一条工務店で家を建てるにあたって(1)

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一条工務店のi-smartを注文して、家が建つまでに思ったこと、また、こういう事を知っておいたほうが良かった、と思ったことをつらつらと書きます。全般的なことをを書きます。ものすごい長いエントリになりますが、よろしくお願いします。

一条工務店で家を建てるにあたって(1)
一条工務店で家を建てるにあたって(2)

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序論

殆どの事がそうですが、家造りにベストはありません。仮に、家造りにベストな方法があるのであれば、そのベストな方法による建築や、ベストな方法論を取る会社・工務店にほぼすべてのシェアを奪われているはずですが、そういう事実が無いことからも、ベストが無いということが分かるでしょう。

なぜベストな方法が無いかというと、人にはそれぞれ異なった価値観と異なった事情があるからです。その人にとってのベストは見つかるでしょうが、普遍的なベストは定義しようがありません。

自分にとってベストな家を建てるためには、自分にとってのベストが何か知る方法があります。それを知ったら、今度は自分にとってのベストを実現する方法を知る必要があります。でも、たとえそれができたとしても、資金や法律による制限はあるので、ベストな家は建たないでしょう。しかしながら、ベストを目指して突き進むのと、曖昧に歩きまわるのでは天と地ほどの差があります。

家は3回建ててようやく満足する家になる、とよく言われます。これは、そのくらい家造りは奥が深く、建てる側にも相応の知識と経験が要求されるということです。しかし、普通の人は3回も家を建て替えることはできません。

私は、私が家造りに関して経験し、得た知識を、出来る限りたくさんここに文書化しようと思いました。これを読んでいただければ、あなたはすでに1回家を建てたのと同等くらいの知識を得ることが出来るかもしれません。いや、それは言いすぎですか。0.4回くらいにしときましょう。

賃貸か、持ち家か

賃貸にも、持ち家にもメリットとデメリットがあります。

賃貸のメリット

  • 古くなったり、災害で家が壊れたりしても、自分の家じゃないからあんまり関係ない
  • 初期費用が安い
  • 通勤に便利なところが多い(都市部)

賃貸のデメリット

  • 払う家賃が減価償却を大幅に上回っている
  • 定年した後困る
  • 好きなように家を改装できない

持ち家のメリット

  • 高い満足感
  • 自分の好きなように家を改装できる
  • ローンを払い終わった後に家は自分のものになる

持ち家のデメリット

  • 初期費用が高い
  • 災害リスクを背負うことになる
  • 通勤に不便なところが多い(都市部)

こんなところ?簡単に言うと、大きく違うのは「住んでいるのが自分の家か、他人の家か」という違いですね。当たり前だな。
自分の家に住めば自分の物なので好きなことを常識の範囲で好きなようにできますが、他人の家を好き勝手にはできません。地震火事洪水などの災害にあったとき、被害をこうむるのは自分の家なのか、他人の家なのか。

私が持ち家を買おうと思ったのは、単にアパートの家賃の支払いがばかばかしくなったのと、今払ってる家賃よりもローンのほうが安いということでした。

その結果、通勤に不便になり、災害リスクを背負うこととなります。初期費用が高いのは、銀行の審査さえ受かればどうとでもなります。前者は我慢することとしました。後者に関しては、すっぱり考えないことにしました。私はアクチュアリーではないので、起きるか起きないかわからない地震のリスクを細かく評価して、値段に換算するという作業が好きではありません。

マンションか、一戸建てか

私は一戸建てにしたかったです。

なぜならば、私が生まれ育った秋田では一戸建てが普通だったからです。三つ子の魂百まで、とはよく言いますが、私は秋田に大学院を卒業する24歳まで居ましたから、24歳の魂は単純計算で2400年存続するということですね。2400年の歴史を「東京じゃマンションが普通」という一言で意識改革することはできませんでした。

一戸建てだと庭がある。庭が無い家なんて考えられません。一戸建てだと家の前で車のタイヤ交換をしたり、洗車したりできる。洗車もタイヤ交換もできない家なんて考えられません。一戸建てだと多少うるさくしても文句言われない。上下左右の部屋に気を使って生活したくない。

私は庭を自分で整備し、休みの日はDIYしたりバイクや車をいじったりしたい。

でも妻は最初、移動に便利なマンションが良いと言っていました。そのときは「マンションのほうが子供が犯罪に遭う確率が高い。それに、日常的に車で移動して買い物に行く地域に住んだほうが電車で移動するよりむしろ便利」と説得したと思います。

