ワンピースと価値観

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私はワンピースとドラゴンボールが嫌い。

正確には、嫌いと言うよりは興味が無い。面白いと思わない。というのが、正確な気持ちだった。しかしこの話をするとまず間違い無く「頭おかしいんじゃないの!?あなた本当に人間なの!?」という反応をされるので徐々に無関心から「嫌い」になった。

いつだったか、何故嫌いなのかと問われ、何だったかな。俺はなんて答えたんだろ。というか、嫌いというよりは無関心だから、そもそも両者をあんまり知らないんだよね。ただ、なんか暴力的なんですよね。なんつうか。どちらも常々出血してるじゃないですか。敵対する組織と話し合いを通じて解決を図るというエピソードが無いし。流してる血の一部だけでも献血したら社会貢献になるんじゃないかな。という、旨の事を言った気がする。

あとさ、ワンピースってあれだろ。なんつうかオタク臭いっていうか。3話くらいでルフィがナミと初めて出会ったとき、股でルフィの顔をはさんでパンツ丸見え、みたいな話があっただろ。あれ何なの?そのエピソードでヒロインのどういう心情を描きたいの?どういうキャラ設定を描きたいの?意味がわからんわ。作者の変態的願望を投影してるだけじゃないの。という事を言った。そしたらすごい勢いで、「ナミは3話で出てこない!っつうかそんな話無い!ナミをそんな風に言うのはやめて!!」等とみんなから怒られた。

まあ、私が記憶していたそのシーンというは、実はマガジンで連載していたRAVEというワンピースの二番煎じみたいなマンガだったんだけれども、どちらにも興味が無い私にとってはいずれも似たようなもんである。そのくらいどうでも良いのに、「RAVEとかクソ漫画とワンピースを一緒にするなんてどんだけアホなんだ!」みたいな風に糾弾されたので、またさらに嫌いになった。何か宗教じみてるんだけど。

で、最近、映画がやってるらしく。行きました!とか言ったり書いたりしてる人がいて、マジで?と俺は思った。あれって、小学生が見る夏休み映画大特集!みたいなノリじゃないの。あれって大人が見に行っていいんだ・・・。と思った。こう描くとまた皆さんからお叱りを受けるのでしょう。「大人が観ても面白い、深いストーリーなのがワンピースなんです!!観ても居ないのにバカにするのはやめてください!!」とかね。そしてますます嫌いになる。言うとおり、ほとんど読んですら居ないのに。いや、まあ、ある程度は読んだよ。そのときはまだジャンプ買ってたから。でも10話くらいで読むのやめたんじゃないかな。あんな定型文みたいな安易なお涙頂戴ストーリー、子供ならまだしも大人がよく読むよな。と、こう描くとまた皆さんからお叱りを受けるのでしょう。「これが理解できないなんて、あなたには友情という気持ちがないのですか!?きっと友達も少ないのでしょうね!!」とか。以下無限ループ。つまり価値観が違うんだろうな。俺と彼らとは。

じゃあ価値観が違うなら俺が読んでる漫画も認めてよ。私の価値観も認めてあげてよ!ってのが今回の主旨でございます。私が読んで面白いと思った漫画を列挙致しますので、金と時間が有り余ってる人はブックオフかなんかで買って、醤油が染みついた単行本を読んで感想を聞かせてください。よろしくお願い致します。

ボンボン坂高校演劇部


昔ジャンプで連載していたギャグマンガ、時にラブコメの漫画でございます。作者の画力が高いです。ディープキスするシーンが最高に生々しくてエロい。少年誌にふさわしくない。演劇部部長の徳大寺ヒロミの奇態っぷりが半端ない。今思えば、この漫画は非人間的で強力なキャラがいて、それを中心として周りが右往左往させられるという漫画の黎明期にあったと思う。こういうタイプの漫画は「すごいよ!マサルさん」で一つのカテゴリに定着したんじゃないか。

僕といっしょ & グリーンヒル


作者の古屋実は「行け!稲中卓球部」で有名だが、あまりに有名なのでこの二つを取り上げたい。「僕といっしょ」は親に捨てられホームレスとなった中学生・小学生兄弟の話。二人は上野動物園にパンダを見に行き、その途上で同じく孤児院を抜け出したシンナー大好きホームレス少年と出会うところから話が始まる。暗い設定だが内容は完全にギャグ。この頃から作者の描く話に哲学的な側面が垣間見れることが多くなってきた。たとえば「人生って何?」と悩む女子高生が出てきて、「ホームレスのあなたたちなら知ってる気がして」などと言う。それに対する答えは「SEXしてから考えれば?」などという適当な答えだったりするが。まあ、稲中卓球部の時から、登場人物が「俺はずっと普通の人生しか歩むことができない」などと悩んだりするエピソードもあったりして、元々作者はそういう話を描きたかったんじゃないかとと思われる節がある。
グリーンヒルは無気力な大学生がバイクに出会って変わっていく話。これも基本はギャグであるが、やはりちょっと哲学的。その後、作者は次作「ヒミズ」でギャグを脱却し、精神世界に重点をおいた話ばかり描き始める。個人的にはもうちょっとギャグも描いて欲しい。

AKIRA


説明不要のSF超大作。背景の緻密な描写が特長で、その後の漫画・アニメに多大な影響を与えたと言われる。

彼女の思いで


「AKIRA」を描いた大友克洋の短編集。短編集は何冊か発行されているが、一番好きなのがこれ。「Fire-Ball」という話はAKIRAの元になった話。作者曰く、「未完だからいつか直したいと思っていて、それを進めていったらAKIRAになっちゃった」らしい。個人的に好きなのはタイトルにもなってる「彼女の思いで」だろうか。まあ、宇宙とか宇宙船とか出てくるからだけど。

ザ・ワールド・イズ・マイン


あまり普通の漫画ばかり紹介しても面白くないので、ここからちょっとディープな漫画を紹介します。「ザ・ワールド・イズ・マイン」は簡潔に内容が説明できる漫画ではない。全国の各所に爆弾を仕掛けた凶悪殺人鬼二人組の話。東北が舞台なので好きというのもある。青森・大館・秋田市あたりが主な舞台。13号線とか秋田内陸縦貫鉄道とかが出てくると嬉しくなる。この漫画で特筆すべきなのは、登場人物の心理描写
が優れていることだろう。命乞いをした後に殺されるカップル、殺人犯の母がテレビで息子を確認してから飛び降り自殺するまでの描写。いずれも生々しくありありと描かれている。登場人物周辺だけでなく、たとえば殺人犯の母が入院する病院におけるナースの対応、医師からの病状の説明などが平行して淡々と綴られており、それがリアリティに拍車をかけている。
また、この漫画も同じく、とても哲学的な問いを投げかけるものである。殺人犯が警察署に立てこもったときに発した無茶な要求、「あと数時間で誰しもが平和に暮らせるユートピア」に対する日本政府の回答も秀逸だった。記者会見に応じたのは総理大臣の「由利勘平」。どんな回答だったかは是非、漫画を手にとって読んで欲しい。

ちょっと長くなってきたので続きはまた今度。