ドイツの電力事情

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ずっと書きたくて、でも、時間が無くて書けなかったことを書いてみる。時間が無いので簡単にまとめる。

こないだ、「火力原子力発電」の会誌を読んだ感想と覚えていることを書く。
タイトルは「欧米エネ研究会活動報告〔1〕欧州電力業界の現状と課題 -欧州電力業界の苦悩-」。手元に会誌がなくて、メモったことを羅列している。間違ったことは書いていないと思う。が、出来たら原紙を当たってほしい。

報告では、ドイツについて以下のような事が書いている。

  • 再生可能エネルギー(RES; Renewable Energy Sources)の比率を上げようと頑張っている
  • 最近は、太陽光や風力だけでなくカーボンニュートラルな発電方法をも模索している
  • 余剰排出権の商取引を活性化しようと画策している
  • ソーラーパネル設置に対する補助金は無駄使いと批判されている
  • RESの容量は増えているが電力需要は減っている
  • 一般家庭における再生エネルギーの賦課金の負担は年間120ユーロ(14400円)程度
  • 風力発電の電力をドイツ南部へ送るための送電網がまだ整っていないので、ポーランド・チェコを通している(迂回電力)

それぞれ考えていこう。以降は私の意見・感想なので、ご注意を。火力原子力発電とは何も関係ありません。

再生可能エネルギー(RES; Renewable Energy Sources)の比率を上げようと頑張っている

これはかなり昔から行われている。たしか緑の党とかが政権を取ったときに脱原発を決めて、それからの流れだ。調べて見たら、なんと2002年のことらしい。

私が学生だった頃、当然、東日本大震災が起きる前から、ドイツが原発無しでやっていけるわけがない、と言われていた。現在も、脱原発は推進されているが、まだ稼働している原発は残って居る。今後どうなるかは分からない。

最近は、太陽光や風力だけでなくカーボンニュートラルな発電方法をも模索している

カーボンニュートラルとは、直訳すると炭素中立ということになる。つまり、エネルギーを生み出す過程で炭素を排出する量と固定化する量が釣り合っているということである。具体例を挙げると、たとえば、木材を燃やして発電を行うのは、カーボンニュートラルである。元々自然界(土や空気中)にあった炭素から構成されている木材を燃やすのであれば、燃やしたときに排出された炭素は元々空気中や土壌中にあった炭素であるからして、差し引きゼロであるので環境を破壊していることにはならない、という意見があって、最近、ちょっと流行りつつある。

しかし、じゃあ具体的にどのようなカーボンニュートラルな発電方法を検討しているのか、という記述は無かった。

ネットを調べて見ると、木材の廃材を燃やして発電する方法の他に、バイオ燃料なんかもカーボンニュートラル発電の例として挙げられていた。バイオ燃料は最近ホットな分野であることは間違い無いが、まだまだ研究途上の分野であるので、過剰な期待は禁物である。また、私は常々次のような事を思っている。石油を作り出す植物プランクトンがいて、そいつを培養して植物由来のガソリンを作ったとする。そういう方法で得られるエネルギーというのは太陽光発電と比較して十分に優位に立てる量(効率)なんだろうか?

私は化学と生物学の分野にはあまり明るくないためよく分からないんだが、石油を合成する植物プランクトンは、なんかの有機物の化学エネルギーと、太陽光のエネルギーを使って石油を合成しているはずである。投入する有機物にはコストがかかる。得られる太陽光のエネルギーを増やすには土地を広くするしかない。広大な土地が必要だろう。じゃあそこにメガソーラープラントを作った方が良いんでないかい?

最近の太陽光の発電効率の向上具合はすさまじく、量産型のセルでも20%弱、研究段階のものだと40%を超えるものもある。しかも、太陽光エネルギーを使うと直接電力を得られるので、これまた都合がよい。たとえば合成した石油で内燃機関を回して発電するなんてことをしたら、発電効率は圧倒的に悪くなるだろう。だから発電用途には使えない。よって、既存の内燃機関で使用することになるだろう。車とかね。

まあ長々と書いたが、言いたいのはカーボンニュートラル発電、なんて言ってるけど、これもやっぱり眉唾で聞いておくべきだと思う。

余剰排出権の商取引を活性化しようと画策している

こう書くと嘘っぽいが、私は小学生のとき、将来は環境にかかる負荷を基礎とする経済体制が形作られるだろうと予見していた。具体的には、国民一人一人にCO2排出可能枠が決められていて、消費活動の過程でそれを超えたら金を持っていても物を買ったりサービスを受けたりすることができなくて、で、排出枠自体を金で買ったり売ったりするような社会になる、と思っていた。

