過去日記-PDA男

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いろいろ書きたいことはたくさんあるのだけど、書く時間が無いので、また過去に書いた日記でごまかす。

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2008年04月22日21時28分:遠いところ

ちょっと遠いところへ行ってきました。

どのくらいのところかというと、その田舎っぷりが映画になるくらいの土地で、まあ非常にその会社に行くのは大変だった。ようするに、某社の一次面接に行ってきたんだ。僕は。 都心から妙に高い電車賃を払ってついた駅より、タクシーで30分、もしくはさらに最果ての最寄の駅から5分かけて歩くか、5kmの道のりを歩くしかない。バスという希望はかなわん。なぜならばバスすら通っておらぬ。バス停からタクシーで10分とか書いてた。 それが嫌であれば、駅から会社直通のバスが出ているゆえ、それに乗るがよろしいとあるが、どう考えても面接に間に合うバスに乗ると1時間以上待たなくてはならぬ。おかしいじゃないか。

僕は秋田出身である。秋田もそりゃひどい。バスで最寄の駅まで片道五百円、バスも電車も1時間に一本というミラクルな土地で生まれ育ったもんだから、まあ何とかなるだろ、って感じなんだけど、何とかなるのは友達や自分や親が車を持っていたからなんだ。知らぬ土地でこんな仕打ちは、死ねる。

だから僕は受けるかどうか非常に、非常に、非常に、非常に、非常に悩んだんだが、いってきた。なぜならばやりたい仕事内容だったから。かつ、地方出身者としては、説明会と1次面接を同時にやってくれるのはかなりありがたかったから。で、行った。

行ったら意外と駅は大きかった。googlemapで見たらなんか終戦直後みたいな町並みだったんだけど。なめきっていた。 自動のエスカレーターもあって、チラシ配ってる兄ちゃんもいた。この時点で僕の地元は負けた。なぜならば僕の地元の駅でチラシなど配ったら、小学校で「変なお兄さんに話しかけられても無視するように」との通達が出るだろうから。っていうかむしろ、小学校の登下校に電車が使えるほど交通インフラも発展していなかったのだ。恐ろしい。 ちなみに、僕の実家をgooglemapで見ると、南極よりも解像度が低いです。それもそれで恐ろしい。

それでも僕は不便を感じることはあまりなかったのだが、しかしどうだろう。今こうして不慣れな土地に着たら、超めんどい。僕は会社の直通バスを利用して、一時間超待つことにした。

バス停に向かった。が、バス停など無い。地図にてバス停、と記されている付近に行っただけ。したら。「もしかしてARCモバイルチップエレメンツ(社名は適当)の会社説明会に来ました?」と、男。顔にたいした特徴の無い、男。ちなみに社名は適当。「ええそうです。あなたもですか」と俺。「はいそうです。バス停はここでいいんですよね」「そうだと思います。地図にそう書いてるので」「地図?地図なんてありました?」「あります。これです。」

PDAを見せる僕。PDAと言いつつ、実はwillcomの契約していないzero3。そしたら、「えっ、すげー!何これ!?何これ!?」と子供のようにはしゃぎまくる。PDA見たこと無いのか。

で、すぐにバスがくる。が。バスに乗った後も、このPDA男は、しつこく僕に質問責め。なんだか面接を受けているようだった。
「学科はどこですか」
「情報です」
「えええっ!?ってことは、プログラムとか写せるんですか?」
「Javaとか得意ですね」
「えええっ、す、すごいなー。どうやって写すんですか?ソフトとか」

写す、って何だ。と思った。そしてちょっとこのPDA男がどういう男かわかってきた。申し訳ないけど、こいつ、馬鹿なんじゃないかと思い始めたんだ。僕は。プログラムを写す、ってあんまり聞かない。普通はプログラムを打つ、とかだと思うんだけど。なんだか写す、だと他人のソースコードをコピペしてる感がある。

