享受出来るのであればいいが、自分が建てたい家がそのような法律によって制限される可能性もある、というのも考えたほうが良いだろう(土地を選ぶ段階からそのような規制まで計画するのは難しいが)。

地区計画はあるか

地区計画は、統一感のある町並みを作るために市などが独自に設定している規制である。具体的には、道路から最低Xm離して家を建てろとか、柵はフェンスまたは生け垣とすること、などといったことが規定されている。これは、たいてい、市のホームページから参照できる。

それほど妙な規制は無いと思われるが、自分が建てたいと思っている家が制限に引っかからないか、一度くらいは目を通しておいてもよいだろう。

準防火地域かどうか

その土地が準防火地域という地域に指定されていると、耐火構造の家でないと建設してはいけないという決まりがある。具体的には、炎症を防ぐために網目状の鉄線が入った窓にする、シャッターを設ける、などの処置が必要である。

これは家の建築コストを単純に増加させる。私が言われたのは、「大雑把に20万くらい増える」ということだったので、だいたい数十万のオーダーであると思われる。

擁壁はあるか

擁壁というのは、少し高くなっている土地の周囲を、土が崩れてこないようコンクリの壁で固めたような土地だ。山を切り崩して整形した擁壁を「ひな壇」と呼んだりする。こういう土地は、見晴らしや日当たりが良いというメリットがあるが、建物の配置が擁壁の位置や形によって制限される。また、施工状態によっては地震や大雨によって擁壁が破壊される可能性もある。特に古い擁壁の場合は注意が必要だ。

個人的には、擁壁によって囲まれた土地や、ひな壇の土地などは上記のような理由で避けるべきだと思う。

以下の記事がこのあたりの事情に詳しかったので、紹介する。

第36回「ひな壇生活」の落とし穴

建築条件はあるか(建築条件付き土地か)

いわゆる建築条件付土地というのは、施工する住宅メーカーが指定されていて、消費者が自分の家を立てる住宅メーカーを自由に選べないような土地である。住宅メーカーは自社で施工することを土地売買の条件として付与してもらう代わりに、土地の売主(不動産会社)に対して一定のリベートを支払う。

売主はリベートもらってハッピー、住宅メーカーは受注が増えるからハッピー、win-winの関係である。しかし勝者がいれば必ず敗者も存在するのであって、この場合の敗者は、リベート分を住宅価格に転嫁させられた上、住宅メーカーを自由に選ぶという権限を失う消費者である。

本来、土地と建物というのは何ら関係ないものであって、それを一緒くたに抱き合わせ販売するのは、独禁法違反のように私は思うのだが、なぜこれが規制されないのかよくわからない。おそらく、巧妙に法律の抜け穴をつついているのだろう。

建築条件があるかないか、という視点で見れば明らかに無いほうが消費者に得であるはずなのだが、現実的にはそうもいかないのが厄介なところである。

営業力・資金力のあるハウスメーカーは、近くに駅や大型商業施設があるような優良な土地があれば、早期に押さえ、すべて建築条件付き土地として売りだしてしまう。したがって、建築条件が無いような土地で良い土地というのがそもそも少なかったりする。良い土地を選ぶためには建築条件を呑むしか無いケースもありうる。たまに、追加料金を払うことで建築条件を外すことの出来る土地というのも存在するが、だいたい100~200万オーダーのお金がかかる。

「営業力・資金力のあるハウスメーカー」というのは、具体的には、積水ハウス、パナホーム、大和ハウス、ヘーベルハウスなどがこういうことをしている。あくまでも筆者の視点で、である。突出してすごいのが積水ハウスで、積和不動産を通じた分譲地の数はすさまじい。

はっきり言わせてもらうと、自社の売上の都合や、リベートの確保のために消費者の自由を奪うのはやめてもらいたい。また、消費者も消費者で、このような事実をはっきりと認識してほしい。ネットのブログを見て回ると、土地を購入してから建築条件付き土地とわかって困り果てる、などというケースも見受けられるが、もうすこし自分の家のことなのだから調べていただきたい。あえて強い語調で書かせてもらうと、馬鹿な消費者がいるから漬け込まれるのである。そのツケを消費者全員が払わなければならないのである。

と、まあ、否定的なことばかり書いたが、こういう分譲地は住宅メーカーが統一されることによって、町並みも統一感がとれて見た目がとても美しくなる、というメリットも最後に記載しておこう。このような統一感のとれた美観というのは、逆に建築条件付き土地の大量分譲でなければ実現できないものである。

費用

一般的に言って、家の値段と土地の値段に何か関係があるわけではないし、目安とすべき指標なども存在しない。さらに、土地の値段は、公平的だ。安い土地は安いなりの理由があり、高い土地には高いなりの理由がある。不動産会社は不動産価値を見極めるプロであるし、不動産を売買する人も高い買い物なので、高いか安いか真剣に考える。さらに、最近はネットで数多の物件がだれでも簡単に閲覧できる。こういうことが背景にある。

したがって、いわゆる掘り出し物の物件というのは基本的に存在しない。安いなりの理由が何かを付け止め、その弱み(たとえば、駅から遠い、土地の形が変、など)を受け入れることを、結果的に掘り出し物件を買ったと言えるかもしれないが。

また、土地を購入する際は土地の価格以外にもいくらかお金がかかる。仲介手数料、登記費用(司法書士報酬)、印紙代などである。

仲介手数料は法律で取っていい上限が決まっている。取引価格によって計算式が異なるが、大雑把に言うと、取引金額×3%+6万円くらいである。1500万の土地だったら50万前後だろうか。登記費用はだいたい40~50万くらいかかる。印紙は数万円のオーダーだったと記憶している。

土地自体の価格を含め、これらの中で、消費者である我々がコントロールできる要素というのはあまりないが、あることにはある。

たとえば、大きなハウスメーカーは建築用土地をさばくための不動産会社をグループ内に持っていたりするので、そのような提携不動産会社から購入することで仲介手数料を優遇するという場合がある。

あまり参考にならないが、私のエピソードも紹介する。私は、土地の値段自体をかなり値引きしてもらった上、仲介手数料も優遇してもらった。これは、ハウスメーカー営業さんによって、大手でない不動産会社を紹介してもらった事による。

初めてその土地をチラシで見た時は、大手不動産会社の名前が記されていたのだが、紹介されたのは地元に小さめの不動産会社だった。その不動産会社の人が言うには、「我々は売主との値段交渉力や仲介手数料を優遇することによって大手に対抗できるんですよ」ということだった。

つまり、売主である不動産会社が所有する土地を、別の複数の不動産会社が仲介して売っているということである。私は不動産取引には素人なのでこういうことを全然知らなかった。つまり、不動産会社はそれぞれ、銀行から融資をうけて良い土地を購入し、それを小分けにして転売して儲ける。ということしかしない、と思っていた。そっか、不動産会社は仲介業もするのだな。そりゃそうか。だから仲介手数料がかかるのか。当たり前のことだけど気づかなかった。

買う側からしたら、安く済むのだから手放しで喜べる良いことである。もし、ほしい土地が決まっていて、かつ、複数の不動産会社がその物件を売り出しているような状況があれば、両者に条件を優遇してもらえないか遠回しに交渉してみてもいいかもしれない(難しい気がするが)。

ガス管、水道管、下水管の有無

住宅用として、複数に区分けして売りだされているような土地では、すでにガス管、水道管、下水管が埋設されていることが多い。これらが埋設されていない土地であると、工事にまたお金がかかる。

その(3)に続く。