現実はそこまで厳しくないが、少なくとも企業間取引としてはそういうことが現実に発生する社会となっている。

経済に良い影響を及ぼすのなら何の問題もないが、なんだか複雑な気分になるなあ、と、思う。

そもそも、私は地球温暖化の原因が二酸化炭素にあるとは思っていない。何らかの影響を与えているとは思うが、地球の気候変動や気温の変化といった現象は、膨大な数の要素が複雑に絡み合った結果であるのは、たとえば、シムアースとかいうスーファミのゲームをやったことがあれば誰でも知ってる既知の事実なのであって、それを二酸化炭素という単一のパラメータで論ずると言うこと自体が絶対におかしいと思う。

で、それをゴリ押しして二酸化炭素が全部悪い!とかみんな叫んでて、その叫んでる口からも二酸化炭素が排出されてて、で、頑張って減らそうとしたけど上手く行かなくて、カーボンニュートラルとか排出権取引の活性化とかやってて、なんか本末転倒じゃない?って思うんだけど、どうかな。

ま、最初に言ったとおり、経済に良い影響を及ぼすのなら、二酸化炭素が濡れ衣だろうが本当の悪だろうが、べつにどうでも良いことだとは思うのですけどね。

ソーラーパネル設置に対する補助金は無駄使いと批判されている

これは日本でも同様の意見を良く聞く。

どういう事かというと、太陽光パネルを設置させるために補助金を出しても、結局売れるのは中国製のやっすいパネルがほとんどであって、国内メーカーを潤すことにはならないという意見である。ドイツではQ-セルズという国内企業がパネルを作ってるらしいが、あまり潤ってないらしい。

RESの容量は増えているが電力需要は減っている

需要が減っているのは、経済の停滞が原因とか書いてた気がします。

経済の停滞もそうだとは思いますが、アホの一つ覚えのようにエコエコ言ってる世界なので、特に先進国では電力需要が今後もずっと伸び続けるとは余り思えないでしょう。

じゃあ太陽光増やして火力・原子力減らしたら良いじゃん、って事になるのだけど、そう上手く行かないのは、これも昔から言われているように、太陽光パネルから送出される電力は「質が悪い」ため。

質が悪いとはどういう事かというと、つまり、天候によって生み出される電力に大きな開きがあるということ。それに加えて、電力需要のほうは、季節の間でも1日の間でも大体なだらかなカーブを描くようになっています。生み出される電力量と電力の需要量はイコールの関係でなくてはなりません。このバランスが崩れると、発電所の発電機がモーターになって自分で回り始めちゃうので。

だから、太陽光発電パネルを設置しまくったとしても、ほぼ同じ容量の別の電源を確保しなくてはならないのです。という流れで、太陽光パネルの設置量が増えたとしても、バックアップ電源が常に必要なのでこれは余り嬉しくない。日が陰ったら即座に火力発電所の出力を上げないといけないのだ。急速な出力変動に耐えれる発電所(ガスタービンとか)を作らなくてはいけないので、電力会社としてはそんなことやりたくない、天候によってころころ変わる質の悪い電力なんか使いたくないと思っている。

一般家庭における再生エネルギーの賦課金の負担は年間120ユーロ(14400円)程度

これはどうですかね。私は高いと思います。

これが絶対に必要不可欠で、払わないと国が崩壊する、という類の物であれば払いますが、この賦課金というのは、元を正せばソーラーパネルを設置した人の家に出た補助金とか、ソーラーパネルを使って電力会社に電気を売電したときに支払われるお金になるのです。

なぜ好きでソーラーパネルを設置した人のために国民全員がその費用を負担しなければならないのでしょうか。これは明らかに納得のいく物ではありません。

風力発電の電力をドイツ南部へ送るための送電網がまだ整っていないので、ポーランド・チェコを通している(迂回電力)

これもかなり前から言われていたことですね。未だに解決していないのでしょう。

風力発電も質の悪い発電方法の一つです。ということは、これも電力系統に負荷がかかります。ポーランドとチェコにも負荷がかかるので、ポーランド・チェコも嫌がります。

という感じですかね。簡単に言えば、風力発電も太陽光発電も上手く行ってないということです。これらのそれぞれが日本においても当てはまることでしょう。

ちなみに、私は今家を建築中ですが、ソーラーパネルを設置します。散々これまで太陽光発電は質が悪いとか、補助金は意味が無いとか行ってきましたが、私は東京都と国の補助金をもらってソーラーパネルを設置します。

なぜか。ソーラーパネルが好きだからです。それだけ。以上。

あと、賦課金を払ってて「何で他人が設置したパネルのために俺が金払ってんだ・・・」と思いたくないからです。