「まあ、プログラム書くためのソフトは大概フリーでダウンロードできるんで」
「ええっ、そうなんですか。俺買っちゃったなービジュアル…なんとか」
「VisualStudioですか」
「それです!けどよくわかんないんですよねー。フリーのソフトってのは何をするソフトなんですか」
「コンパイラとソースコードは知ってますか」
「知ってます、大体」
「ソースを書くエディタとコンパイラ、二つのソフトですよ」
「エディタ?プログラムを写すやつですか?」
「?ええ、ソースコード打つやつですよ。別にメモ帳でもいいんですけどね。あのwindows標準の」
「えええええ?プログラム写すソフトがあるんでしょ?なんでメモ帳にプログラム写すんですか」
「だからメモ帳でも代用可能、ってことです」

俺の説明そんなにわかりにくいかな…。

「へー。VisualStudioでもJavaはできるんですか」
「できるのはCとかC++じゃないでしょうかね」
「ってことは、VisualStudioでがんばれば、プログラムを写して走らせることができるんですよね」
「そうです」
「あの、教科書とかの例題のソースコードとか」
「C言語であれば」
「もしかしてあなたは、あの、プログラムの、あの、1行1行で何やってるかとか分かるんですか」
「分かりますよ!分からなきゃプログラムは打てないでしょ!」
「えええええええええ!!!!すごい・・・すごすぎる」

馬鹿かこいつは。こいつは、ソースコードってもんは、教科書の例題を書き「写す」ことが本来の目的で、一からソースコードを打てる人間は神みたいな位置づけでいるようだ。あほか。お前さっき電子学科って言ってたじゃねえか。工学部だったらプログラムの一つや二つ打たされるだろ。

「もしかして、基本情報技術者(資格)とか持ってますか」
「持ってますよ」
「ええっ、えええええっ、すごいですね」
「でも学生でとってる人も結構いるんじゃないですか」
「す、すごいなあ・・・・。プログラムとか、基本情報とか、そういうのどうやって勉強したんですか?」
「プログラムはまあ、ネットで検索したりして独学ですね。基本情報もネットで過去問と答えが載ってるんで、それやって。」
「本買ったりとかはしなかったんですか」
「しないです。説明がまともな本をあまり見たことが無いし、高いし、過去問やったほうが分かるから。」
「うわっ、ケチだなあ。ケチ。ケチですね。ケチだわ。」

てめー、マジ殺す。オメーはニコニコしてっけど、俺はもう怒ってんだからな。会って10分も経ってない人間にケチとか言ってんじゃねーよ。ここ半年くらいで一番殺意を持ったわ。 で、俺はいらっとして言った。

「でも金を掛けないんで勉強できるんであれば、金を掛けて勉強しないよりは良いですよね」
「ま、そうですけどね。(フフン、みたいな小悪魔的笑顔)」

僕は皮肉を言ったつもりだったのだが、どうやら皮肉と分かってもらえるためには、相手の頭のレベルもある程度必要だということがわかりました。その後、同じような質問を繰り返し、ようやく30分後にたどり着いたのは妙に敷地の広い会社。受付でPDA男が、ものすごいきょどってて、受付名簿に名前書こうとしたり書こうとしなかったりを繰り返し、見かねた僕が、「あの、私たち、ARCモバイルチップエレメンツ社の面接の件で伺いました」と言うと、警備員のおっちゃんは「ああ、それ早く言ってよ」と。

内線で担当者の人を呼び出し、すんません、早くついちゃったから待たせてね、との旨言うと、飯食ってないなら食堂で食ってきな、的なことを言われ、飯を食う。PDA男と二人で。飯を食い終わり、水を飲み飲み、だらだらしておると、妙にPDA男はせわしい。

「も、もう行きましょう。俺履歴書書かなくちゃならないんで」

履歴書書いてないのかよ!だめだ。こいつは。書き途中の履歴書見たら、5行は書けるスペースに一行にすら満たない文章。もうちょっと書いたほういいんじゃない。 その後、時間までに来た学生はもう一人。計3人。3人かよ・・・・。マイナーにもほどがあるだろ。ちょっと僕は来るとこまちがっちゃったみたいかも。一応冠はついてる会社なんだけど。来たもう一人は、ちょっと目が平山あやににてる。他のパーツはチワワににてる。男だけど。そしてその平山チワワにPDA男が問いかけるんだけど、