今どう思ってるか聞いたところ、「そんな事言ったっけ?」などと覚えてないご様子。

中古か、建売か、地元工務店か、ハウスメーカーか、建築家か

始めは中古が良いと思っていた。中古で2000万の家を買ってローンを組めば、今の家賃よりも4万は安くなる。ということは、毎月4万自由に使える金が増えるということであり、こんなに素晴らしい事無いよねー。中古住宅いいよねー。なんて思っていた。

でも、いざ中古住宅を探してみると、良い物件が全然無い。

また、ちょうどこの頃、建売住宅を買った先輩が居て、その先輩が「買うんなら分譲地とか、まとめて売られてる建売とかの方がいいよ。中古住宅買って、地域のコミュニティに新参者がぽつんと入るのって色々気を遣うらしいよ」と言われ、あはーん、俺はそういうの気にならないけど、嫁さんは気にするかも知れんなあ。と思っていた。

さらに、中古だと欠陥住宅かどうか判別しにくいというデメリットも有る。壁の内部がどのようになっているか。グラスウールの厚さ。透湿シートが貼られているか。基礎がどうなっているか。基礎の鉄筋は適切に配置されていたか。などなど。破壊的な検査をしなければ判断できないようなものがいっぱいある。ましてや素人じゃどう見てもわからないだろう。

で、このころ不動産屋に行って色々物件情報を見ていたのだが、ちらほらと新築の建売住宅が含まれているのを見つけた。建売も思ったより安かったのでちょっと考えたが、結局、作る過程をチェックしないと分からないような事がある、という点では中古と同じなので却下した。

結局、ハウスメーカーにした。最初からハウスメーカーとか地元の小さい工務店などにしたかったが、前者は金がかかると諦めていて、後者は優劣を判断できないと諦めていた。が、ハウスメーカーは思ったほどには金がかからなかったのでハウスメーカーで決めた。

何度も言うように、当初の目的は高気密高断熱住宅であり、そういう点でいうと、ハウスメーカーが提供するよりも更に高性能なレベルの家を作れるビルダーというのは存在する。ただし、私の住んでいる近くにはなかった。

一般的に「高気密高断熱」と呼ばれる住宅よりも更に性能の高い住宅については、「パッシブハウス」というキーワードで検索するといいだろう。パッシブハウスのような「尖った」製品は、まだまだ技術難易度が高く、日本でも作れるビルダーというのはそう多くないらしい。少なくとも大手ハウスメーカーでやっているところは皆無である。

ただし、パッシブハウスはかなり高コストになるに違いないと思っている。これは検証していないので本当にそうかわからないが、多分正しいはずだ。技術難易度がそもそも高いということは、コストにダイレクトに効いてくる。作れるビルダーに大手がいない、という点も弱い。大手でたくさん家を作れば作るほど、物品購入・流通・製造・人件費にかかるコストというのは小さくなるはずだからである。

一条工務店は、住宅仕様の標準化を推し進め、自社開発・製造が多いのでコストパフォーマンスという点ではかなり高いのではないかと思う。これが私が一条工務店を選択した一番の理由だ。

建築家については、もともとあまり好きではないということに加え、実際にもとても嫌なことがあったので、完全に選択肢からは除外。別のエントリで「嫌なこと」の詳細を書きました。

本当かどうかわからないが、自分の思うようにならないと「子供のように駄々をこねる」建築家がいるそうだ。以下に、建築家について否定的な意見を書いたページの例を記す。短い時間であったが、私が建築家に対して受けた印象も、下記ページの感想と概ね等しい。

建築家トラブル:金払え!

何に重点を置いてハウスメーカーを決めるか

ハウスメーカーで家を建てようと思ったらまず住宅展示場に行くことでしょう。普通は。

展示場での営業トークはどこの会社も共通していて、「自社のウリを強調し、他社がその点で劣っていることを批判する」という戦略を使ってくる。まあ、当然でしょうな。他社と比べて劣ってるところで勝負してもしょうもない。

でも、そうして自社のウリを強調してくれるのは消費者にとっても有り難いことである。なぜならば、消費者には各々異なったニーズがあるからである。各々のニーズと合致したハウスメーカーを探すのが目的であるから、自社のウリを手っ取り早く強調してくれるのは判断しやすいだろう。

たとえば車を買うことを想像してみたい。あなたは、そこら辺の足に使う小さな軽自動車が欲しかった。安くて、燃費がそこそこ良い車。そこにハマーH2を売る営業マンが現れて「ハマーいいすよ!でかくて格好いいすよ、マジ半端ないすよ」なんて言い始めたら早々にお帰り願いたいと思うでしょう。あなたは軽自動車が欲しい。安くて燃費がそこそこ良い奴。その考えさえ揺るぎなければ、車を選ぶのも、ハウスメーカーを選ぶのも簡単なのである。

