貧乏な話

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貧乏な話

今日、会社で、「お前のスニーカー、派手だな」と言われました。

「これ、980円なんすよ」と言ったら、「えっ!?お前金無いの!?」と言われました。

むっかー!!!きたね!!!俺は!!!久しぶりにむっかー!!!ですよ!

あんな、じゃあ逆に聞くけど、入社4年かそこらで、嫁一人子一人を養い、プリウスを新車で買い、注文住宅を新築した俺に金があるとおもってんのか?・・・とここまで書けば、ハイハイ、俺は分かるわ。お前らが考えたこと、全てお見通しだわ。

「それは、あんたが勝手に結婚し、勝手に子供を作り、勝手にプリウスを新車で買い、勝手に家を新築したお前が悪いんじゃないの?」って言いたいんだろ?あんな、逆だよ、逆。俺は日本経済のために、消費活動をしてやってんの。日本の少子化に貢献してやってんの。むしろ俺を褒め称えて欲しいくらいだわ。

そんで、今月はクソ出費が多いんだよな。友達の結婚式に出た。プリウスの重量税がきた。固定資産税がきた。髪を切った。

なかでも腹立たしいのが固定資産税ですよ!!我が家はまだ建築されていないのですが、まあ、土地が無いと建築できないので土地だけ最初に買う訳じゃないですか。すると、家が建ってない、何にも使ってない土地を所有してるのってすごく税金が高いんですよ。これは考えれば当然のことで、日本は国土も狭いわけですし、余らしてる土地があるなら世のため人のため有効活用しろやっ!ボケェ!というお国からの無言の圧力なわけですね。

もう少し具体的言うと、住宅用地に関しては、固定資産税の1/6、都市計画税の1/3が軽減される、さらに、新築住宅が建つと、3年間は固定資産税が半額、という措置があります。

でも、私の土地は当然ですが、まだ家が建ってない、ただの空き地なのでフルに税金がかかる。これは悔しい。まあ、あとで戻ってくるんだけど・・・。

しっかしなあ。大人になってからもう、金銭感覚が完全崩壊しとるわ。100万とか200万なんてはした金としか思えん。はした金としか思えんのに、すき家を食うかどうか1ヶ月悩み、980円のスニーカーを嫁さんに発掘してきて貰い、飲み代をケチって会社の飲み会をも欠席する。という、これ、ワーキングプアと言って良いんじゃない?どうです?新車&新築のワーキングプアですよ?これって、トリビアになりませんか?

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昔を思い返してみると、私、熱帯魚を飼っていたんです。熱帯魚。正確に言うと、熱帯魚というか、最初は「アカヒレ」という魚を飼っていたんです。メダカみたいな小魚ですね。

これを、横幅30cmの水槽で飼っていたんですが、本当は、60cm水槽が欲しかったんです。そのときは小学3年生でしたね。

熱帯魚が飼いたくて飼いたくてしょうがなかったんです。余りに飼いたいので、熱帯魚飼育本を買ったんですよ。熱帯魚飼育用品は小学3年生の財力では買えないから。その熱帯魚飼育本も、ジャスコの本売り場で1800円のと1200円のとどちらにするか40分悩み(この時間は時計見てたのではっきり覚えている)、結局1200円の方を買ったんです。これはお年玉をはたいて買ったのです。

それで、熱帯魚飼育本を見ると、「初心者は小さい水槽を買いがちですが、小さい水槽は水量が少ないので水質が変化しやすく、むしろ上級者向けと言えるでしょう。60cm水槽がベストです」と書いてあって、初心者は60cm水槽ががベストなんだよ!本に書いてるんだよ!と親に訴えまくったのですが、「いい加減にしなさい!本で我慢しなさい!!」か何か言われ、裏山で泣きました。私はこういう事があると、必ずお菓子をもって裏山か小学校まで行き、プチ家出した気分になる。

で、ペットショップに行った折、アカヒレが小瓶に入って売られていて、これは1000円しなかったと思うな。アカヒレは強い魚なので、こういう劣悪な環境でも生きてられるんです。もちろん、魚の健康には良くないけど。

そんで、これなら買っていいでしょ!とせがんだところ、ようやく買って貰った。これが、俺の初めての水槽である。水槽っていうか小瓶である。

それから徐々にお年玉とか親戚から貰った金とかを貯め、ようやく30cm水槽を買い、エアーポンプを買い。それなりに魚を飼育する環境ができてきた。

それで小学4年くらいになったときにようやく熱帯魚用のヒーターを買い、初めて飼った魚が「ゼブラダニオ」という、色鮮やかなれっきとした熱帯魚である。5匹で1000円しなかったと思う。値段だけは結構覚えてるんだぜ。

金魚の水槽でもそうですが、水槽には水を循環させて濾過させるフィルター機材が必須であります。そのとき使っていたフィルターが「水作エイト」という、濾過能力的にはかなり心許ないフィルターだったんだ。600円くらいかな。でも、そのフィルターも兄の借り物だった。