「今日はどうやってきたんですか」
「車っすね。自分、地元なんで」
「そうなんですか。結構地元の人がくるんですか?」
「そうっすね。俺ん友達の、高校辞めたやつとか、ちょっとヤンチャな奴とか、バンバン入ってるんで」

平山チワワ、めっちゃ言葉遣いがちゃらい。面接に注意してください。 というか、そうか。ここはやっぱり製造が大きいんだなあ。ちょっと説明すると、ここの会社は今後の社会には絶対必要な大型機械を作ってるんだけど、そんでその機械ってのは、世界的に見てもそれほど多くの会社が作れるような代物ではないんだよな。シェアは上位3社で世界中のほとんどを占めちゃうくらい。その点で強い。で、それの設計、開発、製造を行っているんだけど、やっぱ製造がある分、パートのおばちゃんとか、ギャルとか、ヤンキーとかが入ってくるのは仕方なく、しかしだからといって別に一緒に仕事するわけでもないし、ギャルとかヤンキーとかおばちゃんが全員反社会的で仕事も不真面目というのはあからさまな偏見であるし、そもそも、僕はヤンキーが居るとか居ないとか、もう社会人になる訳なんだしそれほど気にならなかったのだが、PDA男は大いにショックを受けたようだった。なぜならばあからさまに嫌そうな顔をして黙ったから。

その後、俺に、

「今日は筆記試験あるんですよね。SPIとか勉強しました?本とか買いました?」
「いや。本は買ってないですけど、人のを借りたり、もらったりして勉強しましたね」
「うわっ、やっぱケチだ」

やっぱりこいつ殺す。そう思った。
その後、説明を聞く。いたってまともな企業。まあ一応大手企業だし。なのに志望者数が極端に少ないのは、やっぱりアクセスが悪いからか。まあ、駅からタクシーで30分じゃあな。面接でも、採用担当はそれをしきりに気にしているようだった。 で、面接までまた待つ。したら、またPDA男がしゃべる。

「俺、この会社のフルネームいえなそうですよ」
「ARCモバイルチップエレメンツ(仮称)、ですか?」

正式名称は、有名企業名+英単語。

「そうそう。エクス・・・なんとか」
「いや、モバイルチップエレメンツ、ですよね。モバイルの、チップの、エレメンツ、ようするに要素ですよね。」
「ああっ、エレメンツって要素って意味なんですか、英語ですか、あああいぃっやっ、そう、そうそう。そうだった。要素です。要素でした」

もう帰れ、と思った。 面接は、平山チワワとPDA男が先。僕が後。僕はひたすら適性検査。これも苦痛。300問くらいあったし。 で、一人取り残され書き込んでいると、30分くらいして平山チワワ到着。さっきのちゃらさは微塵も無い。落ち込んでいる。相当厳しいこと言われちゃいましたよ。なんて言ってた。まあ当たり前だね。俺だったらお前とらんわ。その後、PDA男も帰ってくるが、無言。さっきまでアホのようにしゃべっていたのに無言。これは圧迫面接なんだろうか。うわさに聞く。

で、僕も面接受けたんだが、ぜんぜん圧迫なんてことはなく、むしろ、いやあこの分野で組み込みソフトをやりたい、なんてやりたいこと決まってる人なんていないし、人も足りんし、2次面接もそうね、遠いけど来てくださいよ。これからはこの分野とこの分野を成長させたいんで、まあ頑張って行きましょうよ、的なことを言われ、もはや内定の雰囲気だったのでよかった。平山チワワとPDAは何をしゃべったんだろうか。