でも、簡単なのである、で引き下がらないのが営業マンの偉いところであって、どうにかして自社製品を買わそうと躍起になってくる。車で言えば、「ハマーは満足感、所有感がまず段違いすからね。そこらの車とはやっぱ違いますよ。元は軍用車すから。民生品とは格が違う」とかアッピールしまくってきて、「ほほう、ハマーも良いかもしれんな」って思わそうと必死になってくる。

家も同じで、「ウチの家はこんなに素晴らしい間取りを実現できるんだぜ!」「ウチの家はでっかい太陽光発電が乗るんだぜ!」「うちの家はデザイナーが良いからかっちょいい家が建つぜ!」などとアッピールしまくってくる。そこで、ははあ、俺は木の温もりのある家に住みたかったけれど、こういう重量鉄骨の家も格好いいなあ、なんて安易に考えてしまうのは避けたいと思う。

なぜならば、当初、このように自然発生的にわき上がってきた感情というのは、自分自身の深層心理に深く根付いているものであって、自分も気付かないような、素朴で、かつ、根源的な欲求をうまく反映していると思われるからである。対して、後者の、営業マンから植え付けられた価値観というのは、他社に植え付けられた、という点を十分に考慮すべきであろう。もちろん、他人から植え付けられた価値観が、自分の心理とうまく合致、良い感じに花開いてみんなハッピー、ハッピー、ハッピーハッピー村、みたいなことになるのであれば、それは良いことであるが、私の経験上そういうことは無かった。何にしても。

地盤について

建築物は地面の上に建設される。したがって、地面が極端に柔らかいと建物の建設には不向きである。泥沼や砂浜の上に家を建てようとする人はいないだろう。

地面は基本的に固ければ固いほどよい。良い、というのは、地震に強いということと、不同沈下を起こしにくい、ということである。地震については日本人ならば解説不要だろう。不同沈下とはなにか。

不同沈下とは、家が基礎ごと、地面に少しずつ沈んでいって傾く現象である。家がこんなに傾いています!なんて、床にビー玉を転がすようなテレビ番組を見たことがあるだろう。あれのほとんどの原因が不同沈下だ。どんな家も長い月日が経つと多少沈むらしいが、東側が大きく沈んで西側があんまり沈まない…なんてことになると、不同沈下になって家が傾く。

ちなみに、原発を建てるときは、地面を掘り、硬い岩盤の上に建設する。原子力発電所で最も過酷な事故は冷却剤全喪失(LOCA; Loss of Cooolant)事故というやつだ。この事故にたどり着く可能性の高い事象としては、1次冷却水給水系配管のギロチン破断というやつである。難しそうに聞こえるが、単に、原子炉につながっている配管のうち、一番でかい配管がぶった切れた、ということである。ぶった切れる可能性としては、大型地震による可能性が一番高い。そういうのを防ぐために、地面を掘り、固い岩盤の上に建設する。だから、原子力発電所は大体、低い立地にある。

3.11の事故が起こり、福島第一原子力発電所でメルトダウンが発生した頃、「なぜ原発はあんなに低いところに建てているのか?津波を想定して高いところに建てた方が良いのではないか?」と聞くひとが居たが、そういう理由による。あとは、最終ヒートシンク(海水)に近い方が良い、という理由もある。

それが皮肉にも、津波による被害を受けやすくしてしまったというのはご存じである通りであろう。中部電力浜岡原子力発電所では、これを教訓に、高台にガスタービンを設置し、非常用電源を確保するという工事を進めている。原子炉は、最も過酷な事故である前述の冷却材全喪失事故が起こっても、交流電源さえ確保できていればなんとかなるように設計されている。福島の事故は、「交流電源がすべて喪失する事なんて有るわけ無い」と過小評価されていたと言われてもしょうがないだろう。

ちなみに、電源が全てダウンしてしまうことを全電源喪失(SBO; Station Black Out)と呼ぶ。この事故に陥るためには、2重×2期のディーゼル発電機が全て駄目になり、同発電所内別プラントからの電源供給も駄目になり、他発電所からの電源供給も望めなくなり、さらには電源車による供給もままならなくなり、最終的に蓄電池も空になった場合である。何重にも何重にも防護されていたから、大丈夫だと思っていた。でも、実際、全部駄目になった事故があった。それが福島の事故だった。

