【アクアリウム】計画編1 濾過を考える(1)

DSC_6123

DSC_6123

熱帯魚を再開したい。

IMG_0845

私は元々、小学~中学の頃に熱帯魚を飼っていた。またいつか飼いたいと思いつつ28歳になってしまった。今度、家も建つので、家が建ったら熱帯魚を飼おうと思う。

そのため、最近は熱帯魚再入門するため、色々調べておる。原点に立ち返って。

昔はまあ、小学中学生だったので、つまり、馬鹿だった。馬鹿だからいろんな商品にだまされていたと思う。熱帯魚に限らず、あらゆる分野でそうだが、世の中には多種多様な宣伝文句を持つ商品が沢山売られている。でも、表示通りの性能がでなかったり、機能を果たせなかったりで行政指導を受けたりしてる商品なんかもある。たとえば車の燃費向上グッズなんかは本当に効能が怪しい製品が沢山売られていているよね。

ああいう変な商品を、そのうたい文句を心の底から信じて買った後で後悔しないよう、ちゃんとした知識を身につけようと思う。

今日考えるのは、フィルター。

フィルターについて考える

フィルター、というのは、まあ見たことある人も多いと思うけど、金魚とか熱帯魚の水槽ってポンプで水が循環してるでしょ?あれは裏で水を濾過しているんだ。

水槽の中にいる魚が出したフンや、えさの食べ残しなどの有機物はバクテリアによって分解され、アンモニアを発生させる。アンモニアは水槽内の生体にとっては強い毒である。アンモニアを放置したら生体が死に至る。従って、まずアンモニアを常時除去し続ける必要がある。アンモニア以外にも、水槽内には小さなゴミが浮遊しているので、そういうのを濾し取る、というのも、鑑賞上重要である。フィルターはこういう役割を担う。

浮遊している小さなゴミは、目の粗いスポンジや、網などに水を通すことで容易に除去できる。それよりも小さい、コロイドなんかは活性炭によって吸着することが出来る。このように、物理的な作用でゴミや有害物質などを取り除くのを、物理濾過と呼ぶ。

対して、バクテリア・細菌の作用によって、有害な物質を比較的無害な性質の物質に変化させるのが生物濾過と呼ばれるものである。前述のアンモニアは、種々のバクテリアによってまず亜硝酸塩に分解され、その次に硝酸塩に分解される。最終的に硝酸塩は水草に吸収されるか、定期的に水槽の水を入れ替えることによって水槽外へ排出される。

この、アンモニアから始まる一連の生物的化学反応を硝化作用と言う。化学式は以下のようになる。

NH4+ + 0.103CO2 + 1.86O2 → 0.0182C2H5NO2(亜硝酸細菌) + 0.00245C2H7NO2(硝酸細菌) + 0.979NO3- + 1.98H+ + 0.938H2O

硝化作用 - wikipedia

硝酸塩は生体にとって比較的無害であるが、あまり蓄積すると悪影響を及ぼすし、コケが生える原因にもなる。

生物濾過は、比較的目の細かいスポンジや、多孔質のセラミック素材などの濾過素材(ろ材)が利用される。これは、硝化作用を進めるバクテリアは、何かの物体表面に膜を作るように繁殖するからである。たとえば、台所シンクやパイプ配管のぬめりなんかがこれにあたる。これを生物膜と呼んだりする。生物濾過は、排水処理の分野では、生物膜濾過とも呼ばれる。

生物濾過は必ず生物膜の形態を取るわけではなく、細菌がひとまとまりになった粒(コロニー)を水中を浮遊させることで濾過させるような方式もある。

この辺りに詳しいのは、はやり排水処理だろう。荏原製作所が「エバラ時報」としてサーベイ論文を公開している。これが非常に分かりやすく、とっても為になるので是非興味があれば呼んで欲しい。

好気性生物処理技術の特徴と発展の流れ (北川政美)