ここまでなにも書いてこなかったが、私が1200円の飼育本を買うかどうか悩んでいたときから、兄はなぜか60cmのガラス曲げ加工が施された水槽と、上部濾過装置と、二灯式の照明がついた立派な設備を持っていて、ピラニアやウナギの仲間かなにかを飼っていた。私は悔しかった。同時期、小学校で「うちの兄ちゃんはピラニア飼ってるよ」と言ったところ、「うそつけー!家でピラニアが飼えるわけないじゃん、また嘘がでたよ」などと散々に馬鹿にされ、私はまたここでも悔しかった。

話がそれたが、その、借り物600円の水作エイト。

ある日、私が妹に「兄は俺が貸した単三充電電池セットを一向に返してくれない」と言ったところ、それを兄に聞かれ、「じゃあ返してやるよ、でも、俺の水作エイトも返して貰うからな」と言われ、水作エイトを引っこ抜かれた。単三充電電池セットは返ってきたが、8本セットのうち3本くらいが無くなって、普通の電池になってた。そんで、水作エイトが無くなった俺の水槽、さっそくゼブラダニオが鼻上げ(酸欠で水面を鼻でつついて溶存酸素量を増やそうとする行動)を始め、やばい!ゼブラダニオ死んじゃう!とパニックになった。

今改めて考えてみると、こんな無茶苦茶なことは無いと思う。魚と言えども、命があるのである。私と兄は結構年が離れていて、そのときは確か俺が小学4年生かそこら、兄は中学3年か高校一年だった。力の差が歴然としている。私は水作エイトを奪われようと、返して貰った単三充電電池セットの3本が普通のアルカリ電池に変貌していようとも、血の涙を流して従うほか無かったのである。

結局、ゼブラダニオが死ぬから、頼むから水作エイトを戻してくれと泣いて懇願し、ようやく戻して貰った。が、これがトラウマとなり、一刻も早くまともなフィルターを買わねばならぬと心に決めたのだった。

そんで、これまたお年玉をはたいて買おうと画策したのが、NISSOというメーカーが出してる「マスターパル1」というやつだ。これすごいな。未だに売ってるんだ。

でも、これが2000円ちょいするものだったから、私はまた悩んだ。ホームセンターの入り口で買うかどうか、死ぬほど悩んだ。お年玉をはたいて買うか、それとも、兄の機嫌を伺いつつ、水作エイトを使い続けるか・・・。煮え切らない私の態度に母親がまた怒り狂う。「2000円くらい、さっさと買ってこい!!!」

私は子供ながらに、この人はなんて酷い大人なんだろう、と悲しくなった。私は小遣い、というものを貰っていなかった。先ほどから「お年玉をはたいて」というのは、つまり、お年玉が私の唯一の収入源だったからである。なので、1年間の予算は、2万かそこらだったと思う。同級生が毎月2~3千円貰ってゲームとか買ってる折、俺にとっての2000円とはまさに超大金で、それをはたいてフィルターを買うかどうかを悩んでいるのである。

さらに言えば、このフィルターが欲しいというのも、私の大事なゼブラダニオの生存権を確保するという確固たる目的があるのであり、単なる物欲だとかとかでは決して無いのである。しかし、その、大事なゼブラダニオの生存権を確保するという天秤に掛けても気持ちが揺らぐくらいの大金が2000円なのであって、そのような心持ちでホームセンターの入り口に立ち尽くす我が子に向かい、「2000円くらいさっさと買ってこい!!」と怒鳴るのはどうなんだろう?私は我が子にはそんな思いをさせたくないと思う。

で、結論から言うと、買った。これは何年にもわたり大活躍した。

そして、翻って、今、このとき。

私は大人になり、数百倍の財力を持ち、車を買い、家を買い、明らかにアッパークラスの生活をしているはずなのに、何だろう?この気持ちは。

980円のスニーカーを履き、娘には3600円の靴を履かせ、会社の飲み会を金が無いからと断り、すき家、すた丼の類を1ヶ月2ヶ月の単位で行くかどうか悩み続け、ライフのツベルクリン注射味の焼酎を飲み、今日も今日とて、「お前金無いの?」とか言われる。

おかしくないっすか?

「年収150万円でも生きていける。吉野家や幸楽苑だって十分美味い。人生楽しんだもん勝ち」という記事があって、あっ、年収150万で吉野家や幸楽苑が食えるんだ・・・って、ごくごく自然に、ショーケースの中のサックスを見つめる黒人の少年のような面持ちで、うらやましい気持ちが心の中に充ち満ちてきたわ。

あと、これは関係無いんだけど、今日家に帰ったら、嫁さんがゲップをして、「これはエアーゲップです」と言っていた。エアーゲップ。まあゲップはエアーだけど、エアーそのものだから、つまり、エアーゲップと言葉を濁してるだけで実体を放出してるんだよね。

これもおかしくないっすか?

今月は、今週末と来週末と、2回も飲み会がある。誰か酒おごってくれよ。