これが、専門家が言う「想定外の事象」という意味である。想定外という言葉をマスコミが批判しているが、この言葉自体はそれなりに重いものである。一企業の責任のみに帰結される話ではない。想定外というのは、専門家が大勢集まって、シミュレーションを重ねても予期できなかったという意味である。

話が全然それた。地盤だよ。地盤は重要だという話だよ。

一般的な住宅の場合は、原発ほどコストをかけるわけにも行かないので、それなりの調査と対処を行います。具体的には、地盤を調査し、それなりに不同沈下の対策を練った上で家を建てなさいね、と建築基準法で定められています。改正建築基準法施行令第三十八条及び建設省告示第千三百四十七号(建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件)というやつですな。具体的に引用すると、

第一 建築基準法施行令(以下「令」という。)第三十八条第三項に規定する建築物の基礎の構造は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度(改良された地盤にあっては、改良後の許容応力度とする。以下同じ。)が一平方メートルにつき二十キロニュートン未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造と、一平方メートルにつき二十キロニュートン以上三十キロニュートン未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造又はべた基礎と、一平方メートルにつき三十キロニュートン以上の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造、べた基礎又は布基礎としなければならない。

というです。簡単におおざっぱに言うと、地盤の柔らかさを考慮した家づくりをして、傾かないように建ててね。ってことです。

大規模建築物の場合は、ボーリング調査を行います。

Boring_core
ボーリング - wikipedia

ボーリング調査とは、でっかい機械を使って上記のように地層の一部分をくりぬいて地中の状態を調査するもの。なぜかウチの実家にも何かのボーリング調査の標本があった。でもこれも結構コストがかかるので、一戸建て住宅では、「スウェーデン式サウンディング試験(SWS)」という調査をすることが多い。これは、ドリルを地中に潜らせて、貫通させるのに要したトルク、感触などから地中の状態を予想するものだ。

SWSから長期許容応力度qaを求めるには、

q_{a}[kN/m^2]=30W_{sw}+0.6N_{sw}

とするそうです。Wswは過重[kN]、Nswは半回転数[回]だそうです。それ以上は専門外なので知らん。

が、多分だけどこれはかなりおおざっぱな解釈が出来てしまう指針だと思われる。つまり、数カ所で判定して最も良い値を採用したり、悪い値を採用することができたりとか、そもそも建築許可・建築確認の際に地盤調査の結果が求められないとか、そんな感じだろうと思っている。(詳しい人が居れば教えて欲しい)

SWS試験をやっても、当然であるが、数メートル違えば検査結果は全然違う。逆に言えば、だからこそ、不同沈下を防ぐ方策が重要と言える。私の家を設計してくれた建築士の人に聞いた話だが、我が土地の地盤調査結果と、隣の家の基礎工事の写真を見て、「(あなたの土地の)隣の家は地盤改良無しの布基礎だった。あの地盤で布基礎はありえない。必ず傾く」と言っていた。基礎に付いては後述するが、つまり、この言いっぷりが指し示す事実は、前述の通り、建築業者によって解釈にある程度幅を持たせることが可能なのだろう。

とすると、不誠実なビルダーが作る家なんかは、ちゃんとした基礎は作ってくれないだろう。より正確に言えば、「法律に従っても傾くような家を造ることが出来る」だ。まあ、当たり前の事か。それで、末端の客の顔が見えない建売住宅なんかはその危険性が高いのではないか。そう思ったのも私が建売住宅を選択肢から除外した理由だった。

調査については分かった。じゃあ、我々が土地や住宅を選ぶ際、どのように地盤が安定しているかどうか調べれば良いのか?というと、方法は限られてくる。

一つの基準は、「切土か盛土か」ということである。切土、盛土とはその名の通り、元々あった地面を切り取って整地した土地なのか、土を盛って作った土地なのかということである。盛土の土地は素人でも見てすぐ分かる。擁壁があるからだ。コンクリの壁に囲まれた土地の上に家が建っているようなものがそれにあたる。

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こういう感じの家だ。土を盛って薄いコンクリートで覆っただけの地面なので、これがいかに危険かはすぐに理解できるだろう。実際、台風の大雨被害で土砂崩れが起きた、なんてニュースを注意深く見ると、こういう感じの擁壁で囲まれている土地が多い。これは絶対に避けるべきだ。家関係の仕事に携わる、どんな人に聞いても擁壁で囲まれた盛土の造成地は危険だと言う。

あとは、国土地盤情報検索サイトなんてのもある。同様のサービスはネットを探すと結構出てくる。他には、全国電子地盤図などがある。が、先ほど述べたとおり、数メートル違うだけで地盤の状態は大きく変わるのであんまり当てにならないだろう。各地方のおおざっぱな傾向を見るには良いが、実際に家を建てるときは、ちゃんと地盤調査をして、ちゃんとした基礎を選んでくれるビルダーを選ぶことが必要だろう。結局人任せかよ!って感じだけど、素人じゃここら辺はどうにもならない。