余談だが、このように人のため世のため、無償で学術的な専門的な情報を広く公開してくださるという企業姿勢はとても好感が持てる。何かのオープンソースプロジェクトの若いリーダーが言っていたんだが、「学術論文を一つ読むために、数百~千円の値段がかかるのはバカバカしい」ということだ。これは全くその通りで、たとえば少年ジャンプとかだったらコンビニで立ち読みして、「今のジャンプなんて、知ってるのこち亀しかねえよ~」か、何か言って商品棚に戻すことが出来るが、学術論文の場合はそうは行かない。

しかしながら、学術論文は世のため人のために広く公開されるのが当たり前であると思う。広く公開されることがなければ情報交換の役目を果たさないからだ。それをば、なんですか?PDF $5とか、¥315なんてボタンを見た瞬間に俺は完全にやる気を無くす。

まあそれは置いといて。

熱帯魚のフィルターシステムの構成は、物理濾過と生物濾過の二つを組み合わせた形とすることが基本である。すなわち、最初に物理濾過によって浮遊する大きなゴミを取り除き、そののちに生物濾過による硝化作用にて有害物質を分解するのである。熱帯魚のフィルターとしては、多種多様なものが販売されているが、いずれも基本はこの形を取っている。

昔からフィルターの中でも比較的設置が容易な割に高い性能を誇るタイプのフィルターとして、外部フィルターが挙げられる。外部フィルターとは、水槽外に設置されたろ過槽(以下のような円筒型が多い)

へと水を循環させて濾過を行うものである。

何故これが高い性能を誇るかというと、単純にろ材の容積を大きく取れるからである。つまりどういう事か。

生物濾過に限って言えば、その性能とは硝化作用に関わるバクテリアの数に単純に比例する。バクテリアは生物膜という形態を取る。ということはすなわち、ろ材の表面積がそのフィルターにおける処理能力の上限となるということだ。

従って、昔から多孔性セラミックのろ材なんかがよく売られていて、「テニスコートX面分の表面積!!」などといううたい文句の商品なんかがあった。

しかしながら、ここで注意したいのが生物膜の厚さである。

いくら微細なバクテリアと言えども、それが集合した生物膜の厚さは結構なものである。台所のぬめりくらいの厚さは少なくともあるのだ。前述のサーベイ論文を読むと、

廃液処理では数 mm から数 cm オーダまで伸びることもあるが,上水や下水の高度処理では目視では判別しにくいμmオーダにあることも多い

との記述がある。

水槽環境ではどうであるか明確な資料が無いので分からないが、少なくともmmに近いオーダーであることは容易に想像が付く。それは、白いスポンジのろ材を使っていると、バクテリア特有の色が付くからだ。茶色っぽい色である。なので、少なくとも人間が目で見てすぐ分かるくらいの厚さはあるはず。

そうすると、前述の多孔性セラミックのろ材なんかで、非常に微細な穴が空いていたとすると、生物膜の面積には何も寄与しそうにないことが想像できる。

今日ネットを調べていたら、ほぼ同じような事を書いていらっしゃる人が居た。「想像の館」というサイトにおける記述

たとえ多孔質でもミクロン単位の微細なものでは、バクテリアが定着しやすくなる効果はあっても濾過面積にはあまり寄与しない。

やはり、そういうことらしい。

ちなみに、上記サイトの管理人さんは、洗車スポンジが最適なろ材であるという非常に興味深いことを述べており、実験データや経過の写真なども詳しく記載されている。私も非常にその内容に共感したので、私も同じように洗車スポンジでろ材を作ってみようと思う。(ちなみに、氏はこれを10年間ほぼノーメンテナンスで使っているそうだ)

対照的に、眉唾な濾過方法もあった。

それは、「流動式フィルター」というものである。熱帯魚の世界では比較的新しい方式だ。私が熱帯魚を飼っていた頃には無かった方式なので、少なくともここ10年以内(数年?)で出てきたものらしい。

なんでも、下水処理でも同じような方式を使っていて実績があるとか無いとか・・・。本当かな?これも今回の日記で考えてみたかったけど、長くなったのでまた次回に。