帰り、PDAは落ち込んでおった。平山チワワはすぐ帰ったようだった。 話を聞くと、PDA的にヤンキーが多数いるということが相当いやらしい。そんで、面接では君はもしかしたら製造に行ってもらうかもしれんと言われたこと、PDAには2次面接もぜひ、なんて言われなかったこと、などを嘆き、最終的にやっぱり基本情報が、と締めくくった。たぶん、資格は関係ない。僕は、PDAはふだんからこのように主に向上心の無さからくるアホを必死で取り繕い、人を持ち上げたり、適当なことを言ったりして過ごしてきたから面接でも見抜かれたんだと思う。僕だって、PDAと会った5分後には、俺が人事だったらこいつ取りたくねえな、と思ってたもの。だって初対面でケチとかいうんだもの。

まあ一応、そんなヤンキーって言ったって、みんながみんな悪い人ではないでしょ。と言ったら、いや、喫煙所にいた社員が僕を睨んでた、とか統合失調症みたいなことを言い始めるもんだから、ちょっと冷静に考えてみろと。中卒と大卒じゃ給料違うだろ。本当にヤンキーと一緒に働かせるんであれば、大卒とる必要ないだろ。高い給料払って中卒の仕事やらせるんだったら中卒とるわ。と、言うと、ああっ、じゃあ俺は要らない人材なんだ、的なことを言い、もうね。だめだ。

さらに追い討ちを掛けたのが、彼が行きたかったけど1次面接で落ちてしまった会社に今度僕が最終面接に行くこと、僕が内定を幾つかもらっていること、等のエピソードを僕が話したことだったらしく、僕はそんな気は無かったんだが、さらに落ち込んでしまった。こう書くと、ちょっと自慢くさく聞こえてしまいますが、たぶん非常に申し訳ないけど、PDAがカスなだけです。

でも僕はもうPDAを慰める気にはなれなかった。申し訳ないけど。理由は二つ。初対面の人にケチとか言うから。腹立つ。もうひとつは、履歴書を会社で書くようなやる気の無いやつは落ちたとしても自業自得だとおもったから。 そして最後までPDAは僕に質問攻めでした。でもそういう気持ちだったから、ちょっと強く答えた。

「プログラムって独学でできるかなあ」
「できる。俺がやった。基本情報もプログラムも独学でできる。できないのは頭が悪いからじゃなくてやる気が無いから。ソフトや本とかを買ってそれで満足するようじゃ駄目。ケチだろうとなんだろうと貪欲に興味を持って勉強すべき」
「基本情報のプログラムの問題は、例題のプログラム写せばできるかなあ」
「その時点で逃げ腰だもの。やらなきゃわからん。自分で考えてプログラム打ってみなきゃわからん」
「面接で長所って言われても長所って、そんなに無いよね?」
「普通に生きてりゃあるだろ。俺は中学高校と学級委員長を経験したとか、学校祭で映画撮って褒められたとか、小さいころから技術工学が好きで、小学生のときは電子工作にはまり、中学高校とパソコンを通じてソフトの勉強をし、未知の分野に積極的に踏み込み、知識や技術を効率よく吸収するスキルを自分なりに会得しましたとか、まあ誇張も入ってるけど、こんな感じで言う。何も無いとかいうのは、自己分析しなさすぎ。お前の大好きな就職本に書いてるだろ?俺はそんなアホしか買わないような薄っぺらい本なんて読まねーけど、書いてあんだろ?俺にとって金の無駄でしかないけど、お前にとっては金出さなきゃ知り得ない情報なんだろ?で、しっかり読んだら、買って満足するアホと、買わないでがんばるケチはどっちが優秀か考えろ」

と、こんなにまで強い口調ではなかったのですが、こんな感じのことを言ったら、最後は無言で挨拶もなしに電車から降りていった。 PDAも平山チワワも、まあこの会社に入るのかどうかわからんが、もうちょっとがんばれよな。と、思った。まあ僕だって人のことは言えないんだけど。まだ就職活動続けてるわけだし。

まあようするに、僕は根に持つタイプというわけですね。ケチとか超むかつく。

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いやあ、こんなことあったなあ。

就職活動してるときは、こいつに限らず、いっぱい変な人が居ました。今の会社でも変な人は多いなーと思いますが、就職活動で出会ったくらいの変人はまず見ません。そういう意味では、人事担当はちゃんとザルの役目を果たしているなあ。と思った次第です。