基礎、構造

基礎には布基礎とべた基礎がある。工費は布基礎の方が一般的に安い。どちらが良いかは一概には言えない。

布基礎は、家の過重がかかる部分を逆T字型のコンクリートにしたもの。在来工法(木造軸組工法)で使われることが多い。べた基礎は床下全面が鉄筋コンクリートになっていて、プレハブ住宅やツーバイ住宅で使われる事が多い。

布基礎は基礎自体が軽いので沈下しにくいと言われる。が、単位面積あたりの過重はべた基礎よりも高いような気がする。このあたりが、「強固な地盤なら布基礎でよい」ということなのだろうと思う。べた基礎は施工が簡単で防湿性があるというメリットがある。前述の建築基準法を参照すると、べた基礎は弱い地盤の場合に採用されるべきであるようだ。布基礎を選択する場合は地盤がそれなりに強くないといけない。

工法

前述した基礎と工法は密接な関係にある。工法とはその名の通り、家を建てる部材とその方法であって、木造軸組工法(在来工法)、プレハブ工法(鉄骨ユニット工法)、重量(軽量)鉄骨、枠組壁工法(ツーバイ, 2x4, 2x6)なんかがある。それぞれの特長なんかは、ググればすぐに分かるので、ここでは私のこだわった高気密高断熱という観点から各工法を比べてみたいと思う。

まず、気密性を維持するという点ではツーバイ住宅が良いらしい。何故かはよく分からんけど、面で建物を支えるような構造になっている関係上、隙間のないように耐力パネルを張っていくからじゃないだろうか。断熱性という観点からもツーバイはそれなりに良いらしい。特に2x6は、2インチ×6インチの部材を使う、つまり、6インチ分が壁の厚みになるため、断熱材を厚くできるからだ。ただし当然だが、厚い分部屋の面積は若干減ることになる。

鉄骨系は熱を伝えやすいため、高気密高断熱住宅にはあまり向かない。鉄骨そのものの熱伝導率が高く、外界からの熱を屋内に伝えてしまう役割を果たしてしまうからだ。これをヒートブリッジと呼ぶ。また、後述するように、ヘーベルハウスもちょっとだけ検討したことがあった。私が高気密高断熱住宅にこだわっていることを伝えると、ヘーベルの営業さんはALC(ヘーベル材)の断熱性の高さを教えてくれた。ALCは軽量発泡コンクリートというやつで、たしかに断熱性・耐火性が高い。ただし、それは一般のコンクリートと比べて、という話であって、ALCの断熱性というのはグラスウールと比べても熱伝導率で3倍くらい悪い。ALCは断熱材でなく、あくまでも建材の中では断熱性が良い方、という程度。

在来工法でも高気密高断熱住宅を作ることは可能である、と、複数のソースで見た。ただし、どうも施工業者の質に左右されるようだ。だったら施工が比較的容易で施工者によるばらつきが少ないツーバイの方がマシかな、という気もする。

結局、私はツーバイ住宅を選択したが、ツーバイを気に入っていた訳ではない。私は何かと保守的なので、「なんとなく」在来工法が気に入っていた。が、なんとなく、という程度なので、まあツーバイでも何でもよかった。が、鉄骨系はちょっと避けたいとは思っていた。(ヒートブリッジのため)

検討したハウスメーカー

各ハウスメーカーは、こういうブログなんかをこまめにチェックしているらしく、大したアクセス数もないようなブログでも「エントリを消さないと名誉毀損で訴える」とか脅してくるらしいので、私も気をつけて事実と、そこから感じた私の感想のみを記したいと思います。

パナホーム

パナホームは一時期ちょっと検討していた。私は電気設備が大好きなので、太陽光発電、HEMSなどといったキーワードに興味を引かれたから。でも、ネットで評判を検索してすぐに検討対象から外れた。

ネットで「パナホーム 欠陥」と検索すると、パナホームで家を建てたが欠陥住宅ではないか、と主張するブログなどが幾つかヒットする。特に印象に残っているのが下記ブログ。

まいほーむ記録簿 | 不正工事記録簿

上記ブログを読み、読めば読むほどパナホームで家を建てたいという気持ちはすぐに失せた(私の感想です)。他にもこんなサイトはたくさんあり(私の個人的な見解です)、そのどれもが、素人目で見てもひどい!と思うような工事ミス(建築工学をまるで勉強したことのない私から見た感想です)が散見される。

桧家住宅

私は高気密高断熱住宅に住みたいとこれまでにも何度も述べたが、桧家住宅の家はアクアフォームという発泡ウレタン剤を壁内に封入することによって断熱性を高めている、という点で興味を引かれた。標準で小屋裏部屋がつくのもとてもいいと思う。

最近発表されたSmart-Oneというシリーズは、木造でも屋上が利用できるらしい。外観も安っぽさが感じられず、とてもいい感じだ。

また、規格住宅があるというのも個人的に良かった。私は間取りにはそれほどこだわりが無いので、安ければ規格住宅も歓迎したい。私が建売を選ばずHMを選んだのは、単に十分な性能を欲したということだけであって、注文住宅にしたかったというわけではない。

では、なぜ桧家住宅を選ばなかったか。その理由は展示場を見学した時の経験が大きい。

私は一度だけ、桧家住宅の展示場に行ったことがある。店長が対応してくれたが、正直、満足できる接客ではなかった。冬に行ったのだが、温かい室内に入れてもらえず、寒い玄関に掲げられた同社の売上高の進捗を表したポスターの前で、いかに桧家住宅は売上を伸ばしているか、ということを延々20分も説明された。家族3人、娘はまだ7ヶ月かそこらだったと思う。

私達は株主ではないので、基本的に売上高の推移なんかに興味はない。家に興味が有るのだ。これはあたりまえのことだと思う。

室内に入ると、結構お客さんがいて繁盛していた。そのお客さんの中にかなりの巨漢の方(推定体重120kg)が二人もいて、その人達が歩くたびに家が揺れていたのを覚えている。夫婦で、「揺れるってどうなの?」などと喋っていた。いや、どんな家も120kg+120kが歩きまわったら揺れるのかもしれないが、そのときの感想は「なんか安っぽい作りだな」という感じだった。

一条工務店を見学した後、というのも影響していた。一条工務店はフルに樹脂サッシなのに対し、桧家住宅は標準でアルミ複合サッシ、一条はロスガードがあるが、桧家住宅は標準だと第3種換気であると聞いた。高気密高断熱という点から見ると、一条より優れている部分は感じられなかった。

その後、すぐに土地の紹介と規格住宅の紹介が入った。「ここ安いですよ!」「規格住宅安いですよ!」と、とにかく安さをアピールされ、俺、若いからなめられてんのかな?とか思っちゃったよ。まあそのとおりなんだけど、なんかちょっとイラっとくるな、ってのが正直なところ。

その横でちょっと年を食った夫婦がギャーギャーと値段がどうこう、値引きがどうこうと騒いでいて、それも個人的に嫌だった。あ、こういう客層なんかな?とか思って。「なーにが客層じゃ、お前は金持ちか。アホか。」ともう一人の自分が囁くんだけど、本当にそう思ったんだもん。

そういうことがあって私は桧家住宅を候補から外した。

ここで、素晴らしい営業さんが応対してくれたならば、もしかしたら桧家住宅で建てていたかもしれない、とも思う。安いんだもん。でもそしたら一条へのコンプレックスは残っただろうけど。

ヘーベルハウス

ヘーベルハウスも一度展示場を見た。私はヘーベルで家を建てるつもりは無かった。嫁さんに「どっか見たいとこない?」と聞いたら、「うーん、ヘーベル?」と消極的な感じで指さしたので、まあ入ってみるか、という程度である。

ヘーベルで対応してくれたのは新卒2年目くらいの若い営業だった。某有名大学の野球部でした!とかいう好青年で、はきはきと喋り、トークもある程度上手、俺が2年目の時はこんなに喋れなかったな-、まあ、そういう機会も無かったけど。って思ってた。

ヘーベルの良いところはとにかく重量鉄骨でALCなところです。構造がしっかりしてるんで、2階が張り出したデザインとか、屋上をふんだんに使えるデザインとか、いろんなもん作れますよ~と言っていた。が、今思うと、東京の場合はデザインに法律上の大きな制約があると思う。隣地との斜線規制が厳しいのだ。斜線規制とは、日照量を各々の家であるていど確保するため、あんまり高い建物や、角張っている建物は建てられないということになっている。おおざっぱに言うと。土地の種類にもよるが、重量鉄骨で頑丈だからといってそれが最大限生かせる家は建てれないような気がする。まあこれは私の感じた事であって、良い設計さんならどうにかしてくれるのかも。

ヘーベルの営業さんはすごいアグレッシブだった。始めて行っただけで、3週間後の打ち合わせまで決められた。ヘーベルの内装はとても綺麗で、テンションが上がっていたというのもある。営業さんに予算を伝えたが、「大丈夫です!全然建ちます!」と自信満々なので、私もその気になってしまった。が、この展示場行ったとき特有のテンションの高さというのは、子供が生まれて舞い上がって変な名前を付けてしまい、後で後悔するという現象にも似ていて、十分に注意する必要がある。

私が夢から覚めたのは家に帰ってからだった。俺はヘーベルで綺麗な家を建てたいんじゃなくて、高気密高断熱住宅を建てたかったんだ。重量鉄骨造で断熱性無いじゃん。ちなみに、一条工務店の営業さんに「正直、ヘーベルとかも良いなと思ってるんですけど」と言ったら、「重量鉄骨は夏暑くて冬寒いですよ」と言われた。そういうことがあって、決められた打ち合わせをする前からヘーベル無いなーという気になってしまった。

同時期に知り合いも二世帯住宅を建てようとしていて、同じようにヘーベルを検討していたらしい。二世帯住宅という言葉を作ったのはヘーベルハウスだとか。ただ、その知り合いはヘーベルを止めた。なぜなら、展示場と同じような家を建てるためには莫大な金がかかるからだそうだ。その知り合いの父は超有名企業の役員で、相当金を持ってるはずだが、それでも金がかかるので止めた、というのに、私がヘーベルで家を建てれるわけが無いと思っていた。

事実、その通りだった。

ウチにきた営業さんは、その好青年と、店長とか言ってただろうか。35歳くらいの出来る営業マン、みたいな人と、もう一人、土地探しのサポートをしますという、提携不動産会社のおっちゃん。店長曰く、「コイツはまだ若いので、我々がサポートします」だそうだ。まあそうでしょうな。

で、その営業さんがまず始めに説明したことは、ローンについて。今、税制的にとても恵まれた状態であること、それを考慮するとあなたはXXXX万くらいのローンを借りても大丈夫です、ということ。はっきり言って、XXXX万というのは、私が普通の銀行で借りれる限度額に近い額である。(フラット35ならまだ余裕のある額ではあった)最初に予算を伝えているのに、こういう事を言われたのでは、「いっぱい借りて高い家をウチで建てろ」と言われていることと同義だな、とさえ思った。

ちなみに、私に付いてくれた一条の営業さんは、私が「XXXXX万くらいで」と最初に言った、その通りの額で家を建ててくれた。

とにかく、俺はそんなに大量のローンは組みたくない。今払ってる家賃より月の支払いが少ないことが絶対条件だ。と言うと、「普通は良い家に住むんだから今の家賃以上払うんですけどね」とか言われてさらにムッカーと来たね。俺は。普通は、って何じゃ。アホか。お前の普通が世間の常識か。アホか。アホなんか?アホか。自分の常識が世界の常識なんか?アホか。コイツうちまで来て喧嘩うってんのかな?とさえ思ったね。俺は。

さらに輪をかけてムッカーと来たのは、私が事前に「Q値、C値、K値などの気密性能、断熱性能が分かる資料があったら持ってきてくれませんか」と言っていたことに対しての答え。「Q値、C値、K値とかよく言いますけどねえ、あんなの全然意味無いですよ。大きな窓付けたら断熱性なんて大きく変わっちゃうんですから」とか一蹴。それで私がムッカー。ムカムカムッカー!って感じですよ!ますます馬鹿にしてんのかな?Q値って窓面積も数式の中に入ってるんだけど。大きな窓付けたらQ値も大きくなる(性能が悪くなる)んだけど。Q値が小さい(性能がよい)のに窓がデカイ家なんてのは、基本的に無いんだけど。

そう言うこともあり、俺はたとえヘーベルが気に入ったとして、予算内で家が建ったとしても、この営業と話し合いを進めるのだけはゴメンだな。と思った。

が、提携不動産屋のおっちゃんはかなり親身に相談に乗ってくれて良い感じだった。なんでこういう風な営業できねーのかな?失礼を承知で言うけど、あの営業とか、この営業とか見てたら、俺だってハウスメーカーの営業できそうな感じするよ。ホント。客怒らせるってよっぽどだぞ。一つ付け加えるけど、俺は普段から店員にたいしてむかつくことなんて無いからね。クレーマーではないごく普通の一般市民だよ。

積水ハウス

展示場に行ったが、正直言って、取りたてて印象に残っているものがない。和室がすごい良かったな、と思う。8畳くらいあるしっかりとした和室で、い草のにおいがしていた。障子に木陰が写り、良い感じだった。でも、東京で8畳の和室を作るのはかなり厳しいな、とは思う。

これも失礼を承知で言うが、積水ハウスはそれなりに安い部類のハウスメーカーだと思った。そしたら、「お客様が検討しているメーカーさんの中では、ヘーベルさんと同じくくらいの価格帯ですね」とか言われて、がーんって感じだった。まあその時点で無いな、とは思ったが、営業さんの接客はよかった。

たとえば、お客様のご予算ですと、相模湖あたりだと広くて希望通りの家が建ちますね。なんてかなり正直な事を言っていたので、私は笑ってしまった。そりゃその通りだな。ヘーベルみたいに大丈夫大丈夫!とか言って大丈夫じゃないローン組ますより、you、相模湖住んじゃなよ!って明るく突き放してくれた方が俺は好きだな。

こうしてみてみると、やっぱり営業さんの影響ってのはかなり大きいですね。出会っていた営業さんが違っていたら、印象もずいぶんと異なるものだっただろうなと思います。

三井ホーム

三井ホームは展示場すら行ったことは無いのだけど、知り合いが三井ホームで建てたので、話を聞いたり設計図等を見て思った所感を書きます。三井ホームの事ほとんど知らずに喋ってます。

まず、三井ホームは金持ちに好まれるらしい。

三井ホームの評判、坪単価 | 住宅の評判ナビ

ここに書いてある事は、私が見聞きした限りではすべて事実だと思う。外注の腕の良いインテリアコーディネーター、デザイナーなんかを雇って綺麗なプレゼン資料を作らせる。資料を見ているだけで、夢のような家が建つんだな、という実感がわいてくる。そういう点は素晴らしいと思う。さすが金をかけているだけあるなと思う。

三井ホームは大手ハウスメーカーの中でも相当に高い部類に入るらしい。そのほとんどのコストが、前述の設計フェーズ(←ソフト屋の発想)に費やされているそうだ。はっきり言ってこの価値観は私のそれとは完全に相容れない。

営業のやり方としては、数百万単位の値引きを簡単にしてくれて、その後、打ち合わせを進めるに従ってオプションをいっぱい付けさせて元を取ろうとする、というのは聞いた。真偽のほどは不明だが、その知り合いは、オプションを沢山付けてその値引き幅が結局ほとんど無くなっただか、オーバーしただかという事を言っていた。こういう営業のやり方も大嫌いである。数百万の値引きが可能ということ自体、適切な見積もりを出していないと言うことである。

彼の言っていた言葉がとても心に残っている。「だって、ダサい家に知り合い呼べないでしょ」って。

そういう考え方もあると思う。でも私は全く共感できない考え方だ。価値観が正反対だ。私ならば、私が住んで心地よい家をまず第一に考える。だって自分の家なんだもん。知り合いの家じゃねえもん。なんかさ、嫌じゃん。そういう考え方自体が。面倒じゃん。そういう考え方をしてたらそういう友達が増える気がする。そしたら、影で「アイツの家張りぼてみたいだったな」「あんまり高い家具置いてなかったな」とか言われたりしたらむかつくだろ。俺はそういうことを言いそうな奴を家に入れたくないね。

そもそも、センスの善し悪しってのは、それが美術品でない限り、大体が「結果」であって、「目的」じゃないと思う。たとえば服とかも、自分が好きなファッションってのがあって、それに基づいて好きな服を買い、結果として、お前のその服、いいじゃん。ってなるのであって、僕ってすごいおしゃれでしょ。みたいな、おしゃれ感を演出することそのものを目的に服を選んでいったらなんかちょっとずれたオシャレ番長、みたいな感じになるじゃん。分かる?俺の言いたいこと。

家も同じで、家なんて、どうせ家なんだから、「おーすっげーなお前の家!」で始まって、せいぜい10分程度ぐるぐる家の中見た後、じゃあ磯野!野球しようぜ!ってノリで良いと思うよ。磯野!車のマフラー交換しようぜ!車高調入れようぜ!HID組もうぜ!サイゼリヤに行ってミートドリア食おうぜ!って感じで居たい。いや、まあ、社会人なったらさすがにサイゼリヤに行ってミートドリア食うこともないけどね。ノリとしてそんな感じってことね。他人の服・靴・時計・車・家がどんだけ金かかってるかを気にかけるよりだったら、アミメアリの生態を調べて絵日記描いてる方がよっぽど有意義だね。

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アミメアリ - wikipedia

なんか、もう三井ホーム全然関係無くなって来ましたね。ここらで止めときます。

一条工務店で家を建てるにあたって(2